検察官 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 米川 正夫 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 88
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003260524

作品紹介・あらすじ

フレスターコフ青年は飢えに追われ、とある田舎宿にころがり込んだ。ところがなぜか市長らお歴々がお出迎え。どうやら検察官と間違えてのことらしい。そこで青年は、官吏たちの弱身につけこみ金を巻上げ、市長の妻や娘をたらしこんだうえ、一片の嘲りの手紙を残して去る。一同地団駄踏んでいるところへ今度は本物の検察官の到来が告げられる。

感想・レビュー・書評

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  • ゴーゴリの戯曲。ペテルブルグから検察官が来ると知った市長は、慈善病院監督、学務監督、警察署長、巡査、医師たちを呼び、何ぞ不都合でもと、賄賂や何やの話でてんやわんやの大騒ぎ。
    そこへ、宿屋に居ただWピョートル・イヴァーノヴィッチこと、ボブチンスキイとドブチンスキイの地主2人があたふたと駆け込んで。
    ペテルブルグから来た官吏フレスタコーフとその下男オシープが連泊中だが宿泊分の代金が未払いで、しかもいっこうに動く気配がないことから、もしや検察官ではと、早合点した事から、ドタバタの喜劇が始まる。
    実は、フレスタコーフは、宿屋に来るまでに同僚?との博打でスって、宿代未払いのまま、居座りを決め込んでいたが、未払いを理由に、食事もままならず、宿の主人から何度も督促を受け、しまいには、監獄入りをほのめかされていた。

    このフレスタコーフは、少々頭の足りないところがある男だが、その身なりがキチンとしてて、そこへ、駆けつけた市長たちも、検察官と信じ込むほどだった。

    身なりさえ隙が無ければ、簡単に騙せると思ったかどうか定かではないが、市長たちは信じ切ってしまっていたから、このしがない官吏を、手厚くもてなし、しかも、家まで連れて行ったほどだ。フレスタコーフはそこのおかみと娘を気に入って。

    皆が、自分が検察官と思い込んでサービスと言うか、賄賂を払って取り入ろうとし、市長を告訴するとか、フレスタコーフは、されるがままになりすましていたが、そのうち面白くなってきて、味をしめて市長はじめ、取り巻き連中に借金(実は無心)する。

    そのことを手紙に認め友人に報告しようと郵便を下男に出しに行かせる。

    市長の娘に求婚までしといて、下男の忠告に従いそろそろ潮時と見るや、皆に、ちょっと帰ってきます。また来ます。なんて実はハイ、それまでよ。

    たまたま、不審に思った郵便局長が開封したことで、市長以下皆は詐欺に遭ったことをしる。しかも、本物の検察官がもう来るというところで幕。皆さん同じ穴のムジナって事で、チャンチャンってところか?

    文体が堅すぎて、あまり、コメディと言う感じには思えないが、実は日本の江戸時代の設定で、舞台化されたらしいのが興味深い。

    私としては、大阪弁でコレをやったらオモロいかなとは思うが、よしもと新喜劇みたくギャグっぽいのはちょっと違うし、誰か、面白く脚色して欲しいな、なんて思ってしまった。





  • 「われわれは「ゴーゴリ」から出てきた」ロシアの作家
    愛すべきロシア人たち

  • 風刺といえば風刺なのだけれど、そして歴史的な価値もあるのだろうけれど、物語、戯曲、また演劇として上演したらどうなんだろう?大陸的な大味というか、少し牧歌的というか。

    ゴーゴリ本人もそれなりに苦しい思いをして生活していたらしいが、結局は都市の人。ここで描いているような田舎の人々のいやらしさを、もっと想像を膨らませてねちねちと書いてみてもよかったのにな、という感じ。

  • なかなか入手できないけど、隠れた名作。ごく平凡な男がひょんなことから検察官に間違われ、それを演じ続ける物語。

  • ゴーゴリは人生を耐え難くさせる、取るに足らない醜さや悪を容赦なく日の下に引きずり出す。

    率先して、あらゆる争いを放棄すること。勝利も敗北も届かない場所へ。恐怖から争いが生まれる。
    自分が脅かされているという考えが恐怖を生む。

    恐怖を飛び越えられるものは想像力だ。
    煩わしい、疑問だらけの世の中で、それでも誰かと生きたいのは、自分だけでは叶えられない願いを誰かに託すため。
    何に脅かされることもなく、平和に生きたい。全ての人と。少しでも長く。

  • ある日ロシアの田舎町に、首都からお忍びで検察官が視察に来るという噂が流れ、町の有力者達は大騒ぎに。そんな中、博打ですっからかんになったイヴァーンと従者のオシープがサンクトペテルブールクから町を訪れ…というお話。19世紀ロシアの田舎権力者達の愚かさを痛烈に皮肉った、ニコラーイ・ゴーゴリの古典的名戯曲です。終始非常に莫迦莫迦しく軽佻な雰囲気で話が進む喜劇で、登場人物の会話やキャラクターが面白おかしく且つ魅力的に描かれているのは流石ゴーゴリといったところ。その容赦ない皮肉の矛先は、他でもない当時「検察官」のメイン観客層であった上流階級の人々に向けられており、サティリスト・ゴーゴリの大胆さが窺えます(尤も彼自身は予想以上の反響の大きさにすっかり萎縮してしまったようですが)。その一方で、「検察官」で描かれた人間の愚かさ、滑稽さは現在の社会にも未だ見られるものであり、そういう意味でこの作品の登場人物達を他人のように笑い飛ばしてしまう事は出来ないのかもしれませんね。

    ロシア語文学の古典的名作は、日本でもナウカジャパンや日ソなどの書店さんを通して割と簡単に手に入るので、是非原著にも触れて欲しいです。

  • RusLit

  • 蔵書はまだ赤帯が付いていたころのもの。(赤370)もちろん岩波文庫★★ですね〜。

  • モスクワ中でやってます。

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