短篇集 恋の罪 (岩波文庫)

  • 岩波書店 (1996年3月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (458ページ) / ISBN・EAN: 9784003259719

みんなの感想まとめ

人間の欲望や悪意、運命の厳しさを描いた短篇集は、刺激的でありながらも深いテーマを探求しています。著者は、近親相姦や家族間の複雑な関係を通じて、心理的な恐怖や哀れみを巧みに表現し、現代のホラーとも通じる...

感想・レビュー・書評

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  • バタイユの変態小説に刺激され、変態の古典?!サドまでさかのぼってみる。

    著者の名前由来の言葉があるとおり、全てそのような傾向を持つのかと思われましたが、解説によれば、そんな単純な変態ではなかったようで。適法と違法小説の2系統あるそうな。これは適法の系列。

    でも、やっぱり近親相姦(結果そうなってしまった悲劇)や、息子の嫁を狙う父またその逆など、変態戯曲風の短編が納められています。

    小説における劇的技法として恐怖や哀れみを駆使するという著者の主張により作品群は著されており、現代のホラーに通じるものを感じます。
    なるほど、感情を強く刺激するこの2つの要素を突き詰めていった著者の作品は同じ変態でもバタイユよりは判りやすい。

    ということでサドは恋愛ホラーの名手です!

  • 悪意がはびこる世の中で美徳を貫くことがどれほど難しいか。また人は運命から逃れることはできるのか。他人の悪意を察知し、対処するか逃げねばならない。悪意を始める際は、本人から直接狙うのではなく、そいつの周りから懐柔すべし。

  • いわゆる"S"の由来となっているサドの小説集。

    解説によるとサドは適法の小説(精神的次元の残酷さを表現)と違反の小説(肉体的次元の残酷さを表現)を書き分けていたらしく本書は適法の系列にあたるそう。

    4篇収録されていてなかには救われる結末のものもあるが、読後感はどれも胸糞悪い。

    違反の系列も挑戦してみます。

  • draft

    サドの作品は、学生時代に読んだ「ソドム百二十日」以来だった。正直なところ、当時、同書を最後まで読了できた記憶がない。聞きしに勝る残虐非道の描写の数々に、胃がもたれるような感じがして読み進めることができなかったためである。
    その体験に比較すると、図書館で見つけた本書は、「適法の」というだけあり、4編全て悲劇的内容ではあるものの、読み進めるのをためらうほどの過剰さはなかった。
    大まかな話の筋で共通しているのは、富や権力の座にある有力者が、若く心が清らかだが、立場の弱い者(女性)を様々に手練手管を尽くして罠にはめようとする。弱い者をダブルバインドというかそうせざるをえないように仕向ける。道徳的に正しい性分であるほど、追い込まれて苦悩する。という構造をしている。
    解説にもあるように、私がかつて読んだサドの作品は、もっと肉体的・直接的な責め苦を犠牲たちに強いていて、この作品ではそれが精神的、間接的な手法に代えられている。また、この小説集では犯罪者が急に改心し結末を迎えるが、「違法の」小説では悪徳は、ただひたすら悪行を重ね、改心や手加減はほとんど描かれていなかったと思う。
    確かに、

  • サドにしては結末に安心感の覚える短編集ですね。

    大体美徳に走るうら若き女の人と、彼女を堕落させようとする悪い大人の陰謀劇なんだけれども、ちゃんとハッピーエンドで終わるようになっている。

    ただ、最初の「フロルヴィルとクールヴァル、または宿命」に至っては知らず知らずのうちに、近親相姦、子殺し、親殺しがなされていたというちょっと救いのない物語。

    サド入門としてはいいんじゃないでしょうか。

  • 知っているサドとは一味違った。冒頭はクソつまんない純愛ものかと感じたが、どの作品も中盤に差し掛かると昼ドラも驚きの急な盛り上がりを見せてきて止まらなくなる。問いがすごく明確な短編集で、通底しているのは「美徳」「更生」。「更生」については2,3年前に読んでたらこの問いの立て方には唸ったかも。でも今はそれについての結論は出ているので。
    副題として「悲壮小説集」と付いている。これ読んだ後に「淫蕩学校」とか読み返したらまた違って感じそう。サドのイメージを(作風面だけからじゃなく)覆してくれたり補強してくれたりする一冊でした。

  • 短編集とのことだが、120ページを超える作品も含まれている。『エルネスティナ』が特に好き。どれも一気に読ませる力を感じた。悪について考えさせられられた。自分の欲と悪行のため、いずれ滅びるのもまた人間の性である。

  • 翻訳のせいなのか、わからないけど、現在形での文章がなんか読みづらかった。最初は、引き込まれて読んで他んだけど、飽きてきて、もういいやって思っちゃった(。-_-。)

  • 強烈なまでにフロイヴァルとクールヴァル、または宿命という一昨目がえげつなかった。最後に読んだ方がいいかもしれない。破壊力が凄まじいから読んでてぞっとした。

  • よくもここまで極限的な状況を思いつけるものだ、と思ったけど幾つか読んでいるうちに飽きてきた。当時合法的に出版することを意図していた為か、物語の最後はどれも取って付けたような説教臭い終わり方になっていて滑稽。

  • 後で書きます。

  • 4篇の短編で一貫して、美徳が不幸に陥るさまが描かれている。その原因は、逃れられない宿命であったり、悪徳の権化のような人たちの謀略だったりするのだが、いずれにしろ非常に痛ましい。だが、痛ましいからこそ、美徳の美しさはなおいっそう際立つ。
    サドの力点は、どこにあったのだろうか?美徳は、なるほど幸せを運んでくれるわけではないけど、それでも美しいのか。それとも、美徳は美しく見えるかもしれないが、これっぽちも幸せを運んできてはくれないのか。

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著者プロフィール

フランス革命期の貴族、小説家。代表作に『悪徳の栄え』『ソドムの百二十日』など。

「2014年 『閨房哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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