イーゴリ遠征物語 (岩波文庫 赤601-1)

  • 岩波書店 (1983年4月18日発売)
3.59
  • (3)
  • (4)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 64
感想 : 6
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (215ページ) / ISBN・EAN: 9784003260111

みんなの感想まとめ

戦争と英雄の物語を描いた本作は、12世紀のイーゴリ侯の不幸な遠征を通じて、中世ロシアの考え方や世界観を浮き彫りにします。イーゴリが敵に捕らえられ、帰国するというシンプルなストーリーながら、当時の人々の...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 出版社によると、本書の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    1185年春,南ロシヤの侯イーゴリは,かの地を脅かす遊牧民族の討伐に向かったが緒戦の勝利もつかのま,軍は潰滅,自身も敵の手に囚われ脱走,帰国した.この不幸な遠征の事件に基づき,イーゴリ侯の武勲と誉れを叙情豊かに歌いあげた本書は,ロシヤ中世文学の代表的傑作.中世ロシヤ語原典からの清新な翻訳でおとどけする.

    ---引用終了


    そして、本作の著者は不明とのこと。

    翻訳された、木村 彰一さんは、ウィキペディアによると、次のような方です。

    ---引用開始

    木村 彰一(きむら しょういち、1915年1月5日 - 1986年1月18日)は、日本のロシア文学者、翻訳家。東京大学名誉教授。専門はスラブ文学。

    ---引用終了

  • ベーリングの探検記を読んだので(青狐の島)それよりむかしの話を読もうと思いよんでみました。
    探検の話ではなく戦争の話、イーゴリが遠征に行ってとらえられ帰ってくるというそれだけの話なのだが12世紀から13世紀の作者の考え、世界観がわかって面白い。時部分たちはキリスト教者であるから正しいと考え、敵のポーロヴェッツ人は邪教徒とされている。これは中世の普遍的な考え方であろう。タタールの軛のたとえの通りこれ以降13−15世紀ロシアはながらく遊牧民に抑えられる1480年の独立まで待たなくてはいけなかった。
     したがって中世のロシアの様相を知る本として一級の作品といえよう。訳文も格調高い。これは声に出して読みたい本である。

  • 訳:木村彰一、1915秋田県-1986、ロシア文学者、東京帝国大学言語学科卒、北海道大学教授・東京大学教授・早稲田大学教授

  • ノヴゴロド・セーヴェルスキイの侯、イーゴリの遠征に基づいて描かれた中世ロシア文学作品。スラヴ神話の神々(例:ヴォロス、ストリボーク)に関する記述があり、数少ないスラヴ神話の一次資料としても知られる(もっとも、一・二行程度ではあるが)。
    この本の魅力は何と言ってもその格調高い翻訳であろう。比較的短い作品であるため、読み終わるのにもそれほど時間はかからない。ただ、物語としてはやや単調で物足りなく感じられるかもしれない。
    また、日本人にはなじみの薄い中世ロシア史などについてある程度の知識が無いと、この物語を味わう事は難しい。本書には、付録として『イパーチイ年代記』(ロシアの年代記『過ぎし年月の物語』の「イパーチイ写本」)のイーゴリの遠征部分が抄訳されているので、本編を読む前にまずそちらに目を通しておくのが良いと思う。

  •  プーシキンが「わが国文学の荒野にただひとつ立つ記念碑」と評したロシア中世文学の代表的な作品。ボロディンの歌劇『イーゴリ公』の原作でもある。
     1185年にノヴゴロドのイーゴリ公がポロヴェツ人に対して遠征した史実を描いている。公は緒戦こそ勝利するものの敗北し、捕虜となる。後に脱出して帰還するまでが物語だが、特に華々しい戦果や劇的な展開はない。歴史への興味を差し引くと、それほどおもしろいストーリーとも思わない。同時代の源平合戦を描いた『平家物語』のほうが、戦記としても文学としても優れているだろう。
     それでも、雄雄しく、叙情豊かで、ロシアへの愛国的賛歌にあふれた語り口には胸に迫るものがあり、後代のゴーゴリ『タラス・ブーリバ』を思わせる。ロシア文学の一つの原型がここにあるのだろう。

  • 冒頭に『イーゴリ遠征物語』の本文があり、その後、付録として『イパーチイ年代記』、注釈、解説、系図、地図と続く。

    『イーゴリ遠征物語』は、物語とは言われるが形式としては詩集に近いもののようだ。『イパーチイ年代記』の方が日本でいう軍記物に近い。背景知識がない場合には、後者から読み始めた方が良いかもしれない。

全6件中 1 - 6件を表示

この本が好きな人におすすめの本

木村彰一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×