フランス短篇傑作選 (岩波文庫)

制作 : 山田 稔  山田 稔 
  • 岩波書店
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レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003258811

作品紹介・あらすじ

長篇小説の国フランスでもいま短篇小説が注目されつつある。作家たちは「フィクション芸術のエッセンス」とよばれるにふさわしい表現を目ざして芸を競い、おのれのエスプリを証明する場として短篇を書くのだ。本書所収のリラダン、アポリネール、デュラスら、世紀末から現代にいたる作家たちの技の競演。

感想・レビュー・書評

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  • 一作家一編で、作家陣がとても豪華な顔ぶれの短篇集。奇想・幻想的雰囲気の作品が多く楽しめた。シャルル=ルイ・フィリップ『アリス』のブラックさがかなり強烈で、ジュリヤン・グリーン『クリスチーヌ』はその構成や醸し出される幻想性、クリスチーヌの神秘性や、様々な事がはっきりとは書かれず暗示されるだけにとどまっているところなど、素晴らしかった。アポリネール『オノレ・シュブラックの失踪』も好みで、全体的にやや古めかしい感じはあるけれど、うーん、良かった!

  • なかなか素敵なアンソロジーでした!既読の作品や好きな作家のものもあれば、全く知らない作家のものもあり、巻末に作者紹介もついててとても親切。訳も読み易かった。タイトルにそういう縛りはないものの、幻想的な話や奇譚的な話が多かった気がします。あと少女もの。

    好きなのはリラダンの「ヴェラ」や、少女の純粋で一途すぎる狂気が怖いシャルル=ルイ・フィリップの「アリス」、結局なにが起こってたのかモヤモヤするけどなんか怖いジュリヤン・グリーンの「クリスチーヌ」など、女性の名前がついたもの。あとアレーの「親切な恋人」は、ファンタスティックとグロテスクのぎりぎり境界線上で、とても短いのにかなりのインパクト。アポリネールとシュペルヴィエルは既読の作品だったけれど、どちらも好きな短編です。マルグリット・デュラスの「大蛇」は、この少女がのちに「愛人」になっちゃうのかと思うと興味深い。悪夢的な「大佐の写真」、映像が目に浮かぶような「ペルーの鳥」も好きでした。

    ※収録作品
    「ヴェラ」ヴィリエ・ド・リラダン
    「幼年時代―『わが友の書』より」アナトール・フランス
    「親切な恋人」アルフォンス・アレー
    「ある歯科医の話」マルセル・シュオップ
    「ある少女の告白」マルセル・プルースト
    「アリス」シャルル=ルイ・フィリップ
    「オノレ・シュブラックの失踪」ギョーム・アポリネール
    「ローズ・ルルダン」ヴァレリー・ラルボー
    「バイオリンの声をした娘」ジュール・シュペルヴィエル
    「タナトス・パレス・ホテル」アンドレ・モーロワ
    「クリスチーヌ」ジュリヤン・グリーン
    「結婚相談所」エルヴェ・バザン
    「大佐の写真」ウージェーヌ・イヨネスコ
    「ペルーの鳥」ロマン・ギャリー
    「大蛇」マルグリット・デュラス
    「ジャスミンの香り」ミッシェル・デオン
    「さまざまな生業(抄)」トニー・デュヴェール
    「フラゴナールの婚約者」ロジェ・グルニエ

  • 逗子図書館にあり

  • やっぱりフランスすごい。なんでもありだ。
    モラルとかいう見えない境界線をかるく飛び越えるし、それはしなやかだし、まぶしくて頭がくらっとくるほど美しいし。
    格好いいなあと思う。いくつか他も読みたい作家。
    やっぱり「ローズ・ルルダン」がよかった。文体にしびれた。

  • ロジェ・グルニエの翻訳でお世話になっている
    山田稔さんの編訳

    読了後の今、目次をみて、中身をパラパラ…

    「オノレ・シュブラックの失踪」ギヨーム・アポリネール
    友人である男が失踪した秘密を知る主人公、
    それを教えに警察に出向くが…

    「タナトス・パレス・ホテル」アンドレ・モーロワ
    株で財産を失った男、自殺を考えるが失敗が怖い。
    そこに「タナトス・パレス・ホテル」と言うところから
    一通の手紙が届く。

    「大佐の写真」ウージェーヌ・イヨネスコ
    幸せそうな町で起こる連続殺人。
    恐ろしい話を聞かされ家に帰った主人公、
    部屋で待っていた男友達の鞄の中から…

    この「大佐の写真」と言うお話が薄気味悪いが滑稽でね。
    「これって、私が見た夢の話?」と言うか、
    この「夢」、皆もみているのかな。

    デュラスの「大蛇(ボア)」、
    ラルボーの「ローズ・ルルダン」、
    プルーストの「ある少女の告白」、
    素晴らしく面白い短編が18篇も詰まっている。

    そしてやっぱりグルニエの「フラゴナールの婚約者」は
    何度読んでも最高だ。

    巻末のそれぞれの作者の紹介だけでも
    読み応えたっぷりだ。

    こんなに面白い、素晴らしい本が絶版なのは残念。

  • 割かし印象に残ってるもの↓

    「結婚相談所」

    文通相手が・・・予測出来てしまったけれど知ってる人だったという。。
    良く分かってる相手で親しみがあったんでしょうね。

  • ◎オーギュスト・ヴィリエ・ド・リラダン「ヴェラ」 アンドレ・モーロワ「タナトス・パレス・ホテル」 ロマン・ギャリー「ペルーの鳥」

    ○ギヨーム・アポリネール「オノレ・シュブラックの失踪」

  • 好 : 親切な恋人

  •  面白かった!!

  • セレクトが良い。以下、特筆すべきもの。

    アナトール・フランス「幼年時代」(『わが友の書』所収)
    マルセル・シュオッブ「ある歯科医の話」(『二重のこころ』所収)
    ジュール・シュペルヴィエル「バイオリンの声をした少女」(『沖の少女』所収)
    アンドレ・モーロア「タナトス・パレス・ホテル」(『ピアノだけのために』所収)
    エルヴェ・バザン「結婚相談所」(『結婚相談所』所収)
    マルグリット・デュラス「大蛇」(『木立の中の日々』所収)
    ミシェル・デオン「ジャスミンの香り」(『ジャスミンの香り』所収)
    トニー・ディヴェール「さまざまな生業」(抄出)

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