プラトーノフ作品集 (岩波文庫)

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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003264614

作品紹介・あらすじ

中央アジアの砂漠を放浪する少数民族の運命と、彼らを救おうとする青年の行為とを通して、人間の真の幸福とは何かを問う『ジャン』ほか4篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 代表作の「ジャン」を始め、「粘土砂漠」「三男」「フロー」「帰還」から成る中短編集。好!き!だ!「ジャン」と「粘土砂漠」は、共に中央アジアの寂寞とした世界が舞台。空腹と乾きは決して去る事なく、「選ぶ」という自由も贅沢もなく、死と生の綱渡りを続ける登場人物達の過酷な日々が、シリア難民支援に携わっていた当時の自分が毎日相対していたケースとあまりにも似ていて、感極まって泣いてしまった。人は心を空にしても、何かを注いでも、何かを零しても、生きられるだけ生きる、そんな強烈なメッセージを孕んだ上記二作以外にも、大好きなヒューマニズム溢れる作品ばかりだった。特に「粘土砂漠」と「帰還」が好き。どの作品も、登場する子供達だけが異様で、嫌に大人びているのは、自由や創造性を奪い去った社会主義を暗に批判しているのだろうか。考察の余地が沢山ある作品だけど、額面通りに受け取っても良い。繰り返し読む度に新しい発見がある、オススメの一冊です。

  • プラトーノフの作品は初めてだったが、砂漠に住む少数民族を描いた「タクィル」と「ジャン」が良かった。両方とも、貧困と厳しい環境の中、必死で生きようとする主人公の姿が胸を打つ。
    (2016.2)

  • 社会主義的な構造を換骨奪胎して、個々人の強烈な生が焼きついてくるよう。「ジャン」が特に印象的。

  • 目を閉じて、体内に抱えこんだ死の輪郭をてのひらでなぞるような、独特の肌ざわりを持つ文体。記憶と物、愛と寂しさに対するほとんど身体的な思考。中央アジアの砂漠を舞台にした「粘土砂漠」「ジャン」は時代を感じさせる一、二の設定を除けば無時間的な寓話に近く、市井の人びとの日々を切り取った「三男」「フロー」「帰還」は淡々とした筆致の中に、ひとりひとりの孤独を痛いほどきわだたせる。

  • 「ジャン」しか読んでいないのだけど、忘れられない、ほんとうに忘れられない本。他のどんな表現とも違う読後感があり

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