シェリ (岩波文庫 赤585-2)

  • 岩波書店 (1994年3月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784003258521

みんなの感想まとめ

美しさと愛の儚さが織りなす物語が心に深く響く。若き日の美しさを振り返り、主人公レアの複雑な感情や嫉妬、悲しみがリアルに描かれ、読者は彼女の心の揺れ動きを共感する。特にラストの衝撃は印象的で、老いを実感...

感想・レビュー・書評

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  • なんか、背筋を伸ばした美しい女性でありたいなと読んでいる間中、思った。レアの本当の気持ちが結局のところシェリにはわからなかったんだろうなぁ。一番最後のところの、レアが見てしまった、何処かから逃げてきた人間のように深く深呼吸したシェリの姿ほど、レアの心を引き裂くような突き落とすようなものは、無いな。膝から崩れ落ちてしまったレアが見えるようだった。若く弾けるようなシェリと、各所に老いを感じるレア。つらみ。

  • 若いときの美しさは儚い あとで振り返ると歩いてきた道は全て夢のように柔らかい薔薇色で包まれているのではないだろうか。
    ラストが非常に印象的だった。老いを実感しつつも遅すぎるシェリへの愛の実感がレアを醜くしていて、鼻をツンと突き上げて歩いていたような女性がみっともなく嫉妬や悲しみや疲れや愛に振り回されてしまうのが悲しく、しかしリアルだった
    こんなにも胸に刺さる愛を語るフランス文学は私にとって他にないかもしれない。
    そしてあとがきが非常に面白く、コレット自身についても調べたくなった。
    女性が主人公な物語、かつ作家も女性であるのでフランス文学に見られる「女性の神聖化」みたいなものが見られず、欲や駆け引きで奔放に生きるレアを見て勇気が出た 純文学とは言い難いかもしれないが、美しく強い物語であったが、何かに解放されたかのように息を吐き出すシェリを見てレアはそのあとどのように部屋に戻るのだろうかと考えると居た堪れない。
    文体がフランス文学らしい回りくどさや美しさが表現されていて、原文で読んでみようと思う。フランス語勉強してよかった

  • 最初の方のシーンで、真珠のネックレス僕にちょうだいとねだるシェリ。僕の方が似合うよ、に早くもガーンときていた。これはしんどいやつではと思い読んでいた。高級娼婦といえもう50代が目前。彼女は決別を賭けてみたが、、ラスト1ページは衝撃である。。

  • 大学のフランス文学の授業で扱われたので読みました。描写が繊細。映画も一部見ましたが、とても原作を表現出来ていると個人的には思います。

  • 光文社のものと読み比べ。続編の「シェリの最後」が岩波からしか出てなかったので、それを読むなら同じ岩波のをと思って。こちらの方が昔に訳されているのだと思うけど、だからこそなのか訳は光文社のものの方がリアの言葉遣いが気にならない。ああ、フランス語で読めたらどっちの雰囲気が近いのか感じられただろうに!分からないからのよさもあるだろうけど!

  • こちらの作品は、
    先日図書館で、ふと手にとって借りた本。

    もうすぐ50歳の元高級娼婦と、息子ほども歳の離れた青年との恋。

    この青年が親友(と言うか腐れ縁の友達)の子供と言うことで、
    ちょっとややこしくなるのだが。

    でも、この人間関係って、ちょっと私の生まれ育った国では考えられない、
    もちろんあるとは思うけれど、あまり大っぴらにされない、
    と言うか、お互い気付かないふりをするような、
    やはり恋の国は違いますのね…。

    青年が結婚をする、と言う出来事で二人の関係は
    大きく変わって行くのだけれど、

    読んでいてしばらくは、
    ただ、淡々と二人の行動と心の動きを追っていただけだったが、
    (サガンみたいに、どっちかが最後死ぬのかな?と思いながら)

    ラストシーン、
    朝、青年がまだ、目が覚めないふりをして…のあたりから、

    「あ、そうだ、そうだ、そうだ!、思い出した!
    ここからのシーンが圧巻の、あの小説だ!」と

    いつか昔に、なにかの書評かエッセイに載っていて、
    あ、読みたいと思ったことが俄かに思い出され、

    確かに容赦なく、残酷で苦しかったけれど、
    美しい余韻もある。

    恋愛に限らず、友情にすら駆け引きがあり、
    裏表があり、意地を張ったり、陥れようとしたり、

    まわり中がおためごかしを言って、
    人生をぐーっと覗き込んでくるような毎日…。
    これは想像するだに、辛い。

    そんな中主人公レアが、心を許せる相手がほぼいないのが、
    気になったけれど、
    でも、人生において本当に本当に大事なことは
    確かに自分で決めて、そして黙っているかもしれない。
    このことについては、
    別にかわいそうなことではないかもしれないと思いなおした。

  • この「シェリ」と「シェリの最後」ともって、1つの作品とみるべきかもしれない。

    40代女性と20代男性という、恋愛としては稀少な組み合わせのこのお話、もっと稀少なのは、夢中になるのが年上の女性のほうではなく年下男性のほう、というところ。それを、あくまで崩れのない硬質な文体で描く。

    恋愛がより燃えあがるためにはいくつかの障壁が必要だが、昔の定番であった「家柄」「貧富の差」「戦争」などに始まり、「不治の病」「三角関係」「国際」「年の差」「不倫」「遠距離」「バツイチ」「子連れ」「同性愛」などを経て、今ではその障壁も出尽くした感。障壁らしい障壁はもう残っていないものと思われる。

    年の差恋愛も、男性が年上、女性が年下であれば、最早大した障壁にはならない(石田純一などにより親子級まではクリア済み)。
    「持てる者」が「持たざる者」に分け与える、「持たざる者」が「持てる者」を求め、焦がれる、という恋愛の王道を踏み外していないからである。

    逆に女性が年上、男性が年下であっても、多少ならば障壁にならず、女性が年上で大差(親子級)の場合のみ、「持てる者」「持たざる者」のバランスが崩れるので、まだいくらか障壁として有効なようである。

    一山も二山も越えてきた若さを失いつつある女性が、無知で純情な若い異性に惹かれ、「持てる力」でかどわかす、のならば、まあたまにあるよねの下世話な話になるところ、「シェリ」では、誰もが振り向く美青年シェリのほうが、40代のレアに夢中になっていく。
    財産も教養も知恵も「持てる者」しかし若さを「持たざる者」レアが、
    財産も教養も知恵も「持たざる者」しかし若さ(と美貌を)「持てる者」シェリを引きつける、
    という構図でひねりが入り、うまくバランスを崩して不均衡を生む。心が揺れ動く。

    硬質な文体と、シェリに、”悔しいのは、彼女の年齢じゃない、(彼女に比べて若すぎる)自分の年齢なんだ”と言わしめることで、他の恋愛小説と一線を画している。

  • フランス文学のなかでも特に好きな作品です。
    49歳の元高級娼婦レアと25歳の恋人シェリの恋愛が美しく描かれています。フランスの恋愛小説の王道のようでいて新しさを感じさせるのはコレットがフランスでは数少ない女流作家だからでしょう。女の欲情がきちんと描かれています。

    シェリの美しさには本当にため息が出る。冒頭で真珠のネックレスをねだる彼がかわいらしくて大好きです。レアも本当にいい女で憧れます。

    コレットは美食家だったそうで作品中にさまざまなお料理が登場します。そういったところを見るのも楽しいかも。


    続編として「シェリの最後」が出ています。

  • 明日海りお様が好きだという理由だけで観たミュージカル「コレット」の作品だと、解説を読んでから気がついた。
    これは、良かった!フランス文学としては破格の読みやすさ!!こじらせ、おおげさ、沼、がフランス文学(そこが好き)と思っていたのですが、こういうのもあるのか!文体も構成もスッキリ。そのなかの情景や心理描写は細やかで艶っぽく、下品になりすぎないけど、「書くことは書く」、ある種のあからさま度合い。初老に差し掛かろうかという、恋愛にかけては歴戦の勇者である高級娼婦と、少年感が抜けきらない未熟な青年の「本気」の愛と、誠実と、結末。
    ジッドがコレット本人に書き送ったという文章が解説にありましたが、隙のない優れた文章を絶賛しながらも、いくつか「ここは、書きすぎ」みたいな注文がされているらしい。わたしの超個人的な偏見からすると、ジッドの宗教がかった示唆に富もうとする文のほうが、かえって読みにくいし共感しにくいけどなあ。女性のマルチタスク的にこぼれるふらふらした感情とことばは、圧倒的にコレットの表現がフィットしていると思った。ほかにもコレットを読んでみたいと思わせてくれる作品。
    ※ジッドファンの方、すみません!あくまで個人的な印象です。

  • 3.4

  • 十九歳のときから読みはじめて何回読んだかわからないくらい好き。翻訳されているコレット作品はほとんど読んでどれも好きだけれどシェリは断トツ。

  • 最後の2人のシーンが
    悲しいけど素敵だと思った。

  • ラストーーー!!!
    ラストーーーーーー!!!!!
    見事な締めだった…。
    関係が終わるところから始まるのもまた良い。

  • 真珠がなす意味を見つけました。
    若い青年と夫人の禁断の恋が美しくも破滅的。
    カーテンがふわり風になびく春の日に、顔の青白い美青年が自分の目の前にも存在している気分になります。

  • 無邪気な美しさと残酷さは紙一重。

  • 最後がすごくいい…

  • 文学

  • 三島由紀夫先生がお好きだった本という事で読んでみた 正直設定ではあまり心惹かれなかったが 20世紀初頭の半社交界(ドゥミ・モンド)の描写や、人物を表現するときの形容詞句の美しさがとても良い  高級娼婦の上品さ、生活のディテールの美しさとても良い  最終的に一度シェリの結婚で別れた後に再び会いにきてくれて、愛の喜びに満ち溢れて2人で旅に出る事を考えるが朝起きて気持ちがすれ違っていた事を知るシーンで泣けた 「僕の好きな貴女はキレたりしない美しい行動と心の人だった」っていう制し方がずるいなあ  名作だった

  • コレットも愛に奔放な人だったということだけど、今や恋愛は自由。この物語はもっと昔に生まれていたらあるいは20代の前半に読んでいたら、この物語がもっと衝撃的に感じられただろうと思う。
    読書は若いときに盛んに読んでおかなければならないと痛感する。

    働かずに金で得られるものは何でも得られ、その事がシェリを不幸にしているというが、あくせく労働しない主人公たちが、やっぱり富に囲まれている人物は優雅で美しく、労働が表現されてないと私などは納得しなくて、この人たちは何をしてるんだろうか?と思ってしまう。結局、フランス人は貴族的なものからのあこがれをぬぐえない気質なんだろうか?と思わされる。消費ー浪費の日々は革命を生き排除してもなお実は富を持った者は貴族の肩書を持ちたがるフランス人と…、

    それでもなお知らない世界がこの物語には広がっている。
    高級娼婦と言う仕事が誰に恥じるものでもないとか、それにしても情景の表現ー特に色よる表現が美しく全編、色彩にあふれている。

    部屋がバラ色で落ち着くんだろうか?とまたもや思う。
    コレットの言う薔薇色の部屋やレースはどんな色?赤ではない薔薇色は…

  • 大崎Lib

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著者プロフィール

フランス文学、ヨーロッパ地域文化研究。東京大学名誉教授。著書に、『ヨーロッパ文明批判序説──植民地・共和国・オリエンタリズム』『近代ヨーロッパ宗教文化論──姦通小説・ナポレオン法典・政教分離』『評伝 スタール夫人と近代ヨーロッパ──フランス革命とナポレオン独裁を生きぬいた自由主義の母』(いずれも東京大学出版会)、『政治に口出しする女はお嫌いですか?──スタール夫人の言論vs.ナポレオンの独裁』(勁草書房)。訳書に、『いま読むペロー「昔話」』訳・解説(羽鳥書店)、コレット『シェリ』(岩波文庫)。編著に『論集 蓮實重彥』(羽鳥書店)、共著に『〈淫靡さ〉について』(蓮實重彥、羽鳥書店)。他、多数。

「2019年 『女たちの声』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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