三人の乙女たち (岩波文庫)

制作 : 手塚 伸一 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 76
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003255735

作品紹介・あらすじ

信心ぶかくて純潔なクララ・デレブーズ。情熱的でまっすぐなアルマイード・デートルモン。愛らしくて傷つきやすいポム・ダニス。三者三様に美しく清らかな乙女たち。「処女のゆらめく美しさをわたしほどに感じとった人が今までにいたとは思えない」とジャムは言った。自然と愛の詩人が描く、散文詩のように美しい3つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • フランスの詩人 Francis Jammesが1899年、1901年、1904年に発表した短編小説、いわゆる"少女もの"をまとめたものです。最初は詩集だと思っていたのですが、散文的な感じでした。どのエピソードも純真無垢、あるいは無知であるがゆえの悲劇、内容的には目新しい所は少ないですが、ジャム描くヨーロッパの田舎の自然と3人の脆くすぐに壊れてしまう可憐な乙女には、不純物がなく、キラキラと輝いています。

  • クララ・デブレーズ、アルマイード・デートルマン、ポム・ダニスを主人公とした三部作。
    どのオナゴも純粋過ぎて思い込みが激しい。とはいえ病的な激しさではなく、清らかな美しい心を持っている。
    またフランシス・ジャムは詩人とあって、表現がとてもきれい。最初のクララは詩の要素が強かったが、最後のポムは完全に散文となっており小説としてのおもしろさもあった。
    とても満足のいく文章ともども内容でした。

  • ピレネーの美しい自然に抱かれた、悲劇的なまでに純真な少女たちの魂。
    それぞれ異なる境遇の少女を主人公にした3つの短編です。ジャムの昇華された少女への愛と優しい眼差しが素敵です。現代の方には、クララ・デレブーズより、次のアルマイード・デートルモンの方が解りやすいかも知れません。もし、読み難さを感じられたら詩を読み飛ばしてアルマイード→クララ→ポムの順でチャレンジするのもアリかとwwそれから、ページ通りに読み直しても遅くはありませんww
    ポエティックな少女の世界を嗜む方には、是非vv

  • 三人の乙女たちが、どこまでも甘美に細やかに、優しい筆づかいで描かれています。

    個人的には、2話目の「アルマイード・デートルモン」、3話目の「ポム・ダニス」、1話目の「クララ・デレブーズ」の順に好きだなと思いました。

    決してハッピーエンドとは言えない終わり方も多いですが、そこに暗さは無く、作者フランシス・ジャムが彼女たちを心から愛し、優しい眼差しを持っていたからこその…優しく清らかで「こんな世界観もあるのだなぁ…」としみじみと感じさせる小説でした。

  • 清らかな三人の乙女たちの三編の物語。透明で残酷。

  • 花の薫りが仄かに漂う吐息で紡がれた、儚くも悲しい三篇の物語。草花や動物に温かな眼を注ぐ詩人ジャムの綴れ織りは、全編が散文詩のようで花々が美しく咲く繊細な世界だ。描かれる三人の清らかな少女達に訪れる悲しみは、愛を求める乙女心や優しさ故であったと思う。少女達を取り巻く大人も様々だが、ジャムの分身のようなダスタン侯爵の慈愛溢れる庇護には心洗われる。悲しくも生命への讃歌に溢れている。

  • 草木や花、植物の名前がふんだんに登場する3篇の乙女たちの物語です。読み終えて思うのはやはり男性は女の人よりもうんと繊細でロマンチストなのだな。という事です。クララ・デレブーズ、アルマイード・デートルモン、ポム・ダニス、登場する3人の乙女が純潔すぎて、これはむしろ男性にしか描けないでしょう。無知であるがゆえの無垢さなどに、処女信仰というか汚れた欲望のない少女愛を感じます。女性が書くとどうしてもドロッとしたものがちらついてしまう世界ですが、そういうのがない綺麗なお話です。間に挟まれているイラストも素敵。

  • 思ったよりも悲しい物語だった。純粋で無垢な三人の乙女たち。それ故に彼女たちは悲しい運命を辿る。生きるための狡猾さや裏切りの心を持たないのだ。風景の描写も美しい。

  • 岩波文庫:赤 080/I
    資料ID 2012200184

  • 岩波文庫で復刊?されてました。
    千野帽子さんが紹介なさっていたものだと思います。
    素朴な訳文と、描かれる3人の一途な乙女たちがマッチしています。
    「野菊の墓」的なエピソードもあり。(・・・ネタバレかしら?)
    少し感傷的ともいえる純愛のツボ?は、西洋も東洋も実は変わりないのかも。

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