むずかしい愛 (岩波文庫)

制作 : 和田 忠彦 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 297
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003270936

感想・レビュー・書評

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  • 2014年4月の課題本です。
    http://www.nekomachi-club.com/schedule/124

  • 日常を抜けてひとときだけ通過する非日常の話。大きな事件は起こらずもアバンチュールはたぶん折に触れて思い出すのか

  • 2008年12月19日~19日。
     面白い。
     薄い本でもあるので、一気に読み終えてしまった。
     彼の作品によく登場する自意識過剰な人物も健在。
     一見、何でもないような日常も、物の見方一つでこうも変わってしまうのか、といった感じ。
    「ある読者の冒険」や「ある近視男の冒険」には、思わず大笑いしてしまうようなテイストもある。
     そして最後にはホロリとするか、暖かい気持ちになるか、深く考え込んでしまう。
    「ある夫婦の冒険」なんて、凄くいい気持ちにさせてくれる。
     宇宙規模のホラもいいけど(「むずかしい愛」はちょうど転換期の作品に当たるようである)今まで読んだ彼の作品の中では今のところ最高に面白かった。

  • 『むずかしい愛』は、現代人の日常生活の中でのさまざまな“すれちがい”のおかしさを集めた、ユーモアとエスプリに満ちた短篇集である。活字中毒者が繰り広げる微笑ましい恋愛光景を描いた「ある読者の冒険」、写真マニアの秘かな願望を探る「ある写真家の冒険」他、全12篇を収録。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

  • ほんの小さな変化だが、主人公にとって決定的な変化になるのだろう、と予想させるような「冒険」が描かれる。その変化は、例えば一夜のアバンチュールという実際の行為によって引き起こされたものではなく、その行動によって起こった、自分の感情に対する気付きによって起こる。
    (2015.7)

  • イタリア人作家ブームなのでカルヴィーノを。○○の冒険小説。

  • 猫町課題図書読了。カルビーノは大学時代に好きだった作家だが、この『むずかしい愛』は初読。

    解説にある通り、オリジナルの "Gli Amori Difficili" からの追加・削除を伴うバージョンなので、統一したテーマが読み取り難くなっているのだが、一つ上げるとすれば「不在の愛」だろう。相手の気持ちが読み切れない兵士、自分をいやらしい目で見る、しかし存在しない男達に怯える夫人、最後まで登場しない恋人のために旅をする男、読書の世界から出てこないままアバンチュールを楽しむ男、メガネをかけた世界とかけない世界ですれ違う存在、昼と夜とですれ違う夫婦、「行為」が存在しない不倫を経験する妻、愛を伝える言葉を失う詩人などなど。ところどころに語りの魔術師らしい描写が見られる(たとえば、言葉を取り戻した詩人の描写は圧巻)が、全体的には凡庸。やっぱりカルヴィーノは寓話的長編の方が面白いな。

    一番のお気に入りは、まさに冒険と呼ぶに相応しい、初めての朝帰りと不倫の実感を描いた「ある妻の冒険」。ついで、電車の中で一夜を過ごす男の描写が楽しい「ある旅行者の冒険」、男ならばみな経験のある一線の描写が的確過ぎる「ある兵士の冒険」か。

  • 12篇の連作短篇から成る物語。いずれもが「〇〇の冒険」といったタイトルで、いわばカルヴィーノによる「日常生活の冒険」といったところ。もっとも、冒険とはいっても、日常の延長の中にあって逸脱までも行かないのだが。カルヴィーノは、ここで様々な属性に人物を配してみることで、小説世界を構成する実験的な試みをしてみたのだと思われる。バッハが、『平均律クラヴィア曲集』で、様々な調性の曲を試みたように。本書の12篇という数も、あるいは「平均律」の24曲を意識したのかもしれない。なお、タイトルの「愛」は、行方知れずだ。

  • 男と女が互いに「愛している」と言うとき、それは同じ意味なのであろうか。

    カルヴィーノのこの短編集では、男と女の分かりあえなさが美しく描かれている。彼は愛を語る唯一の手段を愛の不在を語ることだと考えているのだろう。

    一人で生きる現在は二重性があり、それは一方で行動に、他方では存在する過去それ自体のなかに分岐して潜在性の領域を作る。誰かといっしょになるというのは現在が四重になるということではないか。そうして互いの分かりあえなさを認めなければならないのだ。

    アベ・プレヴォによる『マノン・レスコー』の第二部では「恋よ、恋よ、お前は永久に知恵とは融和しないのだろうか」という一文がある。恋は人を馬鹿にする。カルヴィーノのこの短編集の登場人物たちのほとんどはそれに気づいている。だからこそ、愛へのためらいがあるのではないだろうか。

  • 世にも奇妙な物語とかで使って欲しいお話集。

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