カルヴィーノ アメリカ講義――新たな千年紀のための六つのメモ (岩波文庫)

制作 : 米川 良夫  和田 忠彦 
  • 岩波書店
3.78
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本棚登録 : 138
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003270950

作品紹介・あらすじ

これからの文学に必要なもの-それは「軽さ」「速さ」「正確さ」「視覚性」「多様性」…である。神話や古今の名著名作を考察の対象に収めながら、自らが作家として目指してきたところを示しつつ、紀元三千年にいたるまでの長大な未来を視野に入れて、疲弊した現代文学を甦らせる処方を語るカルヴィーノ(1923‐85)の遺著。ハーヴァード大学ノートン詩学講義(1985‐86)のために準備された草稿。

感想・レビュー・書評

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  • カルヴィーノが晩年にアメリカで行った講義ノート.講義自体は6回であったが,本人が文章としてまとめることができたのは5回分であった.6回のテーマはそれぞれ,軽さ,速さ,正確さ,視覚性,多様性,一貫性であった.どれもカルヴィーノ作品のキーワードと言えるだろう.これは,その逆となる言葉を常に意識していたことも意味している. 39ページでカルヴィーノはこう書いている.

    "重さを備えた言葉を味わうことができなければ,言葉の軽やかさを味わうこともできないでしょう"

    カルヴィーノはいろいろな文学作品を例に挙げながら,彼の文学論を展開している.そこから浮かび上がってくるのは,他者を認めながら自分を形作っていくことの重要性ではないだろうか?重さ,鈍重,…etc. を認め,それとは逆向きにあった自分が向かうべき道を築くために,何を考えてきたのかを説明しているように私には思えた.

  • 4/20 読了。
    読んでよかった。言葉を研ぎ澄まして物語を語るとはどういうことなのかを、よりによってカルヴィーノが講義してくれる贅沢。文章自体も美しいし、古今の書物の引用と全体の構成の分かち難いバランスも美しい。言葉に生涯を注ぎ込んだ人じゃなきゃ言えないことがたくさんあって、感動してしまった。

  • カルヴィーノから未来へ向けられた、文学についての6つの提言。
    その中でも注目すべきは「軽さ」。
    あゝ、なんともカルヴィーノ的!
    他の文学者、学者なら同じことを言うだろうか。

    純文学でございと重々しく後代にのしかかっていては、文学は途絶えてしまうだろう。
    文◯春◯や☓原☓太郎氏に、利権を死守するべく選挙に立候補する方々にぜひ手向けるたい言葉である。

  • 象徴を解釈しながら、クンデラ、カフカをはじめ現代文学が読み解かれる。人類学的な視点にまで踏み込まれていて示唆に富むが、論の運びは全く論理的ではない点、好き嫌いはわかれると思う。ただしイラっとするのはそのことではなく、「現代イタリアの哲学者」とか「イタリアの国民的作家」などと評される人物に共通の傾向なのか…、典拠のソースを見てもこのヨーロッパ人がヨーロッパ人としてヨーロッパ偏重なのは相変わらずで、本書が「世界」文学の新たな千年紀を眺望するなどと豪語するのが片腹痛い点。

  • ぼくは、レトリックに満ちた文章に弱い。ボルヘスもそうだが、カルダーノもそうだ。この講義を聴けた人は幸せだったと思いたくなる。早くに亡くなられたことが悔やまれる。

  • 朝日新聞社から出ていた「カルヴィーノの文学講義―新たな千年紀のための六つのメモ」の文庫化。

  • 2012/1/2購入

  • 「始まりと終わり」が補遺として加えられただけなのですが、あえて購入。アメリカ講義1~5も丁寧に読み返してみましたが、理解及ばない箇所もちらほら・・・。ハーヴァード大学の学生向きw

  • 岩波文庫:赤 080/I
    資料ID 2011200063

  • 新聞広告より

    《新たな千年紀のための六つのメモ》

    《疲弊した現代文学を甦らせるための処方箋.》

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著者プロフィール

1923年キューバ生まれ。両親とともにイタリアに戻り、トリノ大学農学部に入学。43年、反ファシズム運動に参加、パルチザンとなる。47年、その体験を元に長篇『くもの巣の小道』を発表、ネオ・リアリズモ文学の傑作と称される。その前後から雑誌・機関誌に短篇を執筆し、49年短篇集『最後に鴉がやってくる』を刊行。エイナウディ社で編集に携わりつつ作品を発表、一作ごとに主題と方法を変えながら現代イタリア文学の最前線に立ち続ける。主な長篇に『まっぷたつの子爵』(52年)『木のぼり男爵』(57年)『不在の騎士』(59年)『見えない都市』(72年)『冬の夜ひとりの旅人が』(79年)などがある。85年没。

「2018年 『最後に鴉がやってくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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