フランス短篇傑作選 (岩波文庫 赤588-1)

  • 岩波書店 (1991年1月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (353ページ) / ISBN・EAN: 9784003258811

みんなの感想まとめ

多彩な作家陣による短篇集は、幻想的で奇妙な物語が詰まった魅力的な作品群です。特に、シャルル=ルイ・フィリップの「アリス」やジュリヤン・グリーンの「クリスチーヌ」などは、その独特の雰囲気と暗示的な表現で...

感想・レビュー・書評

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  • 【ヴェラ(リラダン)】
    ダトール伯爵は愛する妻ヴェラを喪った(えーっと、性行為の最中でしょうか…(^_^;)
    一家の墓所に妻を運び入れたが、部屋にはまだヴェラの気配を感じる。彼女が触れた物、彼女が見た物。こんなにもヴェラの気配を感じ続けているのに。このあとどうやって生きていくのか。
    そして伯爵はその答えを得た。
    伯爵は、老下僕レイモン以外の召使に暇を出す。そしてヴェラが生きているとしての生活を続けることにする。すっかり引きこもった一年間。伯爵は自分の中にヴェラを完璧に作り出していた。
    そして一年後。いつもにも増してヴェラの気配が濃くなる。いるのだ。聞こえる。感じる。そして見た。
    ヴェラに触れた伯爵は、だが気がついた。そうだ、彼女は死んだのだ。
    自分はこれからどうやって生きていけばいいのだろう。
    そしてヴェラが確かにここに来たという証を見つけて…。

    【幼年時代 『わが友の書』より(アナトール・フランス)】
    「白い服の婦人」
    子供の頃同じマンションに「白い服のおばさん」と「黒い服のおばさん」がいた。ぼくは二人の部屋に入り浸っていた。白い服のおばさんはちょっと皮肉なところもあったけれど素敵な女性。でもぼくにはライバルがいた。白い服のおばさんの、中国にいる旦那さんからの手紙を届けに来た男アルヌール!いけ好かない!ぼくは白い服のおばさんに結婚を申し込んで、ちゃんと「小さな夫」にしてもらったんだから!
    …そんな思い出から30年後、なんぼぼくは白い服のおばさんに再会したんだ!ぼくを小さな夫だって覚えていてくれた。そして浮気性の中国外交官の夫とはそのまま結婚継続、あのときのアルヌールはまだおばさんの崇拝者やってるみたい。
    ===
    そのまま受け取っていいんですよね。小さな紳士。「おとなになってがっかり」じゃなくてよかった。

    「マドモワゼル・ルフォール 詩の発見」
    ぼくは児童教育をするっていうマドモワゼル・ルフォールのところに通っていた。(預け保育みたいなもんか。)ハイミスのルフォールさんはなんだか悲しそうな目をしている。ある時ルフォールさんか素敵な詩を暗唱してくれた。とても美しくてとても哀しい女性のお話。ぼくは泣いちゃった。でもルフォールさんはぼくの感想が気に入らなくて怒らせちゃった。そのうえお父さんお母さんは「そんな妙なことを教えるようなところには行かせられないな!」って言われちゃったよ。
    ===
    子供の感性と、大人の感性のすれ違いのような。

    【親切な恋人(アルフォンス・アレー)】
    ぐえええ(´д`)

    なんか歴史の話を読んだ時に「領主は冷えた足を暖めるために農民を連れてきて…」ってのがあったんですよ。
    それを恋人同士のかわいいイチャつき☆ として書いたものです。

    【ある歯科医の話(マルセル・シュオッブ)】
    かんっぺきな歯を持つ私にいきなり話しかけてきた男。私が重篤な歯の病を持っているだって?しかしどうしても気になって男の歯科医院を訪ねた。そしたら!ひっどく痛い処置をしやがって!完璧な私の歯をぐっちゃぐちゃにしやがったあげくに!高額を要求しやがった!!
    ===
    ひどいはなしだがちょっとユーモラスでもあるんだけど、いったいなにをいいたいんだ、このお話(^_^;)?

    【ある少女の告白(マルセル・プルースト)】
    その娘は自殺を図って命はとりとめたが、死期が近いようだ。
    彼女は幼い頃から母親をとても慕っていた。母とは短い期間しか一緒にいられない。会えた時のあの喜びといったら!
    少女は社交界にデビューした。母だけを愛する純粋な世界から、世間の恋愛遊びや社交界の振る舞い方を覚える。自分がきたなくなったのだろうかと思うこともある。でも恋愛遊びって誰でもやっていることなんでしょう?
    やがて結婚が決まった。でもボーイフレンドとの楽しい抱き合いは止めないわ。
    それなのに!男友達に愛撫されて歓びに浸る私の姿をお母様に見られてしまっただなんて!
    それとも見られていないのかしら?
    もう確かめようもない。そして私はやることをやらなくてはいけないんだわ。
    ===
    プルーストが書いたと思うと若干変態的なものを感じてしまう(^_^;)

    【アリス(シャルル=ルイ・フィリップ)】
    7歳の少女アリスは母親を愛して愛して愛していた。学校に行くことも拒絶して母親の膝で何時間でも過ごすことが全てだった。
    アリスは母親が全てだった。彼女は母親を独り占めできないという嫉妬で死んだのだ。

    【オノレ・シュブラックの失踪(ギョーム・アポリネール)】
    なんかすっとぼけてるような語り口。

    オノレ・シュブラックがなんで失踪したかを知ってるんだよ。警察には信じてもらえなくて頭がおかしいやつ扱いされちゃった。
    オノレ・シュブラックは金を稼いでいたというのに、いつもすぐに脱げるガウンしか身につけていなかった。本人に聞いたことがあるんだ。なんでも人妻と逢引の最中にご亭主が乗り込んできたそうだ。命の危機に怯え切ったオノレ・シュブラックは、寝室の壁にひっつくと、なんと自分が壁に同化したことに気がついた!彼は命の危険に晒されると同化する能力を身につけたのだー!
    その後もご亭主男はオノレ・シュブラックをとっても恨んで、憎んで、命を狙い続けている。オノレ・シュブラックは怖がって怯えて逃げ続けている。そしてついにご亭主に見つかって…

    【ローズ・ルルダン(ヴァレリー・ラルボー)】
    ローズ・ルルダンが、女学生の頃に同級生ローザ・ケスレルに恋していた頃を思い返している。
    どうやらローズは「ネクラ」と思われていて、確かにローザや他の生徒や先生たちへの接し方、自分に興味を持ってもらうためにやったことが陰性だ(^_^;)
    そんな思い出も今は遠い昔。ローザは私のことなんて覚えていないでしょう。ほんの短い期間だったんだから。

    【バイオリンの声をした娘(ジュール・シュベリヴェエル)】
    ある出来事から娘の声がバイオリンになった。周りからはからかわれ、両親からは恥ずかしいと思われる。
    それも日常になり、自分の声が気に入り、恋をするようになった。
    とつぜんバイオリンの声が消えた。両親は喜ぶけれど、娘は哀しかった。自分だけの特別なものだったのに、恋で失っただなんて。

    【タナトス・パレス・ホテル(アンドレ・モーロワ)】
    お客様は苦しみから逃れたいとお思いでしょう。そんなみなさまにわたくしどもタナトス・パレス・ホテルはご満足いただける滞在をお約束いたします。当ホテルでは、死は睡眠中に穏やかに訪れます。自らの死に宗教的な良心の咎めをお持ちの方には、それを取り除くサービスも承っております。

    【クリスチーヌ(ジュリヤン・グリーン)】
    ぼくの家に叔母さんと女の子が来た。クリスチーヌというその少女の美しさにぼくは強烈な感動を覚えた。なんとかクリスチーヌと親しくなりたいぼくだけど、クリスチーヌは部屋から出てこず、母も叔母さんもぼくがの部屋に近づくことすら禁止する。

    よくわからん(^_^;) クリスチーヌは叔母さんの秘密の子供で、現代だと病名がつくのかもしれない。お母さんと叔母さんは必死で隠そうとするけれど、脅されたり叱られたりすると少年としてはどんな手段を使っても目的を果たしたくなる。そしてクリスチーヌは隠されたままの短い人生だったと察せられる…

    【結婚相談所(エルヴァ・バザン)】
    38歳のルイーズは「結婚してやる!」と思って結婚相談所に登録した。彼女は平凡で思慮深くて慎重で人生に諦めを感じて、とにかく「灰色」って性質だ。相手に望むものも「悪い遺伝がない、過激思想がない」など「ないないない」なのだ。そんなルイーズ宛にメッセージが来た。たぶん自分と同じ感性だ。しかしこの手紙の相手も平凡で思慮深くて慎重で人生に諦めを感じているみたい。自分と同じ感性の相手って結婚の意味があるのかしら?
    ==
    ちょっとある方向を心配したんですが、そうはならなくてよかったです(^_^;)
    ある意味彼女に最善に向かったと思う。

    【大佐の写真(ウージェーヌ・イヨネスコ)】
    なんだかズレた変な感じのお話。

    家からほど近い住宅地では連続殺人者が出ているらしい。毎晩毎晩湖に二人から三人の溺死体が浮かんでいる。手口もわかっている。

    …こんな殺人者がいるっているのに、登場人物のみんながすごくズレているんですよ。本気で捕まえる気あるの?とか、実はこの人が犯人?いやこっちの人?って怪しさもある。
    結局殺人者は生身の人間でありながら、この世の悪の具現化でもあるの?ちょっと違う世界に迷い込んだような変な感じ。

    【ペルーの鳥(ロマン・ギャリー)】
    かつてカストロとともに戦ったレニエはペルーの海辺でカフェの主となった。砂浜にも海にもおびただしい鳥が死んでいる。ここは、鳥たちが死にに来る海岸だ。
    カーニバルの夜、夜彼は三人の男と、入水自殺しようとする女を助けた。どうやら三人の男たちに攫われて砂浜で…ということらしい。
    しかしどこか話にズレがある。死にたいと行った女は寝室でレニエに抱きつく。
    彼女を追ってどうやら夫らしい男ロジェと秘書がやってくる。ロジェは妻が性欲異常者だと仄めかす。そして女をさらった三人の男たちもそのような態度だ。
    女は立ち去り、男たちも立ち去った。
    ===
    なんか難解で気怠い映画のようだな(-_-;)
    実際に映画化されているようです。

    【大蛇(ボア)(マルグリット・デュラス)】
    少女時代をフランス植民地(デュラスなのでベトナムかな)で過ごした女性の昔語り。
    学生寮に預けられた少女は、週末に帰る家もなく、母も経済的余裕がなかったため、少女は週末も寮に残っていた。寮母の老女バルべさんは少女を植物園につれてゆく。そこでは日曜日に大蛇(ボア)に生きた若鶏を飲み込ませる見世物をやっていた。
    そして寮に帰るとバルべさんの部屋に呼ばれる。バルべさんは下着だけの75歳の体を少女に「見せる」。
    植物園ではとぐろを巻き黒黒として若鶏を飲み込み大蛇や動物たちの生々しい営みを見て、寮では「誰にも暴いてもらえなかった」老女の体を見る。
    女として成長する自分を男たちは見ない。自分の身体も手遅れになるのだろうか?

    【ジャスミンの香り(ミッシェル・デオン)】
    アメリカ人作家のジョンは執筆のためイタリアの海岸のホテルに滞在している。毎日訪ねてくるのはこまっしゃくれた十歳の少女アレクサンドラちゃん。いつもホラ話をしてゆく。ジョンはアレクサンドラちゃんの母親ラウラに恋をしたようだ。
    ===
    アレクサンドラちゃんとのやり取りが可愛い、ラストもどうやら全部うまく行ったみたい。

    【さまざまな生業(トニードュヴェール)】
    『悪魔の辞典』風な架空職業紹介。

    人の鼻水を取る「はなさらえ」、お尻を拭いて回る「尻拭い」、勝手に手紙を出して騒動と周りへの関心を呼び起こす「もの書き」、罪を犯す前に牢屋に入って出てから罪を決めてもらって実行する(失敗もする)「裁き屋」、気に入らん箇所を本から取り除く「検閲屋」、モデルがそうありたいと願う姿を具現化する「夢の肖像画家」、建物の中で演奏されるので音は聞こえず観客は想像する「楽師」。

    【フラゴナールの婚約者(ロジェ・グルニエ)】
    これは読み心地が良かったなあ。

    パリに住む初老のフィリップ・ゲランは、義妹ヴィヴィアーヌ・モワールと史蹟巡りをしている。ヴィヴィアーヌは、フィリップの離婚した妻の年の離れた妹だ。ある男と結婚していたが、たいへん傷つけられて声が出せなくなった。今では田舎で静かに暮らし、思い出したように義兄を訪ねるのだ。
    この訪問には史跡を巡る以上の意味があるのだろうか?

  • 一作家一編で、作家陣がとても豪華な顔ぶれの短篇集。奇想・幻想的雰囲気の作品が多く楽しめた。シャルル=ルイ・フィリップ『アリス』のブラックさがかなり強烈で、ジュリヤン・グリーン『クリスチーヌ』はその構成や醸し出される幻想性、クリスチーヌの神秘性や、様々な事がはっきりとは書かれず暗示されるだけにとどまっているところなど、素晴らしかった。アポリネール『オノレ・シュブラックの失踪』も好みで、全体的にやや古めかしい感じはあるけれど、うーん、良かった!

  • なかなか素敵なアンソロジーでした!既読の作品や好きな作家のものもあれば、全く知らない作家のものもあり、巻末に作者紹介もついててとても親切。訳も読み易かった。タイトルにそういう縛りはないものの、幻想的な話や奇譚的な話が多かった気がします。あと少女もの。

    好きなのはリラダンの「ヴェラ」や、少女の純粋で一途すぎる狂気が怖いシャルル=ルイ・フィリップの「アリス」、結局なにが起こってたのかモヤモヤするけどなんか怖いジュリヤン・グリーンの「クリスチーヌ」など、女性の名前がついたもの。あとアレーの「親切な恋人」は、ファンタスティックとグロテスクのぎりぎり境界線上で、とても短いのにかなりのインパクト。アポリネールとシュペルヴィエルは既読の作品だったけれど、どちらも好きな短編です。マルグリット・デュラスの「大蛇」は、この少女がのちに「愛人」になっちゃうのかと思うと興味深い。悪夢的な「大佐の写真」、映像が目に浮かぶような「ペルーの鳥」も好きでした。

    ※収録作品
    「ヴェラ」ヴィリエ・ド・リラダン
    「幼年時代―『わが友の書』より」アナトール・フランス
    「親切な恋人」アルフォンス・アレー
    「ある歯科医の話」マルセル・シュオップ
    「ある少女の告白」マルセル・プルースト
    「アリス」シャルル=ルイ・フィリップ
    「オノレ・シュブラックの失踪」ギョーム・アポリネール
    「ローズ・ルルダン」ヴァレリー・ラルボー
    「バイオリンの声をした娘」ジュール・シュペルヴィエル
    「タナトス・パレス・ホテル」アンドレ・モーロワ
    「クリスチーヌ」ジュリヤン・グリーン
    「結婚相談所」エルヴェ・バザン
    「大佐の写真」ウージェーヌ・イヨネスコ
    「ペルーの鳥」ロマン・ギャリー
    「大蛇」マルグリット・デュラス
    「ジャスミンの香り」ミッシェル・デオン
    「さまざまな生業(抄)」トニー・デュヴェール
    「フラゴナールの婚約者」ロジェ・グルニエ

  • 「翻訳文学試食会」課題図書「大蛇」(マルグリット・デュラス)を読むために図書館で借りた。やはりフランス文学はあまりあわない

  • 2025年8月6日(水)放送予定分の翻訳文学試食会課題作品。
    まず『大蛇』(マルグリット・デュラス)を耽読。
    植民地の寄宿学校に通う女性が、週末に通う動物園で大蛇を眺めて感じた動物的本能の部分と、寄宿舎の寮母との間に起こった(今でいうなら)性的虐待のような出来事に通底するものを見つける。

    フランスにおける短篇の地位は、「小説」というカテゴリにおいてはやや低く、むしろ散文と同じようなカテゴリに分類されていたとは、訳者による巻末の解説は一読の価値があり。

    『大蛇』以外のお気に入りは、『タナトス・パレス・ホテル』(アンドレ・モーロア)

  • 短編はそれぞれに余韻があってそれが作家や作品によって異なるんですが、この本のようにたくさんの作家の短編を集めた本の場合は、その余韻から頭を切り替えるのが時にとても難しく、前の作品の気分のまま次を読んでしまうとなんだかわけがわからなくなってしまうことが多々あります。編集するときの順番も大きな要素ということになりましょう。よく名の知られた作家よりも初めて読んだ作家の作品のほうが味わいぶかさを感じました。

  • ※収録作品
    「ヴェラ」ヴィリエ・ド・リラダン
    「幼年時代―『わが友の書』より」アナトール・フランス
    「親切な恋人」アルフォンス・アレー
    「ある歯科医の話」マルセル・シュオップ
    「ある少女の告白」マルセル・プルースト
    「アリス」シャルル=ルイ・フィリップ
    「オノレ・シュブラックの失踪」ギョーム・アポリネール
    「ローズ・ルルダン」ヴァレリー・ラルボー
    「バイオリンの声をした娘」ジュール・シュペルヴィエル
    「タナトス・パレス・ホテル」アンドレ・モーロワ
    「クリスチーヌ」ジュリヤン・グリーン
    「結婚相談所」エルヴェ・バザン
    「大佐の写真」ウージェーヌ・イヨネスコ
    「ペルーの鳥」ロマン・ギャリー
    「大蛇」マルグリット・デュラス
    「ジャスミンの香り」ミッシェル・デオン
    「さまざまな生業(抄)」トニー・デュヴェール
    「フラゴナールの婚約者」ロジェ・グルニエ

  • やっぱりフランスすごい。なんでもありだ。
    モラルとかいう見えない境界線をかるく飛び越えるし、それはしなやかだし、まぶしくて頭がくらっとくるほど美しいし。
    格好いいなあと思う。いくつか他も読みたい作家。
    やっぱり「ローズ・ルルダン」がよかった。文体にしびれた。

  • ロジェ・グルニエの翻訳でお世話になっている
    山田稔さんの編訳

    読了後の今、目次をみて、中身をパラパラ…

    「オノレ・シュブラックの失踪」ギヨーム・アポリネール
    友人である男が失踪した秘密を知る主人公、
    それを教えに警察に出向くが…

    「タナトス・パレス・ホテル」アンドレ・モーロワ
    株で財産を失った男、自殺を考えるが失敗が怖い。
    そこに「タナトス・パレス・ホテル」と言うところから
    一通の手紙が届く。

    「大佐の写真」ウージェーヌ・イヨネスコ
    幸せそうな町で起こる連続殺人。
    恐ろしい話を聞かされ家に帰った主人公、
    部屋で待っていた男友達の鞄の中から…

    この「大佐の写真」と言うお話が薄気味悪いが滑稽でね。
    「これって、私が見た夢の話?」と言うか、
    この「夢」、皆もみているのかな。

    デュラスの「大蛇(ボア)」、
    ラルボーの「ローズ・ルルダン」、
    プルーストの「ある少女の告白」、
    素晴らしく面白い短編が18篇も詰まっている。

    そしてやっぱりグルニエの「フラゴナールの婚約者」は
    何度読んでも最高だ。

    巻末のそれぞれの作者の紹介だけでも
    読み応えたっぷりだ。

    こんなに面白い、素晴らしい本が絶版なのは残念。

  • 割かし印象に残ってるもの↓

    「結婚相談所」

    文通相手が・・・予測出来てしまったけれど知ってる人だったという。。
    良く分かってる相手で親しみがあったんでしょうね。

  • セレクトが良い。以下、特筆すべきもの。

    アナトール・フランス「幼年時代」(『わが友の書』所収)
    マルセル・シュオッブ「ある歯科医の話」(『二重のこころ』所収)
    ジュール・シュペルヴィエル「バイオリンの声をした少女」(『沖の少女』所収)
    アンドレ・モーロア「タナトス・パレス・ホテル」(『ピアノだけのために』所収)
    エルヴェ・バザン「結婚相談所」(『結婚相談所』所収)
    マルグリット・デュラス「大蛇」(『木立の中の日々』所収)
    ミシェル・デオン「ジャスミンの香り」(『ジャスミンの香り』所収)
    トニー・ディヴェール「さまざまな生業」(抄出)

  • 長編小説が評価を得がちな仏文学の中にあって、珠玉の短編小説を18編収録している。近年長文を読むに耐えなくなってきており短編ならば気軽に読めるだろうと思ったが、案外数ページ程度のものだと息切れがしたようになり逆に読めなくなることを知った。
    「親切な恋人」が衝撃的かつ斬新で印象深い。

  • かなり昔の短編集。大人が読める童話なイメージ。もう何度か読んでるけど、毎回飛ばし読み。今回は先頭から10話位。

    好きなのはアリスという少女が母を嫉妬し過ぎて死んでしまう話。今回気になったのは、親切な恋人という彼女が寒がってると彼氏が腹を捌いて中で温める話。
    まるで理解が追い付かない。

  • 19世紀から20世紀にかけての短篇を集めた一冊。編者山田稔の選がすばらしい。

  • トニー・デュヴェール『さまざまな生業(抄)』収録。

  • 逗子図書館にあり

  • 好 : 親切な恋人

  •  面白かった!!

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著者プロフィール

1960年、長野県生まれ。日刊ゲンダイ編集部長などを経て独立。編集工房レーヴ代表。
東洋経済オンラインなどに経済、社会、地方関連の記事を執筆。信州育ちもあり、30代から山の世界にはまり、月に3回は山歩きを楽しむ。山の著書多数。

「2022年 『60歳からの山と温泉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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