カラマーゾフの兄弟 4 (岩波文庫 赤615-2)

  • 岩波書店 (1957年4月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (406ページ) / ISBN・EAN: 9784003261521

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人間の存在や信仰の本質に迫る深遠なテーマが描かれ、登場人物たちの複雑な感情や人間関係が物語を豊かにしています。理知的でありながら感情的なキャラクターたちが絡み合い、神学や宗教についての対話を通じて「人...

感想・レビュー・書評

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  • なんなんでしょうね、この小説。全体を通してワンセンテンスごとは決して難しくないのだけど、1ページ単位の密度の濃さに加えて、理知的かつ感情的な登場人物の多さや、それらが絡み合う人間関係から難解なイメージを与えます。まあ実際、要所要所では神学や聖書の知識がないと100%理解するのは難しいのですが、ミステリーっぽい要素や裁判のシーンなどから小説としての面白さもしっかり携えていて、娯楽小説として見てもちゃあんと面白い。人間が人間であるために備えているあらゆる情動や欲望がそれぞれの登場人物に、そして物語そのものに宿っており、150年近く経ったいまなお強度も存在感も圧倒的です。主要人物のフョードルと兄弟たち以外にも様々な登場人物がおり、対話に対話を積み重ねながら「神とは」「信仰とは」「宗教とは」というテーマを扱い、「人間とは何か」という文学の根本的な部分を追求していく。「読む」ということは「小説を書く」ことにも繋がっている、そんなことまでも内容に組み込み、読書というものの最も純粋な欲求を体現しています。

  • 意味深な遺書を残して首を縊った人物と、その相互作用で気が触れた人物。その2人と干渉して、真理の光とすべての人への復讐と憎悪の中に滅びることを自覚しながら、ひたすら祈る人物。裁判にかけられ、やいのやいの言われる人物とともに、カラマーゾフの兄弟たちの物語は一先ず終わる。裁判で振りかざされるロシアの正義なる茶番。そんなカラマーゾフの末っ子を慕う子供による、僕たちはみんな死から甦って命を得て、またお互いに見ることが出来る、という叫び。一粒の麦が確かに大地に実りをもたらしたように見える。X'masに読む最高の物語。

  • 洗濯したり水回りの掃除をしている時にふとスメルジャコフという人間のことを考える。己の孤独を誰にも触らせず、ひとりで「アリョーシャ的世界」に挑戦した。この挑戦は誰も知らないし物語にならない。ただ私みたいな人間は心をえぐられ、愛しさと惜しさに定期的に苛まれる。

  • 感想を書ききれない本である

  • 読了した。4度目の挑戦でやっと読めた。長かった。
    西川先生の勧めで読んだ。これは若いうちに読んでおく本。フョードルの生き方に共感し、ゾシマの生き方に憧れた。でもまだ消化しきれていない。新潮版でもう一度読んでみる、感想はその時に。

  • 長いし、人間関係が複雑だし、随分前に端役だと思っていた人物が突然現れるし、キリスト教の倫理観と歴史が理解しづらいし、唐突に愛称で呼ぶし…というなかなかハードな本だった。人物一覧表を作りながら読んだ。
    ただ、名作と呼ばれるだけあって人間の心理描写力が非常に優れていると感じた。
    カチェリーナの、ミーチャやグルージェンカへの愛憎渦巻く複雑な心境。コーリャ少年の背伸びと自尊心。ラキーチンの世の中を小馬鹿にしたような皮肉。スメルヂャコフの嫉妬など…枚挙にいとまがない。
    また、(当時の)キリスト教の考え方と倫理観について、微量ながら理解することができたと思う。
    本書で取り上げられている問題はキリスト教だけの問題ではないし、過去の問題でもないと思う。
    科学の発達によって薄れた信仰心。ヒトは「神からの赦し」を捨てて生きることができるのか?
    人間がどこまで行っても捨て去ることのできない問題と人間臭さがこれでもかと凝縮された本だった。

  • 無罪になりそうな人が結局有罪になったり、登場人物の一人の葬儀があったりと客観的に見れば救いようのない終わり方です。ですが、何でしょう、どうにも最後でハッピーエンドに見えてしまうんですよね。

  • これを先に読むか、『悪霊』の方を先に読むかで大きく印象が変わってくるような気がします。
    私は『悪霊』の方を先に読んだので、イワン兄さんの思想にはあまり驚きはありませんでしたが、この小説には『白痴』『悪霊』のテーマがまとめてとりあげられており、まさにドストエフスキーの集大成という感じです。
    ものすごい長いですが、それを読むだけの値打ちは充分あります。必読と思います!
    1フントの胡桃の話が泣ける!!

  • 長編読了。この最終巻は裁判の様子が主で、弁護側検察側双方聴衆相手に劇を演じているような感じ。スメルジャコフがどうしてああいった行動に出たのかよく分からなかった。他にも分からない部分が多々あったので時間を置いて別の訳でも読んでみたい。

    裁判が劇のようだというのは自分が陪審員をやった時にも強く感じたことだった。

  • テンポの良い物語構成ではない。ひたすらひとりで自分の考えをぶち撒けまくる場面が多く、正直読んでいて何度かグッタリする。ただ、それを踰えたところに毎回なにかが見える。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/TW00023334

  • ドストエフスキーが生涯をかけて構築した世界最高峰の文学作品、カラマーゾフの兄弟は小説というよりもむしろ思想書に近いかもしれない。19世紀後半の思想的動乱期のロシアを舞台とするこの小説は当時の複雑な社会状況、イデオロギーの対立を描写している。彼の著作の多くはこのような状況におけるロシアの無神論、ニヒリズムと対置して信仰による救済を説くものであるが、その問いは単にイデオロギーとしてだけではなく、人間の心理的本質に投げかけられたのである。今日、思想なき時代において人生の問いは単純な質量的欲求という意味での幸福、不幸にカテゴライズされてしまう傾向にあるが、それは一つのニヒリズムであると言えよう。形而上学的、超越的な概念は必然であるというよりは「必要」であるということを登場人物の心理描写とともに痛感することができる。個人的な観点ではあるが、そうしたことを考えさせてくれる思想書であると言えよう。

  • 私たちに遺された『カラマーゾフの兄弟』は、ドストエフスキーが想定していた物語の第一部に過ぎなかったと言われています。長男ドミートリイが選択した運命はどうだったのか、イワンはどうなったか、アリョーシャはどのように成長していくのか、数々の余韻を残したまま物語は終わりを告げます。

  • 日本語訳(全4巻:岩波文庫赤版:米川 正夫訳)で読了しました。
    東大生必読書。彼らも1巻の初めで挫折する難解小説です。
    でもその難しさの中に、読んでいく内展開に惹かれて行きます。

    「接吻」という言葉が多々ありその度にドキドキしました。
    大概男から男でしたね。
    …今思い返してみると男から女はなかった様な。
    主にカラマーゾフ三兄弟のシーンで多かったです。

    とまあそれは置いといて。

    読んでいって一番の難関だったのが「大審問官」
    次兄イヴァンが弟のアリョーシャに語ります。
    内容が哲学的過ぎて読んでいる途中で脳味噌がパンクしました。
    これはまた次回読んだ時にじっくりと読み返してみたい所です。

    途中で父親のフョードルが誰かに殺されるのですが嫌疑が長兄ミーチャに注がれて、
    ミーチャは無罪なのに有罪になったのが、何とも言えません。

    「思想小説」「宗教小説」「推理小説」「裁判小説」「家庭小説」「恋愛小説」と、
    色んな小説に分類されるそうですが、私は「裁判小説」と捉えました。

  • 99.9.5

  • 長かったあーここまでえー

  • 8ヶ月の長い旅、完結!

    まず初めて長編のロシア文学を読みきった自分を誉めてあげよう。

    いつの時代も、変化しゆく道徳観、倫理観。
    野蛮になっていく近代への警鐘。ってことかな。


    これから『カラマーゾフの続編を読む』って新書読む予定なので、楽しみ。
    光文社文庫の5巻も読みたいし。

    ―――――――――
    はい、それではここからいつもの引用↓

    『やつらはどんな醜悪なことをやっても、公益のためをふりまわすんだ。』(63頁)

    『見なくっても、太陽のあることを知っている。太陽があるということを知るのは―それが即ち全生命なんだ。』(67頁)

    『遺憾ながら真実はほとんどすべての場合、平凡なものだ』(162頁)

    『諸君、一体わがロシアには正義があるのでしょうか、それともぜんぜんないのでしょうか?』(365頁)

    『子供の時分親の膝もとで暮した日の思い出ほど、その後の一生涯にとって尊く力強い、健全有益なものはありません。(中略)こうした美しく神聖な思い出こそ、何よりも一等よい教育なのであります。』(403頁)

    『人はえて立派ないいことを笑いたがるものです。それはただ軽薄な心の仕業です。』(403頁)

    『昔から仕きたりの旧い習慣ですからね、そこに美しいところがあるんですよ。』(406頁)

  • フョードルが殺され、ドミートリイは裁判にかけられ、イヴァンは気が狂い、スメルジャーコフは自殺する。本格的に俗世を生き始めるアリョーシャを除いて、カラマーゾフの一家は破滅した。検事イポリットに対する、ドミートリイの弁護士フェチュコーヴィッチの反論が切れ味鋭くて快感。ドミートリイの「ベルナール」的客観的思考批判、イヴァンの無神論の挫折もたまらない。
    『カラマーゾフの兄弟』は本当に濃密だ。これだけのものが詰まって、それでいて一つの統一体でありうるなんて・・・こんなのを作り上げるには、どれだけの忍耐と労力が必要なのだろうか。死ぬまでに一回は読まないと本当にもったいない。

  • 続編が予定されていたようなので、読んでみたかったなあと思った。

  • イワンの最後に涙。読み終えた時の充実感は過去最高でした。体力使う作品ですわ。

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著者プロフィール

ロシアの小説家、思想家。トルストイやチェーホフとともに19世紀後半のロシア文学を代表する文豪。

「2008年 『罪と罰 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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