- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003260678
作品紹介・あらすじ
『平凡物語』『オブローモフ』に続くゴンチャロフ(一八一二‐一八九一)の最大長篇。主人公ライスキーを中心に、古きロシアを体現する祖母、新思想に惹かれるヴェーラ、ニヒリストのマルク等を登場させ、農奴解放を遠からず控えた変動期ロシアの姿を描く。
感想・レビュー・書評
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才能はあるのに、忍耐の足らない主人公ボリース・パーヴロヴィッチ・ライスキー。
空想に浸り、他人の鍛練の成果に見とれるだけの日々。
ソーフィヤに振られ、勘違いも甚だしい自分をさらけ出す。
努力は大事ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ライスキーもロシア文学のいわゆる「無用者」に名をつらねる資格がありそうな人物だとおもう。
芸術にたいする才能をもち、観察力もあるというのに、「努力」ができない。移り気でのぼせやすい性質がわざわいして、どうみつもっても大成しそうもない。
その持ちまえの熱しやすさと冷めやすさを人へも向けるからまたタチが悪い。まわりの人間もまきこんで一人でテンションを乱高下させている。
だけど無邪気で、あけっぴろげで、ときどき鋭い洞察力をみせたりするのが魅力的。
『オブローモフ』もそうだけど、こういう怠惰だけど好ましい人物を生みだせるゴンチャロフって凄い。
オネーギンやらペチョーリンよりずっと愛すべき「無用者」だと思う。
でも自分がソーフィヤだったら…ちょっとイヤ。 -
感想は5巻まで読み終わったら書きます。とりあえず面白すぎて3時間弱で1巻読み終わってしまった。