かもめ (岩波文庫)

著者 :
制作 : 浦 雅春 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 227
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003262214

感想・レビュー・書評

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  • 四幕の戯曲で、さほど厚くない本だが、少しずつ読み進める。一人一人の台詞は短いし、次々登場するので、最初は「えっと、コイツ誰だっけ?」登場人物のページを何度も見直す。

    様々の恋が織りなす人生模様とカバーの裏にあるが、誰もが自分勝手だと思う。
    一番違和感を感じたのは、アルカージナかな。息子を愛しているというけれど、無理解だし、女優なので衣装にお金がかかると、息子にはろくに服を買い与えない。
    登場人物の誰にも感情移入が出来ないけれど、不思議な感触がある。
    そして終幕。正直、息を飲んだ。

    生の舞台を観たくなった。

    「私はカモメ」って女性宇宙飛行士、テレシコワの科白と思っていたけど、元ネタがあったんだ。

  • 震撼する。

    人生において、狂ってしまう人と狂わないでいられる人、というと単純すぎるかもしれないけど、その線が見える気がした。

    それはまた、狂ってしまう人の正常さ、狂わない人の狂気をも感じてしまう。

    薄暗くて、猛烈に太宰が恋しくなった。そう思うと少し笑えた。

    第四幕の、皆でゲームをする場面が怖い。

  • 喜劇だと思っていたが悲劇だった。
    なんか自分のことで精一杯な感じ
    かもめ?ニーナになにか起こるかと思っていた。

  • ロシア上流階級独特の頽廃ってあるよなー

    ニーナの「私はかもめ」があまりピンとこない。
    撃ち落とされた、あのかもめのみを指すのだろうか。

    親と子、男と女という立場の物語って永遠だな

    しかし、初演は酷評、再演は絶賛て
    演出によってそこまで違うって興味深いな。

  • 誰もが現状に満足せず、不満を持って生きている群像劇。
    自由に空を飛べるかもめを夢見ながら、あるいはそうであるはずなのに、撃ち落されて地面に落ちてしまうかもめ。理想と現実のギャップを埋められない。
    2年後、そんなかもめたちは飛ぶことができるようになったのか? 飛ぶことができたのは誰なのか? それを決めるのは周囲の評価でもないし、客観的な現状でもない。ただ自分が自分を生き方を評価するのみなのだ。不幸せに見える人間が幸せであり、幸せに見える人間が不幸せであるのだ。

  • 集英社版の沼野訳と較べながら読んでみた。沼野訳は生きのいい台詞に重点を置いているので、浦訳のほうがやや説明的で、読んでいる分にはわかりやすいところもある。ハムレットの引用部分は、原文からとロシア語訳からでだいぶ印象が違う(原文のほうがどぎつい。でもロシア語訳を採用しているのは沼野訳くらい?)。どこかで指摘されていてなるほどと思ったのは、各幕の最初がマーシャで始まっていること。それから、今回読み直して気づいたけど、最後のところでニーナは2回も「ちょっとした短篇の主題ね…」て言うんだ。トリゴーリンとニーナ、アルカージナとトレープレフがパラレルになっていて、世代の違いなのか、演劇に対する認識の違いなのか、どこまでいってもわかりあえない。訳者によって、「仕合わせ」「幸せ」とあるけど、違いはなんだろう?解説を読んで、アクーニンは「悪人」から来てるってほんまかーい、と思った(笑)。

  • 観劇した帰りに読書。
    序盤だけでも読んでた方が理解が早かったかもしれない。ロシア人の名前は難しい。

  • かもめって、何?

  • 久しぶりの再読。チェーホフの四大戯曲の中では最も完成度が低く、あちこちデコボコしたような印象を覚える作品だが、四作品の中で唯一「青春もの」と呼べる内容であり、チェーホフらしからぬ若々しさに溢れている。後の作品、とりわけ『三人姉妹』の萌芽が随所に見える点も興味深い。この作品でうまく表現しきれなかったモチーフを熟成させて、『三人姉妹』で用いたのだろうか。
    繰り返し読むことで、物語の構造やモチーフの反復など、作劇の技術がよく分かってくる。だが、そこには多くの謎も秘められている。たとえば全ての幕で冒頭にマーシャが出てくるのは面白い趣向だが、何故マーシャでなくてはならないのか?と考えても、答えはよく分からない。それらの謎の中には、作品を解釈するための重要な鍵もあるはずだが、全てが計算され尽くしているわけではなく、単に勢いで書いてしまったのではないかと思える部分も含まれている。やはり『かもめ』は、良くも悪くも、若々しく荒っぽい作品なのだ。昔はその荒っぽさが欠点にしか見えなかったのだが、最近は次第に魅力として感じられるようになってきた。
    浦雅春の訳は、現代的な口語をうまく駆使し、こなれていて読みやすい。全体的なバランスでは、数ある翻訳の中でもベストだろう。ただし文学的な香気に若干欠ける嫌いもあり、その点に関しては堀江新二の訳の方がいい。

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