- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003260623
作品紹介・あらすじ
懶惰と無気力が骨の髄までしみこんでいるロシアの青年貴族オブローモフ。オネーギン、ペチョーリン、ルージンなどの系譜につらなる「無用者」「余計者」の典型を見事なまでに描き切ったゴンチャロフの代表作。
感想・レビュー・書評
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#オブローモフは私だ2020
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こんなに可愛い怠け者もめずらしい。
埃だらけの部屋に道化のような召使とともに暮らす、引きこもりの怠惰な地主。
これだけだと喜劇の主人公にもなれそうなのに、オブローモフは教養があって、情が深くて、善良で、白くてぷにぷにしている(これはチャームポイントだと思う)おっとり系。
精力的で活動家なシュトルツが、正反対のオブローモフを見捨てずに愛するのもわかる気がする。 -
19世紀のロシアの裕福な家庭のニートの話、と言ってしまっていいのでしょうか。
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2009/
2009/
埴谷雄高が初めて読んだ文学書。 -
無用者文学の代表作。頭も悪くないし、類を見ない純粋な性格をも持つオブローモフだが、生来の怠惰な性格が災いし、結局何も為さずに死んでゆく・・・。
要約するとそれだけの話だが、これが滅法面白い。オブローモフをはじめとした数々の登場人物は誰も彼も豊かな人間性を持っている。なによりもオブローモフを怠惰な生活から救い出そうと努力する親友シュトルツと、恋仲にまでなったオリガの二人と、対照的な存在であるオブローモフの掛け合いは非常に面白い。
結局彼は、シュトルツが評するに「犬死に」するが、しかし果たして彼は不幸だったのか・・・?決してそうとは言い切れないところにも、この本の面白さがあると思う。