パロマー (岩波文庫 赤 709-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003270943

感想・レビュー・書評

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  • 自然科学的な物事の観察が、だんだん哲学的な範囲に及んでくる。カルヴィーノ自身もきっとそういう性質だったんじゃないかと思うが、こういう人は一定数居るだろう。でも主人公も言うように、結局自分に帰結する以上、見方にも限度がある訳で、あまり内向的になりすぎず他者との関わりを持たないといけない。自戒も込めて。
    最後の章で日本庭園が出てきたのには少しびっくりしました。

  • 世界音痴でギクシャクと生きているパロマーさん。初めは微笑ましく読んでいたのだけれど、次第に痛々しく感じられてきて辛くなってしまった。ひたすらに世界を見つめ続けることしかできなくなった彼は、いったいどんな経験をしてしまったんだろう。

    何かを見るのは何らかの形でそれを手に入れたいから。でもパロマーさんは見るだけで、それ以上は自分に禁じているようだ。家族も友達もいるのに、何の音もしない深海に座っているような孤独さ。悲しい気持ちになった。

  • 何年も前から読もうと思って、買ったものの積んでた本。マルコヴァルドさんの本(児童書)と似た雰囲気。

  • 原書名I:Palomar(Calvino, Italo, 1923-1985)

    著者:イタロ・カルヴィーノ(1923-1985)
    訳者:和田忠彦(1952-)

  • 海が見たくなる。波を目で追いながら、パロマー氏のように抽象的世界に遊んでみたい(できないだろうけど)。

  • 2008年11月19日~20日。
     小説なのかエッセイなのか哲学書なのか、ただの自意識過剰人間のつぶやきなのか。
     なんだかんだいっても面白い。

  • 中年男性、職業不詳、家族は妻と娘一人、パリとローマにアパートを所有―これがパロマー氏だ。彼は世界にじっと目を疑らす。浜辺で、テラスで、沈黙のなかで―。「ひとりの男が一歩一歩、知恵に到達しようと歩みはじめる。まだたどりついてはいない。」三種の主題領域が交錯し重層して響きあう、不連続な連作小説27篇。

  • 【本の内容】
    中年男性、職業不詳、家族は妻と娘一人、パリとローマにアパートを所有―これがパロマー氏だ。

    彼は世界にじっと目を凝らす。

    浜辺で、テラスで、沈黙のなかで―。
    「ひとりの男が一歩一歩、知恵に到達しようと歩みはじめる。

    まだたどりついてはいない。

    」三種の主題領域が交錯し重層して響きあう、不連続な連作小説27篇。

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 円城塔とヴァージニア・ウルフが悪魔合体したらパロマー氏が生まれたよ。(イメージ)

  • カルヴィーノ最後の作品集。
    ユニークな構成になっていて、『各部・章・節の同一数字ごとに横に読む』ことも可能。
    巻末の解説によると続編が構想段階にあったようだが、結局、書かれずに終わった。続編の主人公はパロマー氏とは正反対の、ちょうど対になるような人物だったようだ。

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