イタリア民話集 上 (岩波文庫 赤 709-1)

制作 : 河島 英昭 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003270912

感想・レビュー・書評

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  • 岩波書店のPR文から「『グリム童話集』に匹敵する民話集をという熱意から、カルヴィーノは他の作家活動の一切をなげうち、膨大な資料をあさり異校をつき合せて、イタリア全土か ら典型的な民話二百篇を選んで世に問うた。本文庫には、その中より、七五篇をえりすぐって収める。(上=北イタリア編、下=南イタリア編)。上巻末にカル ヴィーノの民話論を付す。」
    カルヴィーノの生真面目さがよく判ります。。。

    • 雨森紫陽子さん
      いつもコメントありがとうございます!この本、次に本屋さんへ行く時に捜してみようと思います。
      2013/09/12
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      民話集を読まれましたら、「見えない都市」「宿命の交わる城」(共に河出文庫)も是非どうぞ、、、
      2013/09/17
  • 上巻は北イタリアの民話。巻末にカルヴィーノ自身の注釈と「民話を求める旅」収録。

    「水蛇」がシンデレラ的な要素のある話なのだけれど、意地悪な二人の姉が、妹と王子の結婚を阻止するために妹の目玉をくりぬき両腕を切り落とすというのが残酷すぎて怖い(涙目)まんまと妹になりすました姉は王子と結婚、妊娠、しかし水蛇の助けで主人公は目玉と腕を取り戻し、姉たちは蠍を産んだうえに火あぶりにという報復もまた恐ろしい。

    「カナリア王子」はラプンツェル的な、継母に塔に閉じ込められたお姫様の話。「鸚鵡」といい、イタリアでは王子様は鳥に変身しがちなのかしら?(笑)一方で「蟹の王子さま」は蟹の殻の中に閉じ込められた王子様の話で、こちらなかなか波乱万丈、蟹というのも含め斬新。

    「まっぷたつの男の子」は母親が妊娠中に魔女のパセリ畑を食い荒らしたために生まれた子供の半分を7歳で魔女に奪われてしまう。カルヴィーノ自身の『まっぷたつの子爵』を思い出すタイトルだけれど、この民話のほうでは家に残った半分が鰻の魔法で立身出世して完全体になり王女と結婚、幸福になるのみで、魔女に奪われた半分のほうがどうなったのかは描かれない。合体できたのならいいけど、そうじゃなかったら可哀想。

    「プレッツェモリーナ」も母親が妊娠中に魔女のパセリ畑を食い荒らして子供を魔女に取られるパターンだったけど、イタリアでは妊婦さんはパセリ食べたくなるものなのかしら?(笑)それとも単にそこから派生した物語のバリエーションが豊富なのかな。

    「花薄荷の鉢」はスペインの民話にも似た話があったっけ。ふつうに一目惚れでくっつけばいいだけの男女が何故か悪戯から罵り合い攻撃しあい酷い目に合わせあう謎展開。殺されかかったのにハッピーエンドでいいんかい!っていう(笑)

    「塩みたいに好き」はリア王などに見られる三人娘の末っ子が一番良い子なのに父王が誤解から彼女を追いだすパターン。「籠のなかの王さま」「地獄に堕ちた女王の館」も三人姉妹末っ子最強説だけれど、とくに「地獄に堕ちた女王の館」のほうは姉二人が妹怖すぎて逆らえなくなってるのがなんか普通じゃあなかった。そもそも女王に彼女たちが協力させられる理由が、理不尽な魔法を解くためとかじゃなくて、自分を捨てた男に復讐したくて死にきれないから協力してってのも斬新だった。

    「七頭の竜」「眠れる女王」ともに、三人息子が順番に旅立ち三人目だけが成功するという民話お約束のパターンだけど、どちらも波乱万丈で面白い。「七頭の竜」のほうは、いろんな話が複合している感じで、三つ子のエピソード等に既視感があったので注釈をみたら、映画でしか見ていないけれど『ペンタメローネ(五日物語)』にやはり類似の話がありました。「魔女の首」はわかりやすくギリシャ神話のペルセウス。

    ※上巻収録
    恐いものなしのジョヴァンニン/緑の藻の男/何ごとも金しだい/水蛇/鸚鵡/クリックとクロック/カナリア王子/強情者だよ、ビエッラの人は/花薄荷の鉢/星占いの農夫/聖ジュゼッペの信者/蟹の王子さま/まっぷたつの男の子/満ち足りた男のシャツ/怠けの技/ベッラ・フロンテ/無花果を食べあきなかった王女/傀儡のタバニーノ/塩みたいに好き/七頭の竜/眠れる女王/ミラーノ商人の息子/魔法の宮殿/フィレンツェの男/弾む小人/乳しぼりの女王/カンブリアーノの物語/魔女の首/林檎娘/プレッツェモリーナ/籠のなかの王さま/地獄に堕ちた女王の館/十四郎

  • とても面白かったです。
    やっぱり民話や昔話は大好きです。
    イタリア語が読めれば…もっと雰囲気…方言も含め…が味わえるのかなぁ。

    「イタリア民話集上」にはカルヴィーノが集めた民話についての、彼自身の様々な考えが「民話を求める旅」として書かれていて、これもとても興味深かったです。

    カルヴィーノさんと言えば、福音館の「カナリア王子」は幼い頃のお気に入りの本の1つでした。
    幼い頃抱いていたイタリアの民話へのイメージは、安野光雅さんが描かれた、「カナリア王子」の挿絵の印象が大きかった事も知りました。

  • 「グリム童話集」に匹敵するような民話集を作ろう、ということから、あのイタロ・カルヴィーノがイタリア全土から民話を集め、二百編からなる民話集を編纂した。
     ただ集めただけではなく、イタロ自身が若干手を加えたり、各地に散らばっていた似たような話を一つの話に統合したりしている。
     岩波から出版されている本書はこの二百編の中から上下二巻七十五編を収録している。
     上巻、つまり本書は北イタリア、下巻は南イタリアという切り分けがされている。
     こういった付加情報はさておき、内容の方だが、面白いものもあれば、「ん?」ってものもある。
     そしてなによりも展開が異常に速い。
    「聊斎志異」を読んだ時も、その異常なテンポの速さに驚いたのだが、このイタリア民話集の方がスピードは上回っているような気がする。
     とにかく物語があっという間に展開するのだ。
     思うに昔の作品や民話などはこういった展開の速さが特徴の一つなのかも知れない。
     それにしても速い……。
     そして、簡単に人が死ぬ……。
     親でも兄弟でも恋人でもお世話になった人でも主人公の、というよりも物語の展開上必要であれば簡単に死んでいくのだ……時々簡単に蘇るけど。
     これもきっと民話ならではの特徴なのかもしれない。
     それにしても……義理も人情もない話が多く、そういう意味での面白さも味わえた。
     下巻を今読んでいるが、上巻以上に義理人情に薄い(あるいは皆無)な話が多いように思う。
     まぁ、日本の民話だって突き詰めていけば、結構残酷だし、血も涙もない話も多いけれど、それにしてもイタリアの民話は……ってのが一番強く感じた感想かも知れない。

  • 「こわいものなしのジョヴァンニン」という民話が大好きで、小さい頃はよく読んでもらっていた。が、今読み返してみると、結構恐ろしい話で、何ものも恐れぬ主人公が自分の影に怯えて死ぬところは、何だか意味深。

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