戦争と平和〈4〉 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 藤沼 貴 
  • 岩波書店
3.85
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本棚登録 : 157
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (541ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003261842

作品紹介・あらすじ

不吉な彗星の年。軍務に戻ったアンドレイは父と妹に敵接近を急報するが、退避目前に老公爵は死去、マリアは領地農民の反抗に遭う。戦争の本質を探ろうとピエールはボロジノへ発つ。いまや貴族も農民もなく、全ロシアの危機が始まろうとしていた。

感想・レビュー・書評

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  • すごく面白い。

    ナターシャが元気を取り戻し心を落ち着けていくのが自分には嬉しい。
    そしてアンドレイ。彼は冷めたり熱くなったり激しいけれど、どんどん人間らしく可笑しみまで増していくのがとても好ましく思える。

    アンドレイの目を通して映し出され感じる風景が好きだ。
    特にこの戦争に関しての考察という事じゃなく、一人の人間が歴史を動かすのではないという考え方には同感。

  • いつになっても戦争は無くならない。
    その点、70年も戦争していない日本は、やはりすごいのか?

  • “大佐はバラショフの任務を国王陛下にうやうやしく伝えたが、バラショフという名が発音できなかった。
    「バル・マシェーヴ卿!」王は(大佐が直面した難関を、持ち前の思い切りのよさで克服して)言った。” (49page)

    括弧のなかのちょいちょいした描写がいちいち楽しい。おもしろい文体ではまるなあ。

  • 4巻は戦争の記述が多く読むのに苦労した。ただ、ここがクライマックスなんだろうなと思う。
    前線の任務につき、自ら負傷したり捕虜になったアンドレイと、それまで戦争とはまるで無縁だったのに、ひょっこり参戦してしまったピエールとの温度差が著しい。
    最後のアンドレイとナポレオン、それぞれの心情から戦争の不合理、人生の無常が感じられる。

  •  いよいよナポレオンがロシアに攻めて来ます。ボルコンスキー家は領地ルイスイエ・ゴールイまで敵がやってくるわてんやわんやでマリアもひどいめに会いますが、ロストフさん家のニコライくんと出会い、ちょっと恋の予感が。
    ピエールは戦争の見学に行きますが、おいおい危ないだろうよ、と言いたくなります。貴族階級でもこんな呑気な人もいたようです。
    祖国の危機に、民衆は熱狂するもので、皇帝アレクサンドルの姿を見るだけで大群衆が。まだ子供のペーチャまで戦争に行ってしまいますが、こういうのは古今東西あまり変わらないのかも。
    それぞれが戦争に巻き込まれつつ、物語が進んで行きますが、ここに来てトルストイの戦争についての文がすごく多いです。これでも削ったらしいですが、ちょっと物語から離れているような気もしますけど…。まあ、これはこれで。

  • (2016.04.21読了)(2016.04.10借入)(2006.12.05・第2刷)
    1812年5月にナポレオンのロシア遠征が開始されます。ポーランドを通過し、寝万川を渡ってロシアに侵入したのは6月12日のことです。
    第三部第一篇
    フランス軍のナポレオンに対する熱狂ぶりが描かれています。ロシア軍の無統制ぶりが描かれています。
    アンドレイとニコライは、軍隊に参加しています。
    ピエールは、ナターシャを元気づけに行きつつ次第に恋に陥っていくようです。
    フランス軍は、モスクワに近づいてきています。
    第三部第二編
    アンドレイの実家のあるルイスイエ・ゴールイは、ナポレオンがモスクワに迫る道筋に当たるので、アンドレイは、父親と妹にモスクワに避難するようにと勧めるのですが、父親は、アンドレイの領地ボグチャーロヴォで脳卒中で倒れ亡くなります。マリアは、領民たちとモスクワに向かおうとするのですが、領民たちは動こうとせず、マリアのモスクワ行きも阻止しようとします。
    撤退の途中偶然通りかかったニコライが、マリアの窮状を助けて、モスクワへと逃れさせます。
    ニコライは、マリアが気に入ったようです。ソーニャをどうするのと突っ込みたくなるところですが、戦争に生き残るのが先決でしょうね。
    アンドレイは、クトゥーゾフ・ロシア軍司令官に司令部で働かないかと勧められますが、部隊長として前線で戦うことを選びます。
    モスクワの手前のボロジノでフランス軍とロシア軍は一戦交えることになります。
    アンドレイもニコライもピエールまでもが、この戦場にいます。ピエールは、自分もなんか国のために役に立ちたいとやってきたのですが、戦場をあちこちと見て歩くだけで、ちょっと邪魔という感じですね。
    アンドレイは、戦場でまたしても負傷してしまいます。負傷して運ばれた場所で、同じく負傷しているアナトールを見つけました。恋敵です。
    さて今後の展開はどうなるのでしょう?

    【目次】
    『戦争と平和』系図
    主要人物紹介
    第三巻のあらすじと第四巻の展望
    第三部
     第一篇
     第二篇
    『戦争と平和』年表

    ●ロシア軍(36頁)
    皇帝を取り巻いている者たちの目指すところはすべて、皇帝に楽しく時を過ごさせながら、目前に迫った戦争のことを忘れさせることだ、という感じがした。
    ●ナポレオン(70頁)
    ナポレオンにとってはもうだいぶ前から、間違いの可能性などはその信念のなかに存在しておらず、彼の考えでは、自分のしたことすべて、善悪の観念に合致するからではなく、自分がしたからという理由で、よいものとされているらしかった。
    ●ドイツ人、フランス人、イギリス人、イタリア人、ロシア人(106頁)
    抽象的観念―学問、つまり、完全な真理を知っているという幻想をもとに自信を持てるのは、ドイツ人だけだからだ。フランス人が自信を持つのは、自分自身が頭でも、体でも、男性にも女性にも、有無を言わせぬ魅力を持っていると思うからだ。イギリス人が自信を持つのは、自分は世界でいちばん整備された国の国民であり、したがって、イギリス人にふさわしく、自分のなすべきことを常に心得ており、イギリス人として自分がすることはすべて、間違いなくいいということを知っているからだ。イタリア人が自信を持つのは、興奮して、すぐに自分自身も、他人も忘れてしまうからだ。ロシア人が自信を持つのは、何も知らず、何も知ろうとせず、なにかを完全に知ることができるなどとは、信じていないからにほかならない。
    ●病気(145頁)
    生きた人間はめいめい自分の特質を持っていて、いつでも自分独自の新しい、複雑な、医学の知らない病気を持っているからだ。
    ●忍耐と時間(366頁)
    むつかしいのは戦争に勝つことだよ。そのためには突撃したり、攻撃したりする必要はない、必要なのは忍耐と時間だ。
    ●気球(383頁)
    その日ピエールは気晴らしに、レピッヒが敵をやっつけるために製作している大気球と、あす飛ばすことになっている試験用の気球を見るために、モスクワ郊外のヴァロンツォーヴォ村に出かけた。
    ●勝つ(437頁)
    戦いに勝つのは、勝つと確信している者だ。
    ●戦争(443頁)
    戦争の目的は殺人じゃないか。戦争の手段はスパイ行為、裏切りや裏切りの奨励、住民の生活破壊、軍の物資調達のための略奪や盗みだ。軍事上の策略と言われる嘘やごまかしだ。軍人階級の気風は自由のないこと、つまり規律、無為、残忍、遊興、飲酒だ。
    人を多く殺したものほど、大きなほうびをもらうんだ
    ●ナポレオンの構想(534頁)
    ヨーロッパはまもなく、一つの民族以外の何ものでもなくなり、すべてのものが、どこを旅行しようとも、常に共通の祖国にいることになったであろう。すべての川は万人の航海しうるものとなり、海は共有のものとなり、膨大な常備軍はこれからのち、単なる君主の親衛隊に縮小されることが要求されたであろう。

    ☆関連図書(既読)
    「光りあるうちに光の中を歩め」トルストイ著・米川正夫訳、岩波文庫、1928.10.10
    「イヴァンの馬鹿」トルストイ著・米川正夫訳、角川文庫、1955.08.05
    「トルストイ『戦争と平和』」川端香男里著、NHK出版、2013.06.01
    「戦争と平和(一)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.01.17
    「戦争と平和(二)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.02.16
    「戦争と平和(三)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.03.16
    「図説ロシアの歴史」栗生沢猛夫著、河出書房新社、2010.05.30
    (2016年4月22日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    不吉な彗星の年。軍務に戻ったアンドレイは父と妹に敵接近を急報するが、退避目前に老公爵は死去、マリアは領地農民の反抗に遭う。戦争の本質を探ろうとピエールはボロジノへ発つ。いまや貴族も農民もなく、全ロシアの危機が始まろうとしていた。

  • ナポレオンが遠征を開始。

  • アンドレイの負傷と、ナポレオンの始めての敗北。ピエールは、どうして戦場に来たのか。

  • 壮大な物語でした
    またいつか読み返したいです

  • レビューは最終巻に。

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