巨匠とマルガリータ(下) (岩波文庫)

制作 : 水野 忠夫 
  • 岩波書店 (2015年6月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003264836

作品紹介

裸で飛び立つモスクワの夜。アパートではじまる悪魔の大舞踏会。マルガリータの愛に、ユダヤ総督の二千年の苦悩に許しは訪れるのか?「原稿は燃えないものなのです」-忘却の灰から蘇り続ける、ブルガーコフ(一八九一‐一九四〇)の遺作にして最高傑作。

巨匠とマルガリータ(下) (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 下巻でやっとマルガリータのターン!上巻では「巨匠もマルガリータも全然出てこないよ?」と心配になったものでしたが、下巻はまさに巨匠とマルガリータの愛の物語でした。

    悪魔の一味に翻弄されて右往左往する男たちが滑稽だった前半に比べて、マルガリータの言動はとにかく痛快。たとえ悪魔に魂を売り渡しても巨匠を救いたいという彼女の一念がブレないので、全裸で箒に乗って飛び回り、巨匠を陥れた相手に復讐するため大暴走していても清々しい。悪魔ならずとも一目置いちゃいます。マルガリータの小間使いナターシャも迷いがなくて気持ちいい(笑)

    前半の劇場での黒魔術ショー、後半の悪魔の舞踏会など、映像的な盛り上がりも抜群だし、ご主人様と、チビとノッポと猫と美女というチーム悪魔も、ビジュアルわかりやすくてお茶目だし、ホドロフスキーかシュヴァンクマイエルあたりなら映画化してくれても面白いかもなんて思ってしまった。テリー・ギリアムでも可。反面、やたらと燃え落ちる家屋、水のイメージ、そしてピラトゥスに寄り添って2千年一緒に待ってた健気な愛犬の様子などは妙にタルコフスキー的な印象も受けました。

    とにかく読んでいるあいだずっと夢中で楽しかった。みんなが幸せになれたわけじゃないけれど、ハッピーエンドだと思えたし。いつかイワンのことも、誰か迎えに行ってあげてほしい。

    岩波文庫版は表紙絵が「ブルガーコフが住んでいたモスクワ・サドーワヤ大通り10番地のアパート、50号室に到る壁面にあったファンの落書き」だそうで、これが素敵。ブルガーコフ、ほんとに「50号室」に住んでたんですね(笑)

  • 巨匠とマルガリータ本人たち、ピラトゥスとヨシュア、悪魔チーム(黒猫…!)ここに着地したか。そして満月の夜にあくがれ出づるイワンで幕を引く。これを長年書き続けたブルガーコフはやはり「うさぎの穴に放り込んだ」訳ではなかった。
    再度言う、「こんなに読書の愉楽に満ちた作品だったとは。」

  • 悪魔たちが奇妙な魔術で旧ソ連のモスクワを混沌に陥れる物語。
    第2部では、巨匠の恋人・マルガリータが登場します。
    自由自在にモスクワの街中を飛び回る魔女、かつての罪人たちが集う悪魔の舞踏会…。巨匠とマルガリータは、悪魔の力を借りて世俗の不安を超越した自由を手に入れます。
    たしかに抑圧的な社会に遠慮せず、本能のままに行動した彼らにこそその安楽は相応しいのかも。
    壮大な冗談めいた現代とは対照的に、終始陰鬱な雰囲気の漂うエルサレムの物語が印象的。総督ピラトゥスを動かした、最大の罪、"臆病"こそ、キリストを処刑し、いまだに人類の歴史を動かしている原動力なのでしょう。

  • おいおい、そんな方向に着地するのかよ。
    30章の最後なんかすごくいい。

  • 単行本で既読。

  • 下巻。
    ブルガーコフは短編も面白いが、どれが一番好きかと言われると、矢張り本作かなぁ、と思う。
    それにしても、あの時代によくここまで奇想天外な想像力を働かせたものだ……。

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