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Amazon.co.jp ・本 (214ページ) / ISBN・EAN: 9784003255636
みんなの感想まとめ
人生の苦難を乗り越え、偉大な芸術を生み出した一人の男の物語が描かれています。ミケランジェロは神から授かった才能を持ちながらも、困難な状況に直面し、時には自らを犠牲にしてまで作品に向き合いました。彼の人...
感想・レビュー・書評
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ミケランジェロの人生に圧倒されました。私は自分の人生がちっぽけで取るに足らないと思っているわけではありません。でも、どんな苦しみの中にあっても、正しく真面目に生きていこうとした彼の人生を思うとき、私が考えるよりも、はるかに偉大な人生に触れることができた幸せに感謝したいと思いました。彼は自分では抱えきれないほどの才能を神様から与えられましたが、その人生は苦難の連続で、本当に才能に食い尽くされたような人でした。でも彼の人生全体が、なんとも言えない深い愛情に満ちているのは不思議です。
彼が本当に彫刻したのは自分の魂だったのかも知れません。私たちはそれを見ることはできないけれど、残された作品から、それがどんなに神々しく美しいのか、想像することはできます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
天才的な芸術性を神から授かりながらも、親族のメンツに終始腐心し、パワハラ教皇と幾度も対立し、飲まず食わずで88歳まで大理石を掘り続け、それでもなお未完の作品が多数残るとは…
彼の人間的な弱さを振り返りながら、1人の人間が一生のうちにどれだけ偉大なことを成し遂げられるのかを知ると、涙せずにはいられない。 -
「世界に真の勇気はただ一つしかない。世界をあるがままにみることである。そうしてそれを愛することである。」
このロマン・ロランの言葉に出逢えただけで
この古典を読む価値はあったのではないだろうか。
偉大さとは一体何なのか。
それは決して弱さがない人間のように見せかけることではない。
弱さをも含めたありのままを受容して、その弱さゆえに輝きを放つ魂。
ロマン・ロランの書くミケランジェロが伝わってくる人間的な弱さ。
偉大とされるミケランジェロのありのままを見た時に、偉大さとは、幸福とは。
考えさせられる。
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『ベートーヴェンの生涯』で人生の苦悩を真正面から受け止め、それとの闘いを乗り越えることで偉大な精神のあり方を我々に示してくれた人物の姿を描いたロマン・ロランが、この作品ではミケランジェロの生涯を描いている。
この作品でも、ロランはミケランジェロの芸術家としての偉大さを精緻に描きあげるのではなく、彼の人生における周囲の人達との衝突や摩擦を描くことで、生きるということの困難とそこからミケランジェロが送った人生の真実を描き出そうとしている。
ミケランジェロは偉大な芸術家であった。それは彼が残した作品の完成度を見れば一目瞭然であり、また特に彫刻家を自認していながら絵画、建築、詩などそれ以外の領域でも一級の作品を残すことができる、天才としての能力を持った人物であった。
しかし、本作品で描かれる「人生を生きる存在」としてのミケランジェロは、そのような勝利者としての姿ではない。むしろ、躊躇し、苛立ち、様々なことを悲観する、自らの意志ではままならない人生を生きる人間として描かれている。
ミケランジェロは多くの作品を残したが、それらは時の教皇や政治的権力者からの発注によるものであった。彼は多くの発注を受け、時に数十年もそれらを完成することができないまま、新しい契約を断ることもできず、やらなければならない多くの事柄の間で逡巡している。
また彼は、弟子との関係においても取引先とのやり取りにおいても、自らのこだわりや求める条件をうまく処理することができず、常に苛立ちを感じながら日々の生活を送っている。そしてミケランジェロは、兄弟や伯父との関係性においても裏切りやいさかいが絶えず、そのままならない人生から、しばしば悲観的になり、自殺を考えたこともある。
このような姿は、至高の芸術に身を捧げ、超越的な世界にいる天才の姿とは全く異なり、むしろ世俗の中でもがく人間を彷彿とさせる。
ロランは、時折作品の素晴らしさに触れることはあるが、大半のページを割いてこのような優柔不断で周囲に翻弄される人生を送るミケランジェロの姿を、ひたすら丁寧に描いていく。伝記として読むにはあまりに物語性やヒロイズムに欠ける内容になっており、なぜこのような作品を書いたのかということを考えさせられた。
おそらくそれは、芸術というものが生まれ落ちる環境や芸術家の創作の現実というものをありのままに描くことで、芸術と人間の間のつながりの本当のかたちを再生したかったからではないか。ミケランジェロの芸術は時に完璧性を伴っており、その宗教性と相俟って、我々の日々の生活とは隔絶したものを受け取ってしまうこともある。
しかしロランは、そのような美術館や聖堂に収められた芸術ではなく、人間としてのミケランジェロがその人生の中で創作した作品としてそれらを位置づけたかったのではないかと思う。そうすることで、ミケランジェロの芸術は我々を励まし、救いの手を差し伸べてくれる存在になる。
人生も芸術も、それらを理想化するのではなく実際にそれがこの世に生まれ存在した時の真実のもとに共に置いてみることで、むしろ両者が支え合い、有益なものになる。ロランはそれを信じていたのではないかと思うし、この作品はミケランジェロを通してそのことを教えてくれるものであると感じた。 -
まさか、あのミケランジェロがこんなに情けない人だったとは...!
ミケランジェロの生涯を、手紙などの記録をたっぷり引用しつつ書いた伝記。
どこを切り取っても名文だらけ。詩的で、良い意味で古めかしくて、文章を味わうだけでも楽しめた。
ミケランジェロってもっと威風堂々とした人物かと思ってたな。
この本で知る人物像はむしろその逆。悩んで苦しんで不平不満ばかりで、偉い人には流される、弱い人だった。でも、弱いながらも清く美しく生きようとする姿にぐっと来たよ。
本文にも書かれていたけれど、才能と人格がこんなにも釣り合わないことってあるんだな...。
それにしても、挫折した作品の多いことよ。がんばって作り方から覚えて完成させた銅像が、一瞬で壊されたところは可哀想すぎて笑った。
これまではミケランジェロの作品が好きだったけれど、この本を読んで、人としてのミケランジェロのことも好きになりました。 -
旺文社文庫で読んでよくわからず、これがちょうとブックオフの220円コーナーにあったので購入。こちらの方が文章に勢いがあるのと、意図がわかりやすいので、総じて読みやすい。雄渾な作品を残したミケランジェロだが、実生活ではむしろ情けない悩みの多いおじいさんで、その悩みも自分で引き起こしたり悪化させたりしている。確かにベートーヴェンも同じようなやっかいなじいさんだけど、もしかしてロマン・ロランはそうしたことを書きたかったのか?!
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アバタロー氏
1905年出版
《ロマンロラン》
1866年フランス生まれ
16才ユーゴと出会う
哲学、歴史、芸術を学ぶ
「ベートーベンの生涯」で反響
1915年ノーベル文学賞
反ファシズム
《時代背景》
・15~16世紀イタリア
フィレンツェ共和国、シチリア王国、ナポリ王国に分かれていた
生き残りをかけた緊張状態
・メティチ家とローマ教皇の存在が大きい
メティチ家は銀行家政治家で実質的なフィレンツェの支配者
ローマ教皇は贅沢で派手
命令、きまぐれ、パワハラ、報酬がもらえない場合も
《ミケランジェロ》
1475年イタリア生まれ
彫刻学校へ入学
・性格は完璧主義、人に頼れない、働きすぎ
パンとワインだけ、食べない寝ないが88歳まで長生き
親兄弟に金銭的要求
・建築家ブラマンテに敵対視され続けた
ブラマンテの罠1
生きている間に墓をつくるのは縁起が悪いとユリウス2世に吹き込む
墓建築は中断、報酬なし借金を背負う
ブラマンテの罠2
ユリウス2世、システィーナ礼拝堂の天井画の依頼
ブラマンテは失敗しそうな仕事をふり、失脚させようと策略した
ミケランジェロは絵画技法は詳しくない
この頃ラファエロがフレスコ画を大成功させていたから彼に頼んでくれと懇願
しかし法王に断られ、1年以上無一文で働き地獄の苦しみ
ほぼ1人で1512年完成
37才という若さなのに、首を上に向けて作業で骨格はぼろぼろ、視力が悪くなり醜い姿になった
・レオナルドの絵画論に彫刻家は汚い労働者のようだと書かれ、レオナルドが嫌いになった
《感想》
システィーナ礼拝堂の「最後の審判」
中央キリストの右下の皮になった者、それがミケランジェロの姿と言われている
悲痛が一目瞭然だ -
芸術の最高峰といわれるダ・ビンチとミケランジェロ。ミケランジェロの作品は新婚旅行でバチカンに行った際に「天地創造」「ダビデ像」「最後の審判」など見ていた。実際に読んでみると想像を全く違う人生に驚いた。著者は人間の弱さを真実にあぶり出すことに焦点をおいて書いたということ。作品のつくる際の決心、覚悟がものすごい。一流なこうなのかと感激した。そしてミケランジェロの信仰心にもとても感動した。「神の助けがあるならば、イタリアにかつてなかったような立派な仕事をしてみせる」「立派な絵画は、神に近づき、神と一体になります。それは神の完全さの写しに過ぎません。」とても刺激を受ける内容であった。
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かなり読みづらい。
『人生のみじめさや魂の弱さから眼をそらすような臆病な理想主義(イデアリズム)を私は嫌う』とロマン・ロランが記すように、本著ではミケランジェロの強烈な二面性が描かれる。圧倒的な芸術的才能と、決して人格者とは言えず、苦悩に満ちた人生。
依頼主の気まぐれに振り回される様は現代に通じるものを感じる。個人的にロマン・ロランは文体に苦手意識がある。 -
訳者も解説で指摘しているように、これはただのミケランジェロの伝記ではない。
ロマン・ロランによるミケランジェロの人生に対する批評である。そこに現れるのはミケランジェロをとおしたロランであり、ミケランジェロをとおしてロランが語りたかったものである。
割と高度な読解力というか、前提知識が必要なように思った。美術にも疎く、キリスト教には無知で、『ジャン・クリストフ』すら読んだことのない身には今ひとつ理解が及ばなかった。 -
訳が秀逸なのかもしれないが、ロマン・ロランの表現には一々惹かれてしまった。イタリアを訪れる前に読んでおけば…。
ミケランジェロを天才と賞賛するだけではなく、その裏で抱えていた苦悩、悲壮、弱さに焦点を当てて本質に迫ってる。豪華絢爛に展示されているミケランジェロの作品にどこかそのような一面を見出すことができるかも知れない。
【心に残った一節】
「大げさな騙されやすい幻にすぐこころひかれる一般人に対して言わなければならない。勇ましい虚言は卑怯であると。世界に真のヒロイズムは一つしかない。世界をあるがままにみることである。そうしてそれを愛することである。」
最近これが一つの真理であるようにも感じている。
蛇足だが、ルネサンス期の内実は芸術家を奴隷のように扱うクソみたいな権力闘争が背景にあったことがよくわかる。 -
この人に、偉業を成し遂げた人の『人間味』を語らせたら右に出るものはいないな…。
その人らしさが現れてるようなエピソードなどの描きっぷりは、ツヴァイク流が炸裂。
収集オタクのツヴァイクの溢れるばかりの思いを、つらつらとハキハキと、メラメラと描かれている。
ツヴァイクご本人が朗読したら、めっちゃツバ出まくってる感じ -
また読む機会があるのかもしれない。今回は響かず。
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流れるような伝記。
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「ベートーベンの生涯」に続けて、ロマン・ロランの「ミケランジェロを読了。
どちらも苦境に負けず、物凄い作品群を残した大天才という共通点があるのですが、ベートーベンの偏屈ぶりは強烈だし、ミケランジェロは、より猜疑心、保身など人間臭さが滲むのは面白い。
ロランがこれらを書いたのは世界大戦の時期。暗さを増す欧州の状況に、我が身を奮い立たせようとしたのでしょうか。
通常の偉人伝とは一味異なる2冊でした。 -
2.5。語り口が大仰で、頭に鹿賀丈史が浮かんで困る(苦笑)
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苦悩する偉人。
翼の破れた勝利の神。
ミケランジェロ。
悩み抜く姿の孤独を浮き彫りにしている。 -
ヴァチカン・システィーナ礼拝堂の最後の審判
フィレンツェのダヴィデ像
それらを目の当たりにしたとき、ミケランジェロとは、どれほど力強い男だったのだろうかと思った。
しかし、この本の中にいるのは、残された偉大な作品からは想像できないほど“弱い人間”だった。
決断力がなく、家族や金銭について思い悩み、いつも何かから逃げている男。
“天才”という呼び名の影には、誰しも持っている最も人間らしい部分が隠れていた。
ロランの力強い文章からは、自分と重ねあわせるかのような、ミケランジェロへの思いが伝わってくる。
ミケランジェロ自身の言葉や、詩も引用されている。
それらはどこか厭世的で、いつも死を意識しているようだった。
登場人物や都市の名前など、知識がなくては分かりづらい部分も多いけれど、この本を読んでからミケランジェロの壮絶な生涯と意外な人物像を知り、彼の作品を目の前にすると、より深く沁み込んでくると思う。
弱さも才能だ。
ミケランジェロも、弱かった。 -
なぜ品切れなんだ・・・
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ロマン・ロランの作品
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