ジャン・クリストフ (1) (岩波文庫)

  • 岩波書店 (1986年6月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784003255513

みんなの感想まとめ

音楽家としての成長を描いた物語は、主人公ジャン・クリストフの苦悩と葛藤を通じて、深い人間性を探求します。物語は、貧しい家庭に生まれた少年が作曲家としての道を歩む姿を描き、正義や愛、道徳といったテーマが...

感想・レビュー・書評

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  • 「神様のカルテ3」で、東西さんと、しんちゃんの所で出てきた、フランス文学?「ジャン・クリストフ」1巻目を読んでみました。

     原作は、1903年から1912年に書かれたもの。著者であるロマン・ラマンは、この「ジャン・クリストフ」でノーベル文学賞を受賞しているそうです。

     私が読んだ岩波文庫版は、1986年に出されたものですが、なかなか言葉が難しい。まぁ、原作が100年以上も前のものなのでしかたないですね。現代語訳では、物語の重さが表現できないでしょう。

     ストーリーは、貧しい音楽家に生まれた少年が、作曲家として大成する物語。第1巻は生まれてから青年期までを描いています。
    一字一句を舐めるように読んだわけではありませんが、一読にて理解できるものではないですね。でも、魅力がある。単純に「面白い!」と言い切れない部分がある。
     恐らくは彼の苦悩に満ちた生き方に、誰もが相通ずるものがあるでしょう。正義や宗教、恋や愛。道徳や哲学。生きて行く上で、人間であるが故の葛藤が息苦しく苦しく描かれています。

     特筆して、叔父のゴットーフリートの言葉は、クリストフと同じように読者の心にも突き刺さる。
    こんな本を傍らに持ち、100年以上前の著書から発せられるエネルギーを真摯に受け止め、生きて行く上でのエネルギーにしたい。

    久しぶりに、妙薬にような本に出会い、苦々しい気持ちです。でも嫌いでは無い。

  • 少年。そばかす。赤毛。「にんじん」と呼ばれ、母親からいじめられている。母親は兄と姉は可愛がるが、末っ子の「にんじん」には冷たい。鳥小屋の戸を閉め忘れたら、夜に閉めに行かせる。おねしょをすると、おしっこ入りのスープを朝食に飲ませられる。「にんじん」は父親に母親から虐待されていることを打ち明ける。「僕はあの人を母親だと思っていない」。ジュール・ルナールRenard『にんじん』1894
    〇フェリックス。にんじんの兄。
    〇エルネスティーヌ。にんじんの姉。

    人生に思いを馳せれば馳せるほど、ますます人生に証人および裁判員として、「皮肉」と「憐憫」を与えねばならない▼大衆は断言を求め、証拠は求めない。証拠は大衆を動揺させ、当惑させる。大衆は単純であり、単純なことしか理解しない。大衆に対しては、いかにしてとか、どんな具合にとか言ってはならない。ただ、”そうだ”、あるいは”そうではない”といわなければならない(p.86)▼ドン・キホーテ、カンディド。明朗で笑っているようでいて、深い悲しみと憐みを堪えた本(p.37)▼不安が人間の思想に魅力を与える。不安を知らない精神はわたしを苛立たせるか、あるいは退屈させる(p.81)。アナトール・フランスFrance『エピクロスの園』1895

    エヴァリスト・ガムラン。青年。画家。純粋。単純。ジャコバン派の支持者。マラーやロベスピエールを崇拝。愛国者。ロベスピエールの恐怖政治。ガムランは革命裁判所の陪審員に任命され、革命に反対する人たちを次々とギロチン台に送る。自らの正義を狂信。しかし、テルミドールのクーデタ(1794)によりロベスピエールが失脚、ガムランも逮捕され、今度は自らがギロチン台に送られる。アナトール・フランスFrance『神々は渇く』1912
    〇エロディ。娘。ガムランの恋人。ガムランの死後、反革命派の画家と恋に落ちる。

    シラノ。剣客。醜い大きな鼻にコンプレックス。繊細。詩人。美しい娘ロクサーヌに密かに想いを寄せている。自分に自信がなく、想いを伝えられない。ある日、ロクサーヌから別の男クリスチャン(美青年)との仲を取り持ってほしいと頼まれる。お人よしのシラノはロクサーヌと美青年クリスチャンを引き合わせ、さらに文才のないクリスチャンの代わりに美しい口説き文句(詩)を作る。その後、美青年クリスチャンは戦死。15年の時が流れ、シラノは死の直前、初めてロクサーヌに想いを伝え、息絶える。シラノ「私があの世にまで持っていくもの、それは心意気」。エドモン・ロスタンRostand『シラノ・ド・ベルジュラック』1897
    ●ド・ギッシュ。伯爵。強引にロクサーヌに結婚をせまる。
    ※シラノ(Cyrano)は実在の人物。

    万物の秘密・幸福の秘密を知る青い鳥を、貧しい兄妹が探し求める旅。旅先で二人は青い鳥を見つけるが、黒や赤に変色したり、すぐに死んでしまう。旅から帰ると、散々探し回った青い鳥は二人の家にいた。が、逃げてしまう。チルチル「また見つければいい」。モーリス・メーテルリンクMaeterlinck『青い鳥』1908
    〇チルチル。兄。貧しい木こりの子。
    〇ミチル。妹。
    〇ベリリウンヌ。青い鳥を探してほしいという老婆。

    アリサ。娘。親は厳格なプロテスタント。信心深い。親戚の男の子ジェロームに恋。ジェロームもアリサに恋。しかし、妹ジュリエットもジェロームに恋していた。アリサは自分を犠牲にして、妹とジェロームを結婚させようとする。アリサはジェロームから求婚されるが断る。妹ジュリエットは別の男に結婚を申し込まれて結婚。ジェロームから求婚が続くが、アリサは「幸せのために生まれて来たのではない」と言って断り続ける。神への孤独な愛を貫こうとするアリサ。しばらくして、アリサは体調を崩し、診療所で寂しく息を引き取る。アンドレ・ジッドGide『狭き門』1909
    〇アリサ。ジェロームの叔母の娘。神への道徳心。物憂げ。ジェロームが結婚を申し込むが、断り続ける。
    〇ジュリエット。アリサの妹。姉アリサの死後、生まれた子に「アリサ」と名付ける。

    ジェルトリュード。少女。盲目。アンドレ・ジッドGide『田園交響楽』1919

    真実を探している者を信じよ。真実を見つけた者を疑え▼嘘で固めた自分で愛されるよりも、本当の自分で嫌われる方が気持ちがいい。アンドレ・ジッドGide

    ロマン・ロランRolland『ジャン・クリストフ』1904
    〇ジャン・クリストフ。ドイツ生まれ。飲んだくれの父。女中の子。貧しい家。村で乱闘騒ぎに巻き込まれ、村を出る。強い生命力。どんな悩み・苦しみにも屈しない。真面目。モデルはベートーヴェン。
    〇メルキオール。ジャンの父。酒飲み。家庭をかえりみない。
    〇ルイザ。ジャンの母。
    〇オリヴィエ。パリで出会った青年。ジャンの友人に。死去。
    〇アンナ。スイスで出会った女。ブラウン氏の妻。ジャンと恋仲に。2人で心中しようとするが失敗。
    ・望む通りに事ができるものではない。望むと生きるは別である。肝心なことは、望み生きることに飽きないことだ▼誤ることがないのは何もなさない者である。生きた真理への誤謬は、死んだ真理よりも豊穣である▼すべてを所有している時に社会を否定するのは、最上の贅沢である。

    英雄は自分のできることをする。凡人はできることをしないで、できもしないことを望んでばかりいる。ロマン・ロランRolland『魅せられたる魂』1922

    青春。アラン=フルニエ『グラン・モーヌ』1913

    人は判断力の欠如で結婚し、忍耐力の欠如で離婚し、記憶力の欠如で再婚する。アルマン・サラクルーSalacrou

    レア。女。元娼婦。49歳。独身。美少年シェリと付き合いはじめて6年が経つ。レアは24歳年下の恋人シェリを「坊や」と呼び、世話をやく。しかし、シェリは結婚することになり、レアはシェリとの別れを決意。レア「あなたを愛したとき、いつも1時間後にお互い死んでもいいぐらいの気持ちだった」。「わたしはおばあさん、あなたは自分の若さを探しに行きなさい」。「出ていって」。レアはシェリを部屋から追い出す。レア「シェリはわたしのところに戻ってくる」。淡い期待を持ちながら、窓から外を見ると、シェリはまるで脱走に成功したかのように、春の空気を胸いっぱい吸い込んでいた。シドニー=ガブリエル・コレットColette『シェリ』1920 ※女性作家

    フィリップ。16歳。少年。ある日、近くの別荘に30歳の熟女が夏のヴァカンスにやってきた。フィリップは熟女に夢中になり、背伸びをして「大人」に思われようとする。が、熟女はヴァカンスが終ると帰ってしまう。フィリップは落胆、幼馴染の少女ヴァンカ(15歳)と男女の関係になるが、後悔の気持ちが残る。シドニー=ガブリエル・コレットColette『青い麦』1923

    女を良く言う者は、女を十分に知らない。女を常に悪く言う者は、女をまったく知らない。モーリス・ルブランLeblanc「断片」 ※怪盗紳士ルパンの作者

    記憶喪失の男。自分の名前も思い出せないので「ジークフリート」と名乗る。第1次大戦で大敗したドイツ。男はドイツの政治家として、ドイツ再建に全力を注ぐ。しかし、「ジークフリート」は実は敵国フランスの人間(フォレスティエ)であることが分かり、フランスに帰っていく▼どんなに対立した経験でも、いつか一つの人生に溶け込むだろう。見出した祖国も見失った祖国も、やがてすべてが論理の綾を織り、単純な人生を形作るかもしれない。ジャン・ジロドゥGiraudoux『ジークフリート』1922

    ジャック。チボー家(厳格なカトリック)の次男。純粋。ブルジョワ社会への反発。父と対立。ジャックの父は自身が創設した少年院に反抗的なジャックを入所させ、「矯正」しようとする。が、ジャックの兄の取り計らいにより釈放される。エコールノルマルに合格するも、入学前に失踪。反戦活動に身を投じるも、第1次大戦で戦死▼アントワーヌ。チボー家の長男。冷静沈着。合理的。医学生から小児科医。第1次大戦が始まり、毒ガスにより死亡。ロジェ・マルタン・デュ・ガールdu Gard『チボー家の人々』1922

    マルト。娘。夫は戦場に出ている。ある日、3歳年下の15歳の少年フランソワに恋。肉体関係を持つ。その後、マルトは妊娠、生れて来た男の子に「フランソワ」と名付ける。マルトはフランソワに「赤ちゃんはあなたの子ども」と告げる。マルトの夫が戦地から帰ってくると、マルトは急死してしまう。レモン・ラディゲRadiguet『肉体の悪魔』1923

    マオー。若い人妻。夫はドルジェル伯爵。ある日、20歳の青年と出会い、惹かれていく。レモン・ラディゲRadiguet『ドルジュル伯爵の舞踏会』1924

    テレーズ。資産家の娘。聡明。感受性豊か。美人ではないが、魅力がある。喫煙家。結婚生活に息苦しさを感じている。閉塞感。檻の中。ある日、心臓病の夫ベルナールにヒ素を飲ませ、未遂に終わるが、裁判にかけられる。動機を問い詰める夫に対して、テレーズ「あなたの目のなかに不安の色を見たかったから」。フランソワ・モーリャック『テレーズ・デスケルー』1927

    夫婦の愛憎をふくんだ心理描写。フランソワ・モーリャック『蝮(まむし)のからみあい』1932

    ガリン。男。スイス人。無政府主義者。広東政府の宣伝部で、中国国民党の革命指導者の一人。アンドレ・マルローMalraux『征服者』1928

    ベルケン。男。クメール王朝の古代寺院でお宝を探す。アンドレ・マルローMalraux『王道』1930

    ナジャ。謎の女。パリの街・人々をシュールな視点から表現していく。アンドレ・ブルトンBreton『ナジャ』1928

    エリザベート。娘。親はすでに亡くなっており、体の弱い弟ポールと暮らしている。2人が暮らす子供部屋は外界から隔離された世界。空想の世界に逃避。永遠の子供。そこに、アガート(女)が現れ、一緒に暮らし始める。アガートは弟ポールに恋するようにったため、エリザベートは2人の世界を守るためアガートを家から追い出す。しかし弟ポールは衰弱死、エリザベートは拳銃自殺する。ジャン・コクトーCocteau『恐るべき子供たち』1929
    ※金持になった貧乏人は、贅沢な貧しさをひけらかす。

    +++++++

    リヴィエール。男。ブエノスアイレスにある飛行場の支配人。飛行機を使って郵便物を各地に配達する事業を担っている。夜間、暗闇の中を飛ぶのは危険で、極度の緊張・恐怖を伴う。リヴィエールは、部下のパイロットたちには心配する家族がいることを知りつつも、毅然とした意志でもって郵便事業を遂行していく。アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリSaint-Exupéry『夜間飛行』1931

    愛はお互いに見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめること。アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリSaint-Exupéry『人間の土地』1939

    言葉だけで判断してはいけない。彼女の言葉ではなくて行動で判断すべきだった。つまらない見せかけの裏にあるやさしさをちゃんと理解すべきだった(8)。心で見ないと、ものごとはよく見えない。肝心なことは目に見えない(21)。きみはごちゃ混ぜにしている。大事なことも、そうでないことも(7)。花の匂いをかいだことがない、星を眺めたことがない、誰かを愛したことがないなんて人間じゃない、茸(きのこ)だよ(7)▼「関係」あるものは大切なもの。自分で丹精込めて育てた薔薇と、その他の自分と「関係」のない薔薇は違う。人は星を持っている。星はみな違う。旅行者にとっては案内人、他の人には小さな灯り、学者にとっては研究課題、ビジネスマンにとっては金貨。きみは自分の星(「関係」する星)を持つことになる(26)。アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリSaint-Exupéry『小さな王子/星の王子さま』1943

    生きることは徐々に生まれること▼本当の愛は何一つ見返りを望まないところに始まる。ぼくがこれほど、あなたに執着しているのは、たぶんあなたを自分で勝手につくりあげているからだ▼完璧がついに達成されるのは、何も加えるものがなくなったときではなく、何も削るものがなくなったとき▼計画のない目標はただの願いごと。アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

    +++++++

    フェルディナン・バルダミュ。医者。第1次大戦に従軍、おぞましい殺戮と軍隊の愚劣。アフリカの植民地、会社経営者に搾取される白人、奴隷状態の黒人。米フォード社で働く奴隷のような労働者。病気になりお荷物になった婆さんを殺そうとする家族。不仲から相手を拳銃で殺害する夫婦。正義を口にする連中が、結局もっとも気違いじみている。ルイ=フェルディナン・セリーヌCéline『夜の果てへの旅』1932

    アントワーヌ・ロカンタン。男。30歳。歴史家。海辺で小石を拾うと吐き気を感じる。泥の水たまりに落ちている紙片を拾うと吐き気を感じる。古いジャズのレコードを聴くと吐き気がおさまる。ある日、ヒューマニズム的な人間愛を語る社会主義者の話を聞いていると、激しい吐き気に襲われる。公園に逃げるように入り、マロニエの木の根を見つめると、吐き気の正体が存在の不条理・世界の無意味さだったことに気付く。人間を含め、存在物はなんの理由もなく、意志もなく、ただ偶然そこに存在している。ジャン=ポール・サルトルSartre『嘔吐』1937

    ムルソー。男。養老院にいた母が死亡。養老院を訪れ、お通夜。長い夜。ミルクコーヒーを飲み、タバコを吸う。次の日、母との最期の対面を勧められたが断った。母を埋葬。涙は出なかった。太陽の灼熱が頬に伝わってくる▼翌日、海水浴場で元同僚(タイピスト)の女マリーと再会。喜劇映画を見て、女と夜を共にする▼隣人の男レイモン。女を食い物にしている。愛人のアラビア人の女が働こうとせず、金食い虫だから、関係を終わらしたいようだ。アラビア人の女の兄から因縁を付けられ、殴り合いの喧嘩をしたらしい。数日後、その愛人の女の兄がアラビア人の仲間1人を連れてやってきた。そのアラビア人の仲間は隣人の男レイモンに短刀で切りつけ、逃げていった。ムルソーはピストルを持ち、独りで歩いていると、短刀を持っていたアラビア人の男がいた。太陽の灼熱が頬に伝わってくる。ムルソーは太陽に堪えかねて一歩前に踏み出し、ピストルの引き金を引いた。動かなくなった体にさらに4発。ムルソー逮捕▼裁判長から殺人の動機を聞かれると、ムルソーは答える。「太陽のせいだ」。理由にならない理由。死刑判決。ムルソー「僕は人生と来るべき死に確信をもっている。人間はすべて特権者だ。世界のやさしい無関心に自分を開き、幸福だった。僕の孤独をやわらげるため、処刑の日に大勢の見物人が、憎悪の叫び声で迎えてくれることを望めばいい」。アルベール・カミュCamus『異邦人L'Étranger』1942
    ※舞台はアルジェ。地中海。
    〇サラマノ。隣人。老人。自分とよく似た犬と暮らしている。ある日、犬が行方不明になり、悲しでいる様子。
    *意味があるからやるではなく、やることで意味になる。

    感染症。極限状態に置かれても、神に救いを求めることなく、自分勝手に生きることなく、周囲と協力して不条理に決然と対抗する人々。アルベール・カミュCamus『ペスト』1947

    フランスのある村。ナチス占領下。高齢の伯父とその姪が静かに暮らす家に、ドイツ人の若い軍人が住み着く。ヴェルコールVercors『海の沈黙』1943

    ボリス・ヴィアンVian『日々の泡/うたかたの日々』1947
    〇コラン。22歳。大金持ち。クロエを失い、自殺を図る。
    〇二コラ。コランに雇われている料理人。
    〇シック。コランの友人。作家ジャン=ソール・パルトル(ジャン=ポール・サルトル)の大ファン。親友コランから財産を贈与してもらうが、お金をパルトル作品の収集に使ってしまう。
    〇クロエ。コランの恋人。肺の中に睡蓮が生える病気で死亡。
    〇ハツカネズミ。灰色。黒い口ひげ。クロエを失い絶望するコランに同情。
    ※現実味のないファンタジー世界。

    ジュネ。男。泥棒。バルセロナのスラムでの生活、伊・東欧などの放浪。乞食・詐欺・男色・密売・裏切り・殺人。ジャン・ジュネGenet 『泥棒日記』1949

    セシル。女。17歳。母は2歳の時に死去。大好きな父と夏のヴァカンスに来ている。父レイモンは40歳。恋多きイケおじ。「大きな子ども」。娘のセシルに勉強しろとも言わない。だらしない。怠惰。恋愛大好き。父と娘は価値観を共有している。セシルの好きな言葉は「不道徳(sin)は現代社会において鮮明な色彩を保つ唯一のもの」(オスカー・ワイルド)▼そこにアンヌという女性が現れる。アンヌは上品・理知的・規律正しい・聡明・プライドが高い。セシルに勉強しなさいと言ってくる。アンヌはセシルの父レイモンと恋仲になり、結婚の流れとなる。大好きなパパが奪われる。危機感をもつセシル。あの女は冷たい、わたしとパパは熱い。あの女は人に興味がない、わたしとパパは人に熱中する。あの女は慎重、わたしとパパは陽気。あの女は、わたしとパパから何もかも奪っていく美しい蛇▼セシルは父とアンヌの結婚を止めさせるため、ある計画を思いつく。父の元カノ(エルザ29歳)と若い美形の日焼け青年(シリル)がいちゃついている所を父に見せつけ、父を嫉妬させ、元カノ(エルザ)への愛を再び燃え上がらせるのだ。計画実行。父レイモンはまんまとエルザに夢中になる。そこにアンヌがやってきて、結婚を約束したレイモンが別の女といるところを目撃。繊細なアンヌは泣きながら車で走り去る。しばらくして、アンヌが崖から車ごと落ちて死んだと知らせが入る。物憂さと甘さが胸から離れない。フランソワーズ・サガンSagan『悲しみよ、こんにちは』1954 ※女性作家、「サガン」は失われた時を求めての登場人物から。

    「きみ」。男。45歳。パリにいる妻と4人の子どもを捨て、ローマにいる愛人と新たな生活を始めようと、ローマ行きの列車に乗る。が、列車の中でいろいろ考えるうちに心変わりし、パリに帰る。ミシェル・ビュトールButor『心変わり』1957
    〇アンリエット。妻
    〇セシル・ダルチェッラ。愛人。

  • 全四巻中の一巻目。

    クリストフ誕生から少年期まで。
    ベートーヴェンをモデルとした大河小説らしいがベートーヴェンの生涯を知らないため比較はできない。

    今のところゲーテのウェルテルよりも断然クリストフの方が感情移入できる。

    思春期特有の感情の機微の描写が秀逸で自分の過去を振り返っている感じ。

    早々に祖父と父を亡くすが、行商人のゴットフリートおじのメンターっぷりが良い。

  • 夏川草介作品の中に本書があったので読み始めた、
    かなりの長編で4巻の
    第1巻をようやく読み終えた
    かなり何回な部分、発想が飛び過ぎている部分があり、第1巻だけで読み終えるのにかなりの時間を要した
    第1巻の最後の部分では生き方にアドバイスをもらえた
    第2巻へ進むのはかなりの決断が必要

  • 音楽家の生涯を描く物語という心構えで読み始めた。
    ところが。思いがけず、男女の心模様をドロドロに描き込んでいたりして、意外の感しきり。
    男と女の真理のやりとり、機微のようなものを描いて巧みである。
    特に、本巻第1分冊の後半、アーダの女の情念の世界と、
    それに微妙にかみ合わないクリストフとの関係を描いていて秀逸。

    ドイツのライン川沿いの小さな町で生まれたジャン・クリストフの半生を描くらしい大河小説。
    偉大な音楽家への歩みを描くようで、ベートーヴェンをモデルにしたとも言われているそうだ。
    岩波文庫の第1巻では、少年期から青年期を描く。
    第1巻(第1章)は6歳くらいの幼年時代から語り起こす。「曙」と題されている通り、自我が固まっていなくて、自分がどういう人間なのか輪郭がぼやけていて、「曙」というか冥い世界に生きている如し、である。
    飲んだくれで生活力の無いダメ親父の一家で、生活は困窮。それでも、祖父も父も音楽家の家。クリストフの才能を見出した父は、幼い彼に無理矢理ピアノを教えはじめ、嫌がる彼に毎日長時間、演奏を教え込む。
    音楽が苦痛で仕方ないクリストフだったが、それでも、いつしか音楽によって世界の見え方が開けてくる。まさに冥から曙へ、という様相である。自然の輝き、雨音や鳥のさえずりを、豊饒な音のきらめきとして描いてゆく。この表現の部分は、他であまり読んだことがない。音楽小説の趣があり、新鮮な印象を受けた。

    クリストフは、ほどなく、地方の宮廷で演奏する宮廷音楽家の職を得、一方で、ピアノ教授の仕事も生業とする。だが、この「第1分冊」540頁の後半は、そうした音楽家としての歩みはそこそこに、女性との出会いがこってりと描かれていく。隣の邸宅に越してきた貴族の娘ミンナ(交際を知った母から、身分違いだと仲を引き裂かれてお別れとなる)。父の死後、母とふたりで転居した下宿先で出会った若き寡婦ザビーネ(クリストフが演奏旅行で遠征中に熱病で急死)。そして或る日、畑で出会った町娘アーダ(情熱的で不埒な感じの女)。
    クリストフはちょっと惚れっぽいようで、出会ってほどなくこうした女性たちに夢中になってしまうのだった。(とくにミンナと出会ったころは、クリストフもまだ15歳くらいなのだが、結婚しようとまで思い詰める。10代の恋にありがちな盲目的な熱情であることよ…)
    この岩波文庫第1分冊の最終盤、クリストフはアーダとも別れる。ざっくり言えばその「失恋の痛手」のため、クリストフは昏い世界に陥る。だが、この暗転転落の後ほどなく、クリストフの世界の見え方が刷新される。彼は音楽創作の大きな活力を得るのだった。

    ちなみに、クリストフは、 決して立派な人格を備えた若者というわけではなく、価値観は偏狭で、思い込みが激しく身勝手で、怒りっぽい。かくも不完全な人柄の主人公、これまで出会った記憶がない。

  • やっとこの本に辿り着いたという感じ。
    世界文学全集で誰もが薦める人類の必読書としてこの小説の存在があった、読んでいないことに対するコンプレックスを常に持っていた。読み出して、その意味がよくわかる。着実な構想と文章で一人の稀有な音楽家の人生を擬似体験させてくれる。生きるエネルギーに満ちたドラマで表現がとにかく丁寧で緻密である。クリストフの生い立ちや少年・青年期の心理描写と内省の世界は今でもまったく古びない。それどころか時代や環境が変わっても人間の本質は変わらないということを強く教えられる。作者の思想・発想・視点が極めてオーソドックスで気を衒わず物語は進行する。ロマン・ローランという文学者の人間性と能力、そして彼が生きた時代のヨーロッパ・社会環境を如何なく見せてくれる。解説が微に入り細にわたり丁寧なので読んでいて次の展開を期待すること頻りなのだが、とにかく安心できる心地よい読み物だ。長い旅になりそうなので気を抜かず楽しもう。

  • 人間を描くことが小説の一つのありかたなら、これは読むべきだろう。

  • 3.95/440
    『ライン河畔の貧しい音楽一家に生れた主人公ジャン・クリストフは,人間として,芸術家として,不屈の気魄をもって,生涯,真実を追求しつづける.この,傷つきつつも闘うことを決してやめない人間像は,時代と国境をこえて,人びとに勇気と指針を与えてきた.偉大なヒューマニスト作家ロマン・ローランの不朽の名作.』(「岩波書店」サイトより▽)
    https://www.iwanami.co.jp/book/b248045.html

    原書名:『Jean-Christophe』
    著者:ロマン・ロラン (Romain Rolland)
    訳者:豊島 与志雄
    出版社 ‏: ‎岩波書店
    文庫 ‏: ‎540ページ(第一巻) 全四巻
    ISBN : ‎9784003255513


    メモ:
    「…1904年から1912年にかけて、シャルル・ペギーが創刊した雑誌『半月手帖』に発表された。ロランはこの作品によってノーベル文学賞を授与されている。
    …ドイツ・ライン川中流の小都会に生まれた音楽家クリストフを主人公に、3代にわたる100人を超える人物が登場し、当時の西欧社会を描き出そうとした作品。主人公ジャン・クリストフはベートーヴェンをモデルにしていると言われている。(wikipediaより)」

  • 100年近く前にフランス人によって書かれた作品であるにも関わらず、現代を生きる自分に響く言葉が多く残されていた。生きることは、その昔から楽しいものでも幸福なものでもなく、苦しみを伴うものである。ゴットフリート叔父さんの言葉は私によく響く。「一年後のことを、十年後のことを、考えてはいけない。今日のことを考えるんだよ。」「なぜできもしないことあくせくするんだい?できることをしなければいけない…我が成し得る程度を」

  • 音楽好きの私の為にと母が買ってきてくれた。
    高校生のころだったと思う。読み切ったはずだが殆ど記憶が薄れている。

  • 幼少期の感受性をこんな風に描写できるなんて。
    自分の当時の感情をちょっとだけ思い出した。

  • 1巻だけしか読めなかった。

  • 文学

  • 図書館

  • 貧乏、同性愛、異性愛を経験する多感な少年が、同時に音楽への才能に覚醒していく様は、ロランの描く芸術家の胎動の理想像が読み取れる。

  • 小説を読みながら涙を流す体験は初めてだった。全4巻と長いが独特の緩急があり、さらにフランス文学らしく文章がきらめいている。泣いたのは、ジャンが故郷を後にするシーン。自分の国の、国での思い出が走馬燈のように駆け巡るのだが、込み上げて来る郷愁に読者は勝てない。本当は再読したいが体力が…恐らく難しいだろう

  • 青空文庫で読んだ

  • 全巻読み終わってはいないのですが
    時には失敗しながらも、情熱を灯し続けるクリストフの姿を見ていると勇気をもらえた。

  • ロマンロランは、力や思想によって人を支配せしめるような人を「英雄」とはみなしていません。ロマンロランは「心情において人を支配せしめることができる人こそが真の英雄である。」とその緒言の中で言っております。

  • 攻殻で知った。読みたい。

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著者プロフィール

1866年、フランスの中部クラムシーに生まれ、1944年に没する。作家、音楽史家。第一次世界大戦中は反戦論を唱え、第二次世界大戦中も反ファシズムをアピールした。文学や芸術の領域で活動するだけでなく、現代社会の不正と戦い、人権擁護と自由を獲得するために政治的・社会的論争を起こし行動した。1915年、ノーベル文学賞受賞。主な作品に、大河小説『ジャン・クリストフ』、『魅せられたる魂』をはじめ、『ベートーヴェンの生涯』や『戦いを超えて』、『インド研究』などがあり、そのほか、小説、戯曲、伝記、自伝、評論、日記、書簡などの膨大な著作がある。

「2023年 『ジャン・クリストフ物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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