にんじん (岩波文庫)

  • 岩波書店
3.37
  • (22)
  • (30)
  • (67)
  • (17)
  • (3)
本棚登録 : 413
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003255315

作品紹介・あらすじ

にんじん色の髪の少年は、根性がひねくれているという。そんなあだ名を自分の子供につけた母親。それが平気で通用している一家。美しい田園生活を舞台にくりひろげられる、無残な母と子の憎みあいのうちに、しかし溢れるばかりの人間性と詩情がただよう。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読書会の課題本として読んだ。
    暴力こそないものの、主人公である「にんじん」が精神的に虐待を受けていてとてもつらかった。ああ言えばこう言う式に、結局は何も言っても否定されるので、単純な事柄さえ素直に口にできなくなってしまっている姿が痛々しい。
    それでもまだ親からの愛情を求めているらしいにんじんが可哀そうだった。

    それだけに、最後ではっきりと母親への感情を出す場面では「その調子だ!」と思った(笑)。
    明らかにおかしいのは、彼の母親の方なのだから、それをきちんと表明できるにんじんはすごい。私はにんじんの父親もひどいなぁと思っていて、それは父親がにんじんに「お前が今より幸せになることなんてない」と言う場面からも明らかだ。自分の子供に、「今より幸せになることなんてない」(=今がお前の一番幸せな時だ)と言うなんて、何様なのだ? と思う。現状を肯定したいがために、子供を支配しようとしているだけだ。

    ……と思っていたのだけど、読書会で全く違う意見、むしろ正反対な意見が出て、とても新鮮だった。
    その人の解釈では、ここは(この後に続く文もふまえて)父親の子供へ対する思いやり=お前も大人になれば自由になれるのだぞ、という認識を共有する場面なのだそうだ。現実を受け入れた上で、共に戦っていこうという励ましと読まれたらしい。
    読みがぜんぜん違ってびっくりした。読書会をすると、自分の視点以外にもさまざまなものの見方、受け取り方があるのだなぁと改めて感じる。

  • 2020年4月再読。読後の印象は、にんじんの悪童ぶりや、ルピック婦人(母親)との確執から、ルピック氏(父親)のユーモアを込めたにんじんへの愛情と期待に移った。1世紀前の多動性傾向の学業優秀児の身辺記とも。10代で触れた本を、40代に再読する愉しみ。

  • 訳:岸田国士、原書名:POIL DE CAROTTE(Renard,Jules)

  • ルナアルの自伝的小説だそうだが、両親から十分な愛情を注がれていたとは言い難い子供時代だったのだなぁという印象。正直この本がなぜ広く読まれているのか分からない。でも間違いなく、一度読んだら忘れられない作品ではある。読みやすかった。

  • にんじんはねー、ただ愛してほしかっただけなんだね。読んでいて痛々しかった。愛を得るために努力する様がいじらしい。でもそれを「うっとおしい」と感じる大人たちの気持ちも分からなくはない。

    このお母さんもうちょっと優しくなればいいのに。

  • 岸本佐知子さんの小中学生時代の愛読書だと知り興味を持った。

  • 大好きな作品

  • 悲惨だがなぜかこころうたれる。

  • 後味悪め。報われない・・・

  • 飲みながら1人で読むとおかしくて苦しい

全38件中 1 - 10件を表示

ルナアルの作品

にんじん (岩波文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする