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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784003256213
みんなの感想まとめ
人間の複雑な感情と美しさを描く短篇集で、19世紀末から20世紀初めの作品が収められています。特に、作品には道徳的な教訓が隠されているわけではなく、火の持つ魅惑と恐怖の二面性が巧みに表現されています。特...
感想・レビュー・書評
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19世紀末から20世紀初めの短い期間に珠玉の小説作品を遺して早世したシャルル=ルイ・フィリップ。『小さき町にて』は、1908年から09年にかけて「ル・マタン」紙に掲載された短篇集である。淀野隆三訳の岩波文庫版は、昭和10年に出た古いものだが、90年以上前の日本語に、かえって味がある。24編の作品を収める。
福武文庫の『フィリップ傑作短篇集』に未収録だった5篇のみ読んだ。
そのうちのひとつ「火つけ」は、子どもが家からマッチを持ち出し、草木に火をつける話。
放火は言うまでもなく重罪である。たとえ負傷者が出なかったとしても、放火罪にはただの器物損壊罪よりも重い処罰が加えられる。この話の結末で、火をつけた子どもは発見者に抱きかかえられ、自宅に送還される。おそらく家の者も監督責任を問われるに違いない。
しかしこの作品は道徳的な教訓話というのではない。もしそうだったら、炎のもつ妖しい美しさなどについて長々と描写したりはしないだろう。
人間が火を恐怖すると同時に、それに魅せられる。この二律背反を表現できるのは、文学にしかできない技だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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