トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 中村 白葉 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 541
レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003261910

感想・レビュー・書評

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  • 安易な道徳的民話と思うことなかれ。
    人生が如何に空漠な物かを悟れば悟るほど、この作品に描かれている人間の高潔さが理解できるようになってくる。

  • 道徳の教科書。日本の宗教観に置き換えて読むこともできるので、とても読みやすい。「お天道様が見ている」「八百万の神」「人を敬う」というなじみの感覚と近いものを感じる。トルストイの作品は恥ずかしながら本書が初めて。他の作品も読みたい。

  • 簡素な文だがしっかりとしたメッセージが込められてる作品。人は生きてく上で大切なことを見失っていく。それは愛や憐み、贈与の精神などである。現代に必要なのは宗教なのかもしれない。それは形式的な意味でなく、精神的な意味で。

  • 「二老人」が一番おもしろかった。エリセイ老が、善行を施した村で、キリストのような伝説的な人物になっているのを、エルサレム観光帰りのエフィーム老が見聞きする場面が秀逸。

  • トルストイ、あまり読んだことのない作家の一人だったので、手始めに軽そうな作品を手に取りました。
    民話集とのことで、当時の農民や市井の人々が主人公ですが、みな信心により救われる、という非常に道徳的というか宗教的な短編集です。
    昔話として読むと面白いかもしれません。

  • 「神さまは、誰の罪だかちゃんとご存知よ。ただ神さませえ忘れなきゃええのだ。わしがこう言うのも、こりゃみんなわしの言葉じゃねぇよ、兄弟たち。もし悪を滅ぼすのに悪をもってしていいものなら、神さまがわしらにそういう掟をお与え下されただが、そうでねぇから、別の仕方が示されてあるだで。お前が悪をもって悪を滅ぼそうとすれば、それはお前に返ってくるだよ。(中略)悪を滅ぼしたつもりでも、そのじつお前は、それよりもっとわるい悪を、自分のうちに引きこむことになるだ」(p.122)

  • トルストイ晩年の短編は民話に題材を取っていますが、なんとも深い奥行きがありますね。表題作のほか、「愛のあるところに神あり」が心に残る。

  • (2016.12.01読了)(2008.11.15購入)(1991.05.25・第63刷)
    副題「トルストイ民話集」

    【目次】
    人はなんで生きるか
    火を粗末にすると‐消せなくなる
    愛のあるところに神あり
    ろうそく
    二老人

    ☆関連図書(既読)
    「光りあるうちに光の中を歩め」トルストイ著・米川正夫訳、岩波文庫、1928.10.10
    「イヴァンの馬鹿」トルストイ著・米川正夫訳、角川文庫、1955.08.05
    「トルストイ『戦争と平和』」川端香男里著、NHK出版、2013.06.01
    「戦争と平和(一)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.01.17
    「戦争と平和(二)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.02.16
    「戦争と平和(三)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.03.16
    「戦争と平和(四)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.05.16
    「戦争と平和(五)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.07.14
    「戦争と平和(六)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.09.15
    (「BOOK」データベースより)amazon
    ここに収められた五つの短篇はトルストイ(1828‐1910)晩年の執筆になるもの。作者はこの時期いちじるしく宗教的・道徳的傾向を深めていた。そして苦悩に満ちた実生活を代価としてあがなったかけがえのない真実が、幾多の民話となって結晶していったのである。これらの作品には、素朴な人間の善意にたいする確かな信頼が息づいている。

  • 表紙に「作者(トルストイ)はこの時期いちじるしく宗教的・道徳的傾向を深めていた」とあるので,ちょっと身構えてしまったが,決して説教臭くなく,5つの短編はそれぞれタイトルがついているのだが,それらの内容は全て1編目のタイトルでもある「人はなんで生きるか」についてである.
    それぞれの話は短く,簡単に読めてしまうのだが,心に染み渡り,繰返し読み返したい.
    最後の「二老人」のエフィームは僕だ.
    読み終わった後に奥付を見て驚愕.「1932年第1刷発行,2015年第94刷発行」って!!

  • 素朴な味わいの5篇の民話は、温かみのある翻訳と見事に調和して、全体で200頁に満たないながらも深い余韻が残ります。

    寒さが厳しい季節になると、表題作のセミョーンとミハイルの出会いの場面を思い出し、つい手に取ってしまう本です。この物語に懐かしさをおぼえるのは、日本昔話の『笠地蔵』と少し似ているせいかもしれません。私は聖書の言葉にはまったく不案内ですが、普遍的なテーマなので読む度に新鮮な感動が湧いてきます。

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著者プロフィール

一八二八年生まれ。一九一〇年没。一九世紀ロシア文学を代表する作家。「戦争と平和」「アンナ=カレーニナ」等の長編小説を発表。道徳的人道主義を説き、日本文学にも武者小路実らを通して多大な影響を与える。

「2004年 『新版 人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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