夢のなかの夢 (岩波文庫)

制作 : 和田 忠彦 
  • 岩波書店 (2013年9月19日発売)
3.93
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  • 21レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003270615

作品紹介

オウィディウス、ラブレー、カラヴァッジョ、ゴヤ、ランボー、スティーヴンソン、ペソアなど、過去の巨匠が見たかもしれない夢を、現代作家タブッキ(一九四三‐二〇一二)が夢想し描く二十の短篇。夢と夢が呼び交わし、二重写しの不思議な映像を作りだす、幻想の極北。

夢のなかの夢 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 自分の好きな芸術家たち(詩人・作家・画家・音楽家など)が見た夢、というテーマで書かれた20の掌編集。20人分の夢が詰まっています。最初のダイダロス以外の19人は実在の人物。

    夢のお話なので基本的に不条理だったり不可思議だったりするのだけれど、その人物についてある程度知っていれば、なるほど、と思ってニヤリとできる部分もあるし、知らない人物であっても単純にその夢の内容を楽しめるので、とにかく全部面白かったです。巻末にタブッキ自身による「この書物のなかで夢見る人びと」という人物紹介がついているので、いちいちWikiで調べる必要もなく(笑)親切。

    夢のパターンとしては、自分の作品の登場人物と出逢ったり、あるいは創作のきっかけとなる啓示のようなものであったり、過去の断片のようなもの、未来(死に方)を予知したようなもの、とさまざま。

    ギリシャ神話のダイダロスはラビリンスでミノタウロスと出会いイカロスの翼を与え、「変身譚」のオウィディウスは自身が蝶に変身、 ラブレーはパンタグリュエルと食事をし、「黄金のろば」のアプレイオスは驢馬にされた友人の魔法を解き、「ピノキオ」のコッローディは鮫に船ごと飲み込まれ、カラヴァッジョはキリストと邂逅する。チェーホフはすごく良い人で、タブッキがとても敬愛していたことがこの短編からもわかります。反対に、ラストを飾るフロイトの夢は、ものすごく皮肉。

    表紙絵のシャヴァンヌ「夢」も美しくて良いですね。お気に入りの1冊になりました。

    ※登場する芸術家たち
    ダイダロス/オウィディウス/アプレイウス/チェッコ・アンジョリエーリ/ヴィヨン/ラブレー/カラヴァッジョ/ゴヤ/コウルリッジ/ジャコモ・レオパルディ/コッローディ/スティーヴンソン/ランボー/チェーホフ/ドビュッシー/ロートレック/フェルナンド・ペソア/マヤコフスキー/ロルカ/フロイト

  • 過去の巨匠が見たかもしれない夢。
    最初の何人分かは夢の形をとった幻想譚だと思って読んでいたところ、コウルリッジあたりで「あ、これは作品に影響を与えた夢なのか!」とピンときてしまったら(老水夫行、好き)、もう本当に彼らが見た夢のような気がしてしまって仕方が無い。
    ピノッキオも宝島も、多分こんな夢から出来たんだよ、きっと。
    個人的にはペソアとフロイトが面白かった。

  • 祝文庫化

    岩波書店のPR
    「現代イタリア文学の鬼才タブッキ(1943―2012)が、敬愛する芸術家たちの夢を夢想する――。ラブレーはパンタグリュエルと食事をし、ゴヤは自ら描いた絵の中を次つぎと通り抜け、スティヴンスン少年は、将来自分が書く小説を山の頂で発見する。夢と夢が呼び交わし、二重写しの不思議な映像を作りだす、幻想の極北。1992年刊。 」

    青土社のPR(単行本)
    「冥界からの声
    オウィディウスからフロイトまで、「芸術家」 たちの失われた夢が、肉体をそなえ、息づき始めた。この夢は、誰がみた夢なのか――。現代イタリア文学の鬼才タブッキが夢を愛するすべての人に贈る、小さな夢の標本箱(コスモグラフィア・ファンタスティカ)。」

  • 本屋でふらふらしている時に思わず手に取った本。

    まともに知識があるのがゴヤ、後は名前をちょろっと聞いたことがあるorブクログに作品だけ登録したor全く知らない人々ばかりで、少々悔しい思いをした。が。一つひとつの夢が魅力的で、次に本屋に行くのが非常に楽しみだ。

    <なにかの象徴としてではなく「存在する」夢>

    夢文学についてもっと色々読んでもっと色々考えたい欲が強くなりました。

  • タブッキ初心者にオススメ。と同時に、訳者の和田さんが言うように、これはタブッキによる物書きの批評だから、ベテラン読者にもオススメ。シャヴァンヌの表紙も相まって優しく、淡い。ちなみに和田さんがあとがきで「『精神分析入門』は精巧な小説としても読める」とあったのが気になって、いまさらフロイトに手を出してみた。

  • 最近の流行、イタリア人作家、タブッキ。実在する人物が見ていたかも知れない夢の世界。

  • イタリア幻想文学に興味を持つ切っ掛けとなった一冊。オマージュされている人物を知っていればより楽しめるだろうが、『夢十夜』として読んでも面白い。空気のように軽やかで捉えどころがなく、けれど胸に確かな存在感を残して行く作品群はまさに夢物語といった読み味。
    個人的に好きだったのはオウィディウス、カラヴァッジョ、ランボーなどのエピソード。また唯一の完全なる創作であるダイダロスのエピソードには神話的な雰囲気があり、静謐で美しい。

  • アマゾンのギフト券をいただいたので
    これを注文してみました。
    ギフト券、使い切りました。
    感謝します。
    (2015年01月16日)

    届きました。
    (2015年01月16日)

    京都から東京に戻る新幹線の中で
    読み終えました。
    (2015年03月29日)

  • 2014 5/16読了。Amazonで購入。
    司書課程の学生さんが薦められていたので買ってみた短編。
    タブツキが、過去の実在の人物(一部は架空の人物)たちが見たかも知れない夢を想像して書いていく。
    知らない人物も多いけれど、知っている人もいて、やはり知っている人が面白いけれど、そういうの関係なく不思議な雰囲気がある。
    毎晩、寝る前に一編ずつ読んだりしたい。

  • 夢を視ている時、人の想念はどこか異空間にあって(それは月や怪物の腹の中など、夏の風景がまるごと入ってしまう広さだったりする)、人ならぬ存在を生んでいるのかもしれない。或は眠りは小舟で漂う様で、気づくと見た事もない植物の繁る小島へと辿り着く。そこには朽ちた迷宮があり、扉ごとに時空を超えた夢を内包しているようで、夢の終点を探して扉を開け進むと、ふと何もかもが霧散し、もう一人の自分がこちらを見つめていて、私は私の生んだ夢だったのだと、気づく時が来るのかもしれない。そんな心地を味わった。

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