カラマーゾフの兄弟 1 (岩波文庫 赤 614-9)

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  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003261491

作品紹介・あらすじ

貪婪淫蕩な父フョードルの血をうけた三兄弟-激情にまかせ放縦無頼の日々をおくるドミートリイ、徹底した無神論者の理性人イヴァン、そして無私の愛にみちた敬虔純真なアリョーシャ。僧院での一族の会合から、雄大深遠な思想のドラマの幕はあがる。

感想・レビュー・書評

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  • 感想は四巻にまとめてあります。

  • カラマゾフの兄弟、全5巻。おまけに字が小さいので、かなりの大冊だと自覚する。おまけにロシアの小説は日本人の感覚と異なるし、名前が酷く難しいので、果たして読めるか自信無い。
    しかし、読んでみると、ストーリーが多様で、間延びしたところが全く無い。流石ドストエフスキー。凄い。世界を代表する作家だ。
    物語は、宗教キリスト教への怖れとその否定。それが3人のカラマゾフの兄弟を分ける。そうなったのは放蕩な父親のせいか。今後どういう方向に進むか。次の本を読んだあと、第2巻を読む予定。

  • 最初に解説から始まるので、訳がちょっと違和感ありますが、理解できます。
    登場人物が多く、またよく話すのですが、どの人物のキャラクターにも、「あ、こんなところ自分にもあるな」と思いながら読み進んでます(自分があまり認めたくない部分ですが)。

    これが古典の醍醐味というか、救われる部分ですが、自分の悩みから何百年も前の人が同様に抱えていたようだから、あまり急くこともないのかな、って気になれます。

  • カラマーゾフの兄弟<1~4巻>

     『罪と罰』同様に事件前から事件後にいたるまでの心理描写を徹底的に行い、主人公達の行動の動機や結果から生じる心境の変化などをしっかりと描写しています。感情の起伏が激しいので、強い感情や、弱すぎる感情の極端な描写が苦手な方には読みづらい個所があるかもしれません。3人の息子のものの考え方がそれぞれ違うので一面的な描写に偏らずに拡がりがある反面、作品としての統一感を得るのに苦労する作品です。ただ、読み進めるとその起伏や分裂状態こそ、ドストエーフスキイにとっての人間理解の現われであることが次第に伝わってきます。
     重量感のある作品ですが、推理小説のような事件の解き明かしや、愛憎の純粋な描写など物語作品としても完成度が高く、教養としての価値を超えて楽しめる作品です。

  • 米川訳は明治時代の小説を読んでいるみたいで面白い。ところどころに旧かなづかいが残っているので直してほしいなぁ…岩波さん。。

  • アリョーシャさんがあまりにも純粋過ぎて他の登場人物と比べてかなり浮いている存在です。その純粋さにもかなりひやひやさせられます。彼がどうなってしまうのか非常に気になるので☆5にしました。

  • カラマーゾフスタートに、この訳ではきついのかも。
    私は、新潮文庫版→光文社古典文庫版から入ったので、なんとか読めたし、
    今では差別用語でひっかかるだろう表現が、むしろ新鮮。時代の流れも感じる。
    ひと時代昔の表現が、いまストレートに響き、それがまた興味深い。
    すげえことばを使っているなあという、
    でも、振り返る材料にもなる。

  • 一粒の麦は只の一粒だが、地に落ちれば多くの実を結ぶ。冒頭のヨハネの福音書と物語との関係が20年前の初読では分からなかった。確かに家族の紹介が長いし戸惑う。しかし僧院での会合からドライブがかかって、穏やかに喋っていたヒョードルが突然激昂する辺りから登場人物のキャラが立ってくる。こんな人間を自分は知ってる。そうやって少しずつ実感できる人間を拡げていけば、長老の逸話を始めとする宗教談義も面白くなってくる。ドミートリーがアリョーシャに語る詩を読んだら彼に父親殺しなんか出来ないと分かるはず。物語は始まったばかり。

  • 二度めだけあって、読みやすい。
    スメルヂャコフのキリスト否定論(p268)は後の事件の暗示かな。
    スネギリョフと息子イリューシャの砂嵐のシーンが印象的で、この辺りからおもしろくなってくる。イリューシャはスネギリョフの父親の名前からとったようで、愛が感じられる。良い。

  • カラマーゾフ一家の喜劇的な悲劇を描くドラマ…と捉えてよいのだろうか。
    同じ父親から生まれても、三者三様の人間性を持つ三兄弟の絡みが面白い。
    ドストエフスキーの人間に対する考察力、そしてそれを深みのあるキャラクターへと還元していく圧倒的な力に圧巻。長老の話は非常に教訓的で、思わずページに折り目をつけてしまった。
    個人的には三男のアリョーシャが好き。
    これからどうなるか、楽しみ。

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