魅せられたる魂〈1〉 (岩波文庫)

制作 : 宮本 正清 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 45
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003255414

作品紹介・あらすじ

裕福な家庭に育ったアンネットは、父の死後、異母妹シルヴィを知り、親しくなる。一方、破産を宣言され、恋人ロジェとも別れる。そして、彼との間に生れたマルクの母としてのたたかいの日が始まる。一次大戦前後のパリに生きる一人の女性を描く大河小説。

感想・レビュー・書評

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  • 「わたし結婚なんかしようと思わない。ああいう独占的な関係に適するようにわたしむいていないの。あなたは言うでしょう、幾百万という女がそれに満足しているのだ、わたしはあまり真剣に考えすぎるのだって。でもわたしはそういう人間なんです、わたしは何でも真剣にとるのです、わたしは自分を与えるとなれば、あまり与えすぎるのです。そうなると息もできなくなってしまう。首に石をつけて溺れるような気持なんです。それはわたしが十分に強くないからでしょう! わたしの人格は固まっていないのです。あまり強い絆――木蔦――はわたしの精力を吸いとってしまうのです。そしてわたしの分はいくらも残らなくなってしまいます。わたしは『相手』に気に入られようと、彼の望みどおりの理想像に似せようと一生懸命になるのです。そしてそれが悪い結果になるのです。自分の本性をあまり捨てると、人は自分に対する尊敬を失うのです。そしてもう生きては行かれなくなるのです。さもなければ、反抗して、人を苦しめるのです。・・・・・・わたしはひとりで生きるようにできているのです。(「魅せられた魂」ロマン・ロラン)

  • 百恵ちゃんが引退する少し前に「人はそれをスキャンダルと言う」というドラマをやっていた。サスペンスタッチでなかなか面白いドラマだった。
    その原作がロマン ロランの魅せられたる魂だと知って読んでみた。
    どちらも父親の死後、隠し子がいる事が判明し、腹違いの妹と出会うところから始まる。

    ドラマの蘭子はとんでもない性悪女で、何かと引っ掻き回してくれたけど、原作のシルヴィーは奔放なところはあるけれど、自力していて社会通念も持っている現代の我々からみたら好感度の高いチャーミングな女性。むしろ主人公のアンネットのほうが面倒臭い女。なんでしょう、自分から人生をややこしくしてしまっている。

    妹との関係、息子との関係、今後の展開が楽しみ。

  • スタンダールの「赤と黒」がロマン・ロランの「ジャン・クリストフ」だとしたら、「パルムの僧院」が「魅せられたる魂」にあたるのでは?

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著者プロフィール

Romain Rolland(1866-1944)1866年フランス中部のニエーヴル県クラムシーに生まれる。1880年パリに転居。エコール・ノルマル・シュペリウール(高等師範学校)卒業と同時に歴史の教授資格試験に合格。教鞭をとる傍ら戯曲や音楽評論を発表し、1913年に小説『ジャン・クリストフ』がアカデミー・フランセーズ文学大賞を受賞。1914年8月、スイス滞在中に第一次世界大戦が勃発、この地で戦闘中止を訴えた。1916年ノーベル文学賞受賞。戦後は反ファシズム活動に参加、第二次世界大戦中はナチスに抗しながら執筆を続けた。1944年没。代表作は他に『ベートーヴェンの生涯』、『戦いを超えて』、『先駆者たち』、『クレランボー』、『魅せられた魂』、『革命によって平和を』など。

「2015年 『ピエールとリュース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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