シェリ (岩波文庫)

著者 : コレット
制作 : Colette  工藤 庸子 
  • 岩波書店 (1994年3月16日発売)
3.88
  • (45)
  • (34)
  • (42)
  • (6)
  • (2)
  • 本棚登録 :372
  • レビュー :48
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003258521

シェリ (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • こちらの作品は、
    先日図書館で、ふと手にとって借りた本。

    もうすぐ50歳の元高級娼婦と、息子ほども歳の離れた青年との恋。

    この青年が親友(と言うか腐れ縁の友達)の子供と言うことで、
    ちょっとややこしくなるのだが。

    でも、この人間関係って、ちょっと私の生まれ育った国では考えられない、
    もちろんあるとは思うけれど、あまり大っぴらにされない、
    と言うか、お互い気付かないふりをするような、
    やはり恋の国は違いますのね…。

    青年が結婚をする、と言う出来事で二人の関係は
    大きく変わって行くのだけれど、

    読んでいてしばらくは、
    ただ、淡々と二人の行動と心の動きを追っていただけだったが、
    (サガンみたいに、どっちかが最後死ぬのかな?と思いながら)

    ラストシーン、
    朝、青年がまだ、目が覚めないふりをして…のあたりから、

    「あ、そうだ、そうだ、そうだ!、思い出した!
    ここからのシーンが圧巻の、あの小説だ!」と

    いつか昔に、なにかの書評かエッセイに載っていて、
    あ、読みたいと思ったことが俄かに思い出され、

    確かに容赦なく、残酷で苦しかったけれど、
    美しい余韻もある。

    恋愛に限らず、友情にすら駆け引きがあり、
    裏表があり、意地を張ったり、陥れようとしたり、

    まわり中がおためごかしを言って、
    人生をぐーっと覗き込んでくるような毎日…。
    これは想像するだに、辛い。

    そんな中主人公レアが、心を許せる相手がほぼいないのが、
    気になったけれど、
    でも、人生において本当に本当に大事なことは
    確かに自分で決めて、そして黙っているかもしれない。
    このことについては、
    別にかわいそうなことではないかもしれないと思いなおした。

  • フランス文学のなかでも特に好きな作品です。
    49歳の元高級娼婦レアと25歳の恋人シェリの恋愛が美しく描かれています。フランスの恋愛小説の王道のようでいて新しさを感じさせるのはコレットがフランスでは数少ない女流作家だからでしょう。女の欲情がきちんと描かれています。

    シェリの美しさには本当にため息が出る。冒頭で真珠のネックレスをねだる彼がかわいらしくて大好きです。レアも本当にいい女で憧れます。

    コレットは美食家だったそうで作品中にさまざまなお料理が登場します。そういったところを見るのも楽しいかも。


    続編として「シェリの最後」が出ています。

  • コレットも愛に奔放な人だったということだけど、今や恋愛は自由。この物語はもっと昔に生まれていたらあるいは20代の前半に読んでいたら、この物語がもっと衝撃的に感じられただろうと思う。
    読書は若いときに盛んに読んでおかなければならないと痛感する。

    働かずに金で得られるものは何でも得られ、その事がシェリを不幸にしているというが、あくせく労働しない主人公たちが、やっぱり富に囲まれている人物は優雅で美しく、労働が表現されてないと私などは納得しなくて、この人たちは何をしてるんだろうか?と思ってしまう。結局、フランス人は貴族的なものからのあこがれをぬぐえない気質なんだろうか?と思わされる。消費ー浪費の日々は革命を生き排除してもなお実は富を持った者は貴族の肩書を持ちたがるフランス人と…、

    それでもなお知らない世界がこの物語には広がっている。
    高級娼婦と言う仕事が誰に恥じるものでもないとか、それにしても情景の表現ー特に色よる表現が美しく全編、色彩にあふれている。

    部屋がバラ色で落ち着くんだろうか?とまたもや思う。
    コレットの言う薔薇色の部屋やレースはどんな色?赤ではない薔薇色は…

  • 前半の絢爛な描写がみごとに美しくて、『日々の泡』に通じるようなファンタジックさでもって年齢の離れた男女の愛が語られる。これまで読んだフランス文学の中ではばつぐんに面白く読めた。むかしの萩尾望都マンガ的な映像が頭のなかに鮮烈に喚起される。光にあふれていて、みずみずしい。

    文中の要素としてしばしば鏡が取り上げられる。鏡に写った自分は他人のようでいて、自分自身にほかならない。後半の物語は、まさに鏡に映したように愛の裏側と終局を描き、その流れには息をつまらせずにはおれない。

    基本的にはシリアスでありながらも、男と女がなんかかんやすれ違う様子はラブコメのようでもある。しかし、本来ラブコメというものは、当人たちは道化を演じようとしておかしくしているわけではない。むしろ自分の精神に対して真剣でいることが、外からみると笑いに転じるということが多いのではないか。恋愛というのは、それそのものがある意味でコメディなのかもしれない。

  • 大崎Lib

  • 息の詰まるような、という言葉が本当に似合う話だった。コレットの他の作品と同じく鮮やかな言葉たちで表現されるシェリの身体や情景、口吻だけの文章でここまで感じさせるのかと驚いたりもした。

    ただ最後の翌朝のシーンはどうしてもシェリが理解できず…

  • レアの退場劇が見事。

  • 青年と年上の女という、よくある設定にも関わらず、登場人物のキャラクターのうまさと、情景描写の素晴らしさが、この作品を陳腐なものにならしめない。翻訳も秀逸で、原文にあたったことはないものの、作品の雰囲気をいっそう高めているように思う。
    (2015.7)

  • オールドミスが読むのにふさわしい本。
    50才になった時にも読みたい

  • 美青年シェリと50歳弱の元高級娼婦レアの美しい恋物語。格調高い文章と華麗な描写に2人の愛の形を読み取ることが出来た。レアが素晴らしい。他登場人物も面白く読み易い。お薦め。

全48件中 1 - 10件を表示

コレットの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
フランツ・カフカ
ドストエフスキー
マルグリット デ...
遠藤 周作
ウラジーミル ナ...
有効な右矢印 無効な右矢印

シェリ (岩波文庫)に関連する談話室の質問

シェリ (岩波文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする