スペードの女王・ベールキン物語 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 神西 清 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 394
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003260425

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹さんのエッセイで、この本の中の「その一発」で、決闘を申し出た相手が、帽子にさくらんぼを入れ、熟したものをつまみながら決闘場に現れたという件について触れていて、

    そのお話にひかれて読みました。


    それも、良かった。
    でも、若き日の慇懃無礼な振る舞いとか、大切なものを手に入れることによる人の変貌には、

    ちょっと悲しくなったりも。


    わたしは、「百姓令嬢が」好きでした。

    何だか今、
    このような圧倒的な人の陽気さと強さに
    救われたがっているのだと

    自分の精神的な弱まりと、
    それでもその圧倒的な何かにすがりたいとする図々しさに、

    驚いています。

    私はとても強欲。
    強欲だと、軽々しくいえるくらい、強欲なのだ。

  • 整っていて、おもしろい。
    ナボコフがロシア文学三位一体説を唱えていたけれど、それによればトルストイが肉でゴーゴリが精神、その間をつなぐのがプーシキン(妖精)なのだそうな。たしかにバランス感覚はとてもいい。
    ひとつも冗長なところはなく、後味が残らないほどあっさりとした幕切れ。
    こういうところはロシア文学に受け継がれていってるんだろうなあ。

    「吹雪」の、目の前がまったく見えないほどの吹雪の描写とか、なんか好きだ。異国のなかにも何か懐かしいものを感じる。
    「百姓令嬢」も、なんかほのぼのしてて好きだなあ。

  • スペードの女王のサン・ジェルマン伯爵仕込みの魔術にはやられた。眩惑されて背中を一突きされた気分。ペールギン物語でその一発は日本の誰某に文体が似てる気がするし、吹雪は戦争と平和を思い出させ、葬儀屋はゴーゴリの外套を思い出させる。百姓令嬢は昔話にありそうな感じだ。

  • 新書文庫

  • プーシキンの中編を収める。翻訳は古いものだが、非常にこなれており、リズムを感じる。
    スペードの女王は、悲劇とも言える内容だが、人間の狂気を賭け事を題材にあぶり出す。ベールキン物語は、5つの短編からなるが、それぞれ味わい深い。
    (2015.10)

  • その一発…が読みたくて
    サクランボのくだりとか
    復讐ってこういうものだろうなと、妙に感じ入った。

  • 短編『その一発』Cf. 『おおきなカブ、むずかしいアボカド』

  • 「貧しき人々」でベールキン物語の「駅長」がふれられていたので再読。やはり、「スペードの女王」がおもしろい。「駅長」は、たしかに他の物語とは一味違う。時代や状況で、書きたくても書けないことをメタファに託したような気がする。

  • 翻訳は読みにくいわけではなく、普通のペースで読むことができた。内容は玉石混合。
    それぞれの物語の捻りに面白みを感じた。
    たまに浸っていたいような、懐かしい感じ。

  • ドストエフスキーが『白痴』にでてくる下宿屋の長男のことが思い出されて仕方がない。

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