バウドリーノ(上) (岩波文庫)

制作 : 堤 康徳 
  • 岩波書店
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  • レビュー :3
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003271827

作品紹介・あらすじ

時は中世、十字軍の時代-。神聖ローマ皇帝フリードリヒ・バルバロッサに気に入られて養子となった農民の子バウドリーノが語りだす数奇な生涯とは…。言語の才に恵まれ、語る嘘がことごとく真実となってしまうバウドリーノの、西洋と東洋をまたにかけた大冒険がはじまる。

感想・レビュー・書評

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  • ウンベルト・エーコは『薔薇の名前』くらいは読みたいなあと思いながらはやウン十年。だって何故かあれ文庫化しないのですもの。と思っていたらこちらが本屋に並んでいたので初エーコに挑戦。岩浪文庫なのに赤いカバーに背表紙が黒くて何事かと思ったら二重カバーになっていてビックリ。この赤いのはがすといつもの岩波文庫が出てきます。でも赤いのが可愛いし、おそらくストーリーの中に出てくるものにちなんだ絵画がちりばめてあるので読み解くのも楽しい。

    最初のうちは時代背景の把握にちょっと手間取りました。12世紀のイタリア、貧しい農民の息子バウドリーノは、その天性の語学的才能と虚言というにはあまりにも想像力豊かな虚構創作能力を気に入られ、神聖ローマ帝国のフリードリヒ1世の養子となる。(といっても正式な後継者という意味ではなくお気に入りの側近くらいのポジション)十字軍の遠征、都市国家同志の対立、ローマ教皇との駆け引きなど、上巻はとにかく政治、戦争のエピソードが多いので、世界史があまり得意でない私は若干つまづきかけましたが、そこで手こずってると先へ進めないので、とりあえず何処と誰が戦争してるとか、膨大な地名の地図的把握は諦めて、バウドリーノのすることだけを中心に読み進めていくことに。

    物語は、ビザンツ帝国の高官ニケタス・コニアテスを偶然助けた後年のバウドリーノが、自分の半生を彼に語って聞かせる形になっています。養父フリードリヒとの家族愛、その妃ベアトリスへの初恋、パリの大学への留学、そこで出会った悪友たち、手紙や文献の捏造、三賢人の遺体、故郷での結婚とその悲しい結末・・・やがてバウドリーノと仲間たちは幻の「司祭ヨハネの王国」と、聖杯と思われる「グラダーレ」という聖遺物を求めて策謀を巡らせることになる。

    上巻は、パリで出会った愉快な仲間たちとの青春時代の物語と、山場となるのはやはり故郷アレッサンドリアを救うためにバウドリーノが奔走するくだりかな。宗教や世界史がわからないと難解な気もするけれど、たとえば故郷に帰ったバウドリーノが実の父親たちと繰り広げる「十三年」「三十年」の会話のくだりなどはほぼコント(笑)実は結構クスっと笑える場面も織り交ぜられている。

    どうやら下巻のほうが面白そうなので続きが楽しみです。

  • 前半は神聖ローマ帝国とイタリア諸都市の攻防において、両者の間で暗躍するバウドリーノの物語が描かれている。 この攻防の中でのバウドリーノの活躍が見どころだろう。面白かった。

  • 神聖ローマ皇帝フリードリヒの養子として迎えられた、バウドリーノの不思議な生涯が語られていく作品です。
    バウドリーノが、聞き手であるニケタスにそれを語るのは、コンスタンティノープル陥落の混乱の中です。
    バウドリーノの物語ほど大きな動きはありませんが、ニケタスに過去を語るうちにも、彼らの状況も刻々と変化しているところが面白かったです。

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