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Amazon.co.jp ・本 (572ページ) / ISBN・EAN: 9784003261828
作品紹介・あらすじ
ロシアはナポレオンとの決戦に突入。アウステルリッツ戦で生死不明だったアンドレイが帰還した夜, 妻は男児を出産し死亡する。遺産相続したピエールははめられて結婚、妻の不倫から決闘する。 一方ロストフ家の若者たちは恋する年頃. それぞれの人生が続く中、歴史はロシアをティルジット条約の屈辱へと導いていく。(全6冊)
感想・レビュー・書評
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ピエール、ニコライ、アンドレイの三人を軸に話が進み、決闘や賭博、フリーメーソンと多彩な当時の庶民の暮らしの先端部分が描かれた巻。アンドレイは戦争で負傷し妻をお産で亡くし、フリーメーソンに入会して意気があがっているピエールと距離ができてしまう。またニコライは、妹のソーニャに思いを寄せたが断られたドーロホフに賭博で負けてしまう。ドーロホフはその前にピエールとその妻エレンを巡りピストルでの決闘で負けている。戦争はこの巻ではその背景に退き、複雑な人間模様が主として描かれる。フリーメーソンがこの先どう描かれているか知らないが、この巻での描写は新興宗教のようで不気味に思えた。ピエールはその教義に基づき農民たちを潤沢な父の遺産で解放しようとするが、かえって彼らが生活に苦しむことになったという著者の記述はとても皮肉めいている。トルストイの視点は非常に現代的で、数世紀も昔のものとは思えない小説である。
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読みやすいのだが、登場人物が多いため混乱してくる。
私に学歴がないためだと思うが、ティルジットの会見をこの本で初めて知った。
また、オーストリア皇帝と神聖ローマ帝国の皇帝の名前が一緒なのはなぜ?ということで調べたら、神聖ローマ帝国がナポレオンのせいで解体されてもフランツ2世が皇帝を維持するためにオーストリア皇帝になった(オーストリアは、それまではオーストリア帝国ではなく、単なるオーストリア。皇帝ができたから、オーストリア帝国に名前が変更された)。
色々勉強になる本だ。 -
この2巻では、主要なキャラクター3名、ピエール、アレドレイ、ニコライにそれぞれ試練が訪れる。
特に本書の後半で行われるアンドレイとピエールとの「人生の意味」ついての議論は本巻のクライマックスだ。
アンドレイは、アウステリッツでのナポレオン軍との戦闘で重傷を負って帰郷、さらに追い打ちをかけるように出産時に最愛の妻リーザを亡くし、軍での出世も人生への希望も失ってしまう。一方、妻エレナとの関係の悪化により、人生に絶望していたピエールは、秘密結社フリーメーソン(!)に入会したことにより再び人生の希望を見いだしていた。
この二人の議論は突き詰めれば「人生とは、善か悪か」ということであり、著者レフ・トルストイが人間の生きる意味をピエールとアンドレイとのやりとりを通して、深く読者に問いかけてくる。
この『戦争と平和』が上梓されたのが1869年(日本で言えば、明治維新の翌年)、今からちょうど150年前だが、「人生とはなにか?」と人生に悩む人々の苦悩は150年前でも今でも全く変わりないのだ。 -
いやアンドレイ冷たくない?ニコライダメじゃない?ピエール計画性無さすぎない?( ノ^ω^)ノということで終始男性陣にイライラし、女性陣の賢さが印象的だった巻。マリアが推しになった。それにしても話の複雑さよ
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少しずつ話が動いてきて、歴史上の出来事も、話の中に絡んでくる。ピエールよりも、アンドレイの方が波乱万丈な人生のような気がする。
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1巻と同じく相変わらず戦史ものとして読むとしたら物足りない。前半はアウステルリッツ戦なのだが、全く戦いの進展も両軍の作戦も分からないうちにどちらが勝ったかもよく分からず終わってしまう。
しかしながら、1巻よりロシア文学(トルストイ?)特有のどろどろとした人間の内面を描くという部分は面白くなってきている。人間の多面性を描くという点では、俊逸だと思う。所詮人間一人が知りえることは自分の周りのことだけであり、周りのことを意図的に作られてしまうと真実は分からないという当たり前のことが上手く描かれている。ロシア人のしたたかさ、当時の皇帝に対するロシア人の憧憬が良く分かる。 -
戦争で負傷したアンドレの手紙による家族の動揺が描かれ、
個々で恋愛感情が動いていく
壮大なスケールの中の人物描写が言うまでもなくすばらしい -
新訳。ピエールが訳の判らないうちにエレンと結婚する羽目になり、マリアがアナトールを振り、アンドレイがぶっ倒れ、ピエールがドーロホフと決闘し、ロストフ家の人々にいろいろなことがあり、アンドレイの妻が産褥で死に、ピエールがフリーメーソンに入ったりするが、基本的にはアウステルリッツの戦いとティルジットの和約の巻。アウステルリッツは前半戦、後半戦、計画の図あり。引き続き、巻末年表、巻中コラムつき。
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金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18412
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA75063276 -
第二部第二篇まで。
巨額の遺産を相続したピエールの結婚と破綻と決闘。フリーメイソン加入。
アンドレイのアウステルリッツ参戦と負傷。 -
濃い、おもしろい
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読書日:2017年11月2日-11月16日.
Original title:Война и мир.
Author:Лев Николаевич Толстой.
一番の感動所は、家族からは戦死したと思われていたАндрей(Andrey)が家族の元に戻ってきた場面です。
しかしこの喜びも長くは続きません。
彼の妻であるLisaは息子を出産後間も無く亡くなります。
Андрейが戦地から家に戻った日でもあるのに何故この日にと悶々とした気持ちで読み続けました。
場面は代わりПётр(Pierre)はFreemasonryに加入しました。
貴族的な廃退した生活から身分に関わらず人々の助けとなる事を行いたかった彼の行動は、
彼の領民で地位がある者からは見下されているので、
いつかは彼がその事に気付き、彼等に対し然るべき措置を取って欲しいものです。
それからАлександр I(Aleksandr I)とNapoléon Bonaparteと会談の様子も
心動かされる物があり、歴史の一端を見ている感じを受けます。
Александр Iは年若い皇帝なので今後の成長が楽しみです。 -
人間のちょっとした無意識的動作や表情に対するトルストイ先生の描写は繊細かつ新鮮。人間の本質は100年単位ではそうそう変わらないんだな、と思うこと多々。
偉大な群像劇を通勤途中のチョイ読みで読み続けていくのは勿体無いので残りは夏休み中に纏めて読もうかな。 -
各家族の特徴がすごく現れていると思った。
アンドレイ、ニコライ、ピエール、それぞれに不幸が降りかかり、新たな気持ちも芽生えくる。
ピエール、良い人なんだけどなあ。
繊細な感覚を持っているのに、あまりにも鈍いとこものあったり…。
哲学が見え隠れする。
冗談みたいな砲身清浄棒の奪い合いや、フリーメーソン入会式の精彩を欠く言葉のやりとりとか、トルストイのこういうとこを書くところが好きです。面白い。 -
戦争の記述は少々読みにくかったものの、そのほかの人間模様は興味深い。
理想主義者のアンドレイが失望して行く様、もともと平和主義で人当りのいいニコライが戦闘の高揚感を楽しんでしまう様。そうなんだね、多分。戦争は嫌いだ、反対だと言っていても、いざその中に置かれると人間は意外とその状況を楽しんでしまうのかもしれない。
相反して状況を傍観しながら決して自分はその中に染まらず、只管己のみのボルツには反感を覚える。でも実際には多い、こういう人。 -
2巻になって、ようやく人物の名前も覚えてきて、面白くなってまいりました。戦争の方は主にアウステルリッツの戦い、平和の方は、ピエールの決闘やら戦後のニコライ、アンドレイの生き方などでしょうか。それぞれのドラマがとても面白いです。
戦争映画は21世紀になってCG技術の発達により、リアルに描写されるようになりました。しかし、意外と小説以上に戦争の物語を描ける媒体は無いのかもしれません。この小説で描かれる戦争のかっこよさ、そして悲惨さ、歓喜と絶望、人間という存在のちっぽけさ、そんなとこまで隅々まで描けた映画はまだ存在していないと思います。
また、この文庫本ではアウステルリッツの戦いの戦闘の図解もあったりして、まあそこまで理解できませんけど、ああニコライとアンドレイはこのへんにいたのねー、と理解の手助けになります。
人間ドラマの点でも、脇役のドーロホフの意外な一面、また一転して残酷だったり、デニーソフの病院に1巻で活躍したトゥシンがいたり、多数の登場人物の運命や、女性たちの姿(トルストイは女性の書き方が的確だと思う)もそれぞれ個性的で面白いです。悪女?エレンもそれなりポリシーがあるような気がして、嫌いにはなれませんね。
まだまだ子供のナターシャやソーニャの恋の物語もこれからどうなるのか楽しみです。で、岩波文庫はネタバレをしないようにしてほしいですw -
それぞれ転換期、方向性が出て来る。
レビューは最終巻で。 -
(2016.03.24読了)(2016.03.13借入)(2009.01.15・第4刷)
第一巻を読み終わってからちょっと間をあけて、第二巻を読み始めたので、「第一巻のあらすじと第二巻の展望」は、助かります。
第一部第三篇では、
ピエール君やマリアさんの結婚相手探しの話のあと、戦場に移って、アンドレイ、ニコライ、ボリスたちの戦場での様子が描かれています。
第二部では、
アンドレイは、戦場で瀕死の重傷を負いますが、ナポレオンに助けられて、捕虜となります。釈放されて家に戻ったら、丁度、妻のリーザが出産中で、子供は生まれましたが、リーザは亡くなってしまいます。アンドレイは、再び戦場に出る事なく暮らしたいと思い、父親の義勇軍募集の仕事を手伝っています。
ピエールは、多くの遺産を相続し、多くの人たちにちやほやされた上にエレンと結婚します。そのうちエレンの浮気を疑い、浮気相手と疑った男と決闘に及び、相手を傷つけてしまいます。立会人はニコライです。
エレンとは別れ、自分の相続した領地に戻る途中で、フリーメーソンに誘われ、社会貢献に目覚め、入会します。フリーメーソンに妥当な寄付を行い、自分の領地の農民たちの生活向上を管理人たちに命じますが、簡単には善意は伝わりそうもありません。
適当に中間搾取にはげんでいる管理人たちがピエールのやりたいようには動くはずもありません。世間知らずのピエールの善意は空回りしそうです。
軽騎兵連隊に所属するニコライは、戦場から友人を連れて自宅に戻ります。ドーロホフに誘われトランプの賭博に参加しますが、4万3千ルーブルもの大金を取られる羽目になってしまいます。自分では払えないので、父親に支払ってもらいます。貴族とはいえ、あまり裕福ではなさそうなのですが。失意の状態で、部隊に戻ります。
ニコライは、戦場にいたとき、病院に行ったことがあり、病院での兵士たちの惨状を見て戦争に対する疑念が生れていた。
この巻の終わりで、ナポレオンとの戦いは、和平を結び、停戦となった。
年表によると1807年6月のことです。
まだ先は長いですね。ドーロホフとデニーソフがごっちゃになって、一時訳が分からなくなりましたが、全体としては、読みやすく、興味深い物語です。
【目次】
全巻目次
『戦争と平和』系図
主要人物紹介
第一巻のあらすじと第二巻の展望
第一部
第三篇
第二部
第一篇
第二篇
『戦争と平和』年表
●決断(38頁)
ピエールは自分がついに、ある一つのひとつのことばを口にし、ある一線を踏み越えることだけを、みんなが待ち受けているのを知っていた。また、彼は自分が遅かれ早かれその線を越えるだろうということを知っていた。
●マリア(63頁)
よくないのは服ではなくて、マリアの顔と姿全体だったのだが、ブリエンヌと小さな侯爵夫人はそうとは感じなかった。
●生きる支え(247頁)
どこにこの生を生きる支えを求め、生のあとに、かなたの、墓の向こうに何を覚悟すればいいのかがわかったら! どんなにおれは幸福で、安心だろう、今、主よ、我を憐れみたまえ、と言うことができたら!
●人生の疑問(391頁)
ルイ16世が処刑されたのは、彼が罪人とみなされたからだが、一年後には、彼を処刑した者たちが殺されてしまった。やはり何か理由があったのだ。何が悪いんだ? 何がいいんだ? 何を愛さなければならないのだ? 何を憎むべきなのだ? なんのために生きるんだ、そして、おれはいったい何者だ? 生とはいったいなんだ、死とはなんだ? すべてを支配しているのはいったいどういう力なんだ?
●幸福と不幸(479頁)
「僕が人生で知っている真の不幸はただ―悔恨と病気だけだ。幸福とは、こうした不幸がない、ということでしかない。この二つの悪だけを避けながら、自分のために生きること、僕の知恵は今ことごとくこれに尽きる。」(アンドレイ)
●名誉のため(480頁)
僕は名誉のために生きてきた。名誉っていったいなんだい? やっぱり他人への愛じゃないか、他人に何かをしたいという気持ち、他人にほめられたいという気持ちじゃないか。つまり、ぼくは他人のために生きてきて、あやうくどころか、完全に自分の人生を台無しにしてしまった。そして、自分だけのために生きるようになってから、落ち着いたんだ。(アンドレイ)
●医学(484頁)
医学がだれかをこれまでに治したことがあるなんて、あきれた妄想だ……殺すことなら―たしかだがね!
☆関連図書(既読)
「光りあるうちに光の中を歩め」トルストイ著・米川正夫訳、岩波文庫、1928.10.10
「イヴァンの馬鹿」トルストイ著・米川正夫訳、角川文庫、1955.08.05
「トルストイ『戦争と平和』」川端香男里著、NHK出版、2013.06.01
「戦争と平和(一)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.01.17
(2016年3月27日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
アウステルリッツ戦で負傷し行方不明だったアンドレイが帰還した夜、妻リーザは男子を出産し死亡する。ピエールは愛のない結婚をして妻の不貞で決闘へ。ロストフ家の恋する若者たちは…様々な人生の一方でナポレオンはロシアを屈辱の講和へ導く。
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