地底旅行 (岩波文庫 赤 569-2)

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感想 : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003256923

感想・レビュー・書評

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  • ロマンはどこだ!地球の中に空洞があることを突き詰めようとアイスランドに降り立つリーデンブロック教授と甥のアクセル助手。アイスランドの休火山のスネッフェルス山の山頂火口から2人と地元人のハンスが地球のど真ん中目指して歩き出す。鍾乳洞の美しさ、様々な岩石、途中に見つけた水脈、最後には噴火直前の溶岩に乗って上昇し、地中海の南の島に到着。この冒険小説はファンタジーではあるが、ハラハラドキドキの展開。リーデンブロック教授の性格が阿呆すぎる!またアクセルとの愛?漫才?も楽しめた。地底世界の最高傑作というのも頷ける。

  • SFの祖とも云われる19世紀フランスの作家ジュール・ヴェルヌ(1828-1905)の長編小説、1864年。地理学・地質学・鉱物学・古生物学などの科学的知見と作家の想像力とが融合した空想的科学小説であり、スピーディな展開とスリルに満ちた冒険譚でもある。

    本書が執筆された19世紀半ばは、交通・通信・メディアなど科学技術と産業の急速な発展が人々の世界経験を変容させていった時期と重なる。それは、詩人や芸術家を含む同時代人に、想像力のこれまでにない仕方での拡張を齎し、新たな知覚経験(視覚・速度感覚・空間知覚・時間知覚など)を提供することとなる。例えば、1858年に写真家のナダールが気球を用いて世界初の空中撮影を行っているが、ヴェルヌの出世作である『気球に乗って五週間』(1863年)やオディオン・ルドンの『眼=気球』(1878年)といった作品は、こうした同時代の空気の中で生まれている(ヴェルヌとナダールとの間には交友関係があった)。実証主義が興隆した時代は、また同時に想像力が新たな領域を見出した時代でもあった、ということは興味深い。

    文化が世俗化する中で、ヴェルヌは子どもの教育向けに啓蒙的な科学小説を多く残したが、そんな彼の作品がランボー、リラダン、レーモン・ルーセル、サルトル、グラック、ル・クレジオら多様な作風の作家を魅了してきたという点も、併せて興味深い。

    臆病で優柔不断なところもあるアクセルが、リーデンブロック教授(知性と情熱の研究者)と現地人ハンス(如何なる危機的状況にあっても超然として動じることなく実務をこなす案内人)との冒険を通して成長するという筋書きを読むにつけ、「教養小説」なるものは、単なる抽象的な"人間"としての成長を目指しているのではなく、飽くまで"男"の物語であり、"理想的な男性像"を獲得しジェンダー規範を習得すること="男になる"ことを目指すという意味で、ジェンダーバイアスのかかった代物なのだと改めて感じた。帰還後、主人公は恋人との結婚を果たす。

    「おまえの言うことは、意志を失った男、エネルギーのない人間の考えだ!」

    • yuu1960さん
      40年前リック・ウェイクマンの地底探検のレコードを買いました。怪獣の闘いと火山の噴火の勢いで地上に戻るという話としか理解してませんでした。
      ...
      40年前リック・ウェイクマンの地底探検のレコードを買いました。怪獣の闘いと火山の噴火の勢いで地上に戻るという話としか理解してませんでした。
      レビューを拝見し、読んでみたくなりました。
      2018/11/20
    • transcendentalさん
      yuu1960さん
      コメント下さり有難うございます。
      そのように言っていただけて嬉しいです。
      yuu1960さん
      コメント下さり有難うございます。
      そのように言っていただけて嬉しいです。
      2018/11/23
  • 多少読みやすくなっているとはいえ,当時こんなにワクワクする作品を書けたのは驚き

  • ヴェルヌの冒険小説は本当にワクワクさせてくれる。
    ぽんぽんとよくわからない専門用語が飛び交い、冒険までの準備の描写をこれでもかと盛り込んでくるけれど、それがより解像度を鮮明にしてくれる。
    超人ハンスがすごかった。

  • 地球が誕生したときは、地球は現在よりも膨大な量の熱を持っており、その熱が長い年月を経て宇宙空間へ放出され続けていると考えられている。つまり、地球の持つ熱源は地球の内部にあり、地中深く潜っていけばいくほどその温度は高温になっていく。そして地球の中心の温度は太陽の表面温度にも達する。そんな高温では人間はおろか、どんな生物も生息することは不可能なのは言うまでもない。しかし、今まで誰も地球の中身を見た人はいない。地震波などの間接的な方法から推察をしているに過ぎないのだ。もし、過去に地球の中心へ行った人がいると知ったらあなただったらどうするだろうか。そしてその先駆者が地球の中心への行き方まで詳細に示していたら、試してみるだろうか。
    私が今回紹介するのはジュール・ヴェルヌ著の地底旅行である。タイトル通り、地底深くに潜っていく冒険小説だ。鉱物学の権威であるリデンブロック教授が発見した古文書には死火山の噴火口から地球の中心までの道が示してあった。教授は自分の甥アクセルを半ば無理やり地底旅行へ連れていく。この物語の主人公である甥は旅の中でいくつもの試練にぶつかることとなる。
    この小説のお薦めポイントは鉱物学・地質学・岩石学の専門知識が随所に散りばめられていることだ。しかし一方で、間違っている、現実とは異なることもあたかも理論的に書かれている。自分が地球学コースで身に着けた知識を基に、ヴェルヌの描いた理論に対しこれは正しい、正しくないという精査(ツッコミ)をしながら読み進めるのも面白いだろう。 (地球環境学コース 修士1年)

  • 学校の課題のために手にとってみました。
    フランス文学は、あまり読んだことがなく
    このジュール・ヴェルヌという作家さんの作品は
    初めてだったのですが、冒険小説ということもあって
    面白かったです。
    地球の中心に行くという未知な世界に飛び込む2人が、
    地道に地球の中心に向かって旅をしている姿が印象に残っています。
    最後は、火山の影響で行けなかったですが
    終盤にかけて、目が離せませんでした。
    書かれたのは、もう70年くらい前なのに
    色褪せない世界観が素敵で、ワクワクしました。

  • 地球内部へと続く道が発見された…との一文だけで即購入。ロマンしか感じられなかった。高校時代、専攻していた地学のおかげでちょいちょい小ネタを理解できたのが嬉しかった。個人的に中盤までダレることが多かったが、それ以降は怒涛の展開で読む手を止められませんでした。読んでよかった。

  • おもしろかった。
    これをなぜ、
    これをなぜ小中学生時代に読まなかったのか。
    今読むのとは全く違うワクワクドキドキを得られたはずなのに!後悔。

  • うぉっしゃ!読めたぞ~!!と感じた本です。
    ようやく、ようやく、名作と呼ばれるものを
    読んだその充実感。

    もう、設定も豪華すぎて、
    一度読んでしまったら読者の心とは
    お構いなしで、一切離してくださりません。
    まるで物語中のアクセル君状態じゃないですか(笑)

    伯父の本の暗号を解いたがばかりに始まる悲劇(笑)
    いやおうなしに地底への旅行へと
    導かれるのです。

    もちろん、その冒険は
    わくわく、ハラハラ、デンジャー!!
    とあらゆる要素満載。
    ここまでやりますか、といいたくなりました。

    でも、面白いから、それでいいのです。

  • はるか昔のわくわくする冒険譚



    これが1860年代につくられたおとぎ話だからと言ってなめてはいけない。

    アイスランドの火山の噴火口から地球の中心へ

    現代の科学でも未だ完全解明されてない、まさしく前人未踏の世界をヘンテコな三人が大冒険。
    この三人、特に奇人リーデンブロック教授の魅力がたまらなく、ときに芸術家のモチーフになるほどのおもしろさ。

    作者ヴェルヌの空想力が細部にまでいきわたり、本当に噴火口から地底世界に行けてしまうのでは、そして、もしかするとそこには・・・
    なんてリアルを勘違いしてしまいそう。

    はたして、三人は地底で何を見たのか、そして全員無事に生きて帰ってこれるのか

    少年の頃に、この本を読んだなら、卒業文集に「なりたい夢は冒険家」って書いて将来恥ずかしい思いをしただろうなあ

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