むずかしい愛 (岩波文庫)

制作 : 和田 忠彦 
  • 岩波書店 (1995年4月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003270936

むずかしい愛 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2014年4月の課題本です。
    http://www.nekomachi-club.com/schedule/124

  • 2008年12月19日~19日。
     面白い。
     薄い本でもあるので、一気に読み終えてしまった。
     彼の作品によく登場する自意識過剰な人物も健在。
     一見、何でもないような日常も、物の見方一つでこうも変わってしまうのか、といった感じ。
    「ある読者の冒険」や「ある近視男の冒険」には、思わず大笑いしてしまうようなテイストもある。
     そして最後にはホロリとするか、暖かい気持ちになるか、深く考え込んでしまう。
    「ある夫婦の冒険」なんて、凄くいい気持ちにさせてくれる。
     宇宙規模のホラもいいけど(「むずかしい愛」はちょうど転換期の作品に当たるようである)今まで読んだ彼の作品の中では今のところ最高に面白かった。

  • 『むずかしい愛』は、現代人の日常生活の中でのさまざまな“すれちがい”のおかしさを集めた、ユーモアとエスプリに満ちた短篇集である。活字中毒者が繰り広げる微笑ましい恋愛光景を描いた「ある読者の冒険」、写真マニアの秘かな願望を探る「ある写真家の冒険」他、全12篇を収録。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

  • ほんの小さな変化だが、主人公にとって決定的な変化になるのだろう、と予想させるような「冒険」が描かれる。その変化は、例えば一夜のアバンチュールという実際の行為によって引き起こされたものではなく、その行動によって起こった、自分の感情に対する気付きによって起こる。
    (2015.7)

  • イタリア人作家ブームなのでカルヴィーノを。○○の冒険小説。

  • 猫町課題図書読了。カルビーノは大学時代に好きだった作家だが、この『むずかしい愛』は初読。

    解説にある通り、オリジナルの "Gli Amori Difficili" からの追加・削除を伴うバージョンなので、統一したテーマが読み取り難くなっているのだが、一つ上げるとすれば「不在の愛」だろう。相手の気持ちが読み切れない兵士、自分をいやらしい目で見る、しかし存在しない男達に怯える夫人、最後まで登場しない恋人のために旅をする男、読書の世界から出てこないままアバンチュールを楽しむ男、メガネをかけた世界とかけない世界ですれ違う存在、昼と夜とですれ違う夫婦、「行為」が存在しない不倫を経験する妻、愛を伝える言葉を失う詩人などなど。ところどころに語りの魔術師らしい描写が見られる(たとえば、言葉を取り戻した詩人の描写は圧巻)が、全体的には凡庸。やっぱりカルヴィーノは寓話的長編の方が面白いな。

    一番のお気に入りは、まさに冒険と呼ぶに相応しい、初めての朝帰りと不倫の実感を描いた「ある妻の冒険」。ついで、電車の中で一夜を過ごす男の描写が楽しい「ある旅行者の冒険」、男ならばみな経験のある一線の描写が的確過ぎる「ある兵士の冒険」か。

  • 12篇の連作短篇から成る物語。いずれもが「〇〇の冒険」といったタイトルで、いわばカルヴィーノによる「日常生活の冒険」といったところ。もっとも、冒険とはいっても、日常の延長の中にあって逸脱までも行かないのだが。カルヴィーノは、ここで様々な属性に人物を配してみることで、小説世界を構成する実験的な試みをしてみたのだと思われる。バッハが、『平均律クラヴィア曲集』で、様々な調性の曲を試みたように。本書の12篇という数も、あるいは「平均律」の24曲を意識したのかもしれない。なお、タイトルの「愛」は、行方知れずだ。

  • 男と女が互いに「愛している」と言うとき、それは同じ意味なのであろうか。

    カルヴィーノのこの短編集では、男と女の分かりあえなさが美しく描かれている。彼は愛を語る唯一の手段を愛の不在を語ることだと考えているのだろう。

    一人で生きる現在は二重性があり、それは一方で行動に、他方では存在する過去それ自体のなかに分岐して潜在性の領域を作る。誰かといっしょになるというのは現在が四重になるということではないか。そうして互いの分かりあえなさを認めなければならないのだ。

    アベ・プレヴォによる『マノン・レスコー』の第二部では「恋よ、恋よ、お前は永久に知恵とは融和しないのだろうか」という一文がある。恋は人を馬鹿にする。カルヴィーノのこの短編集の登場人物たちのほとんどはそれに気づいている。だからこそ、愛へのためらいがあるのではないだろうか。

  • 世にも奇妙な物語とかで使って欲しいお話集。

  • 本との出会い、それは多様である。長編小説を読み終わった僕は
    短編集で、内容の軽い本を求めて図書館に足を運んだ。
    そして岩波文庫の海外作品を探していて見つけたのが、この本であった。

    正直、カルヴィーノという作家すら知らなかった。
    タイトルにある「むずかしい愛」という題名に惹かれて、
    またちょっと本の中でアバンチュールな疑似恋愛をしたいと思い、
    この本を手に取った。

    簡単にまとめると、12編ある。1編ずつそれぞれ兵士、詩人、
    会社員、人妻などの視点でみた物語である。

    恋愛をしていくうえで一番難しいのがコミュニケーションだ。
    僕はつい口癖のようにいってしまう言葉、「女性は本当にわからない」と。
    でもこれって要はコミュニケーションがとれていないということを
    最近認識できた(これがわかるまでにどれだけ時間を費やしてんねん)。

    彼女が求めている、彼女が好んでいるものがなんなのか、
    それが理解できていない。ストレートに例えば「甘いもの(お菓子)って好き?」と
    言っても、大概彼女は好きよと答えるのは明白だ。
    で実際にスイーツをプレゼントしてもあまり喜ばれない。なんで?

    それを少し変えてみて、チョコレートと和菓子どっちが好き?に変えてみるとどうだ?
    そうすると彼女は選択しなければならない。
    そして彼女は答える、和菓子の方が好き。
    そうすれば、それをプレゼントすれば喜ばれる。

    本の中では、例えば「ある読者の冒険」という章で、
    人気(ひとけ)の少ない海に読書をしに行ったある男が、
    その近くに裸で日光浴をしている女性に気づき、
    そんな彼女とアバンチュールな一夜を過ごしたいと勝手に妄想し、
    そこから彼女と会話ができるチャンスをつかむのだが、
    なぜか彼女が彼と話をしたい素振りを見せているのに、
    彼は読書に夢中になり、1章を読んでは彼女としゃべりを繰り返す。
    彼女が最後に一緒に泳ぎましょうと誘っているのに、
    あと何ページ残っているのかとそっちの方に気になって物語は終わっている

    カルヴィーノは愛を語る上で、コミュニケーションの難しさを語っている。
    しかもそれは困難ではなく不可能とまで考えている(解説p220)。
    愛を語るのは愛とは不在を語ることしかないと言い切っている。

    だとしたら、愛なんて存在しないのではないか?
    もう軽く読むつもりが、またしても混乱させられる羽目になってしまった。
    理性で考える癖を早くやめねばならないけど、
    哲学を読むのが僕の重点活動になってしまっている。
    僕は永遠に人を愛することはできないのかなぁ(苦笑)

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