制作 (下) (岩波文庫)

制作 : 清水 正和 
  • 岩波書店 (1999年9月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003254561

制作 (下) (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 当時の画学校の様子やサロンのコンテストの様子がとても面白い。革新的な印象派に対する風あたりがとてもリアルに感じられる。このへんは西洋美術史の教科書的記述では感じ取ることの出来ないものだろう。それだけでも本作を一読する価値はある。

  • しかし、下巻に入ると一気に暗く重くなり、画家の苦悩と精神の破綻が進み、こっちまで苦しくなった。
    ゴッホの精神病もこうだったのかもしれないと想像せずにはいられなかたった。
    ゾラを立て続けに読むのはキツイ。

  • ゾラの制作の下巻。上巻は若者の情熱にあふれ、とても明るい内容だったけれど、さすがはゾラ。下巻に入って途端に暗転していきます。
    思う芸術が作れないとあせる芸術家、そんな芸術家を支えきれず、どんどん傷ついていく妻。そのふたりの犠牲となって死んでいく子供。完全にネグレクトされる子供の描写を読むとなんとも言えず心が締め付けられるような気持ちになりました。「居酒屋」の中でも虐待されて死んでいくこどもが描かれていましたが、読むのがつらすぎます。貧困の中で、精神がダメになっていく大人とそのひずみをすべて受け止めてしまう子供の悲劇をきっとゾラは伝えたかったのでしょうね。

    本の中で様々な芸術家たちが、制作することの苦しみを語ります。思った作品を作れない苦しみ、作品に支配される自己、その犠牲になっていく周囲の人間、そして成功の後にあるまたまた大きな苦しみ。ゾラ自身の思いを様々な形で表現したのでしょう。

    それでもすばらしい作品を生み出す時のしあわせは、苦しみを埋め合わせるぐらいの強いものなのでしょう。麻薬みたいなものかもしれません。

    ゾラの生みの苦しみを集結させた作品。でも、生みの喜びも少しは分けて欲しかったなあ・・・。

  • セザンヌの親友でもあった小説家エミール・ゾラが得意の観察眼を駆使して書き上げた作品。アカデミズムと身内びいきに凝り固まった当時のフランス画壇を風刺しつつ、主人公が狂気に侵され破滅していく様を生々しく描きます。
    表紙の絵のセンスが素晴らしい!上巻ではセザンヌの「水浴の男達」でしたが、下巻ではギュスターヴ・モローの「出現」が使われています。神秘主義に傾倒していく主人公の作風の変化を表しているのでしょう。

  • 2007年7月22日
    上下巻を持つ文庫本小説を読み終えたのは初めてかもしれない。クロードが徐々に心身ともに衰退していく様、幸福とは勇ましく理想を追求し続けることなのか、それともある時点では妥協を許すことなのか、考えてしまう。また彼を裏切らなかったサンドースやクリスティーヌが示し続けたものが真の友情、愛情なのだろうか。
    セザンヌの図版が何枚か載っている解説はまだ読んでいないので、読んでみたい。

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