ドン・キホーテ 後篇1 (岩波文庫 赤 721-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003272145

感想・レビュー・書評

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  • 『ドン・キホーテ』前編はこちら。
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4003272110#comment
    郷士アロンソ・ケハーナは騎士道物語の読み過ぎで、自分こそこの世の正道を正す遍歴の騎士だ!と思い込んで、近所の農夫サンチョ・パンサをお供に旅に出る。頓珍漢なことをしまくる凸凹主従は行く先々で騒動を起こすし、自分たちも大怪我しまくるが、出会った人たちが「こいつ頭がおかしいから適当に話を合わせておこう」または「頭がおかしいけど筋も通っててなんか面白いぞ」という反応だったため、このなりきりコスプレ旅は成立してしまっていた。
    しかし前編の最後でドン・キホーテは家に連れ戻されたのだった。
    著者のセルバンテスはここで終わらせるつもりだったけれど、贋作が出てきたので後編を書くことにしたらしい。
    セルバンテスの「読者への序文」では贋作者への皮肉とユーモアを込めた反証を述べているんだが「贋作者があんなこといいやがったけど、本物の自分のほうが優れてるもんねー。贋作者なんて気にしてないもんねー( ̄^ ̄*)」という感じがした。言いたい反論はキッチリする、しかし怒りを全面に出すのではなくて余裕を見せて相手の間違いを分からせる遣り方でさすがに作家だなあ。

    もともと『ドン・キホーテ』は、アラビア人(モーロ人)史家のシデ・ハメーテ・ベネンへーリの書いた『ドン・キホーテ』原著をスペイン語のわかるモーロ人が一度翻訳し、さらにセルバンテスが再翻訳と編集して出版している、という体裁の書物です。
    後編では、このシデ・ハメーテがちょこちょこと口を挟んできます。


    ❐ドン・キホーテとサンチョ・パンサが旅に出るまで
    郷士ケハーナを家に連れ戻した友人の司祭と床屋は、彼が本当に正気に戻ったのかの様子見に行く。
    しかしこの二人、最初から「ドン・キホーテ」と呼びかけるし、話す内容も煽るようなもので、本当は騎士に戻ってまた旅に出させたいんじゃないのか?と思ってしまう。
    そこにやってきたサンチョ・パンサもノリノリで旅のお供を申し出る。そしてサンチョ・パンサが言うには「ドン・キホーテの旦那とおいらの旅のことが本になって売られてるんですよ、二人っきりの会話も書かれていて、いったい作者はどうして知ってるんだろう?」ということ。
    そして『ドン・キホーテ前編』の内容への補足、矛盾への言い訳や開き直りを当事者であるドン・キホーテとサンチョ・パンサによって語られる。
    そう、この『ドン・キホーテ後編』は、いわゆる「メタ作品」となっているのだ 笑


    サンチョ・パンサはちょっと人物像が変わった気がする。私が「サンチョ・パンサ」という人物像に持っていたイメージは前編よりも後編のほうが近い。
    前編のサンチョ・パンサは、農民としての独自の考えは持っていて言葉も面白いけれど、女房は蔑ろにする、眼の前の金や物を優先にするなど、かなり無学で打算的な男という面があった。後編だとその独自の考えが精神的にも良い面が出ているというか。
    お供を申し出たサンチョ・パンサの言葉を抜粋するとこんな感じ。
    「おいらが欲しいのは遍歴の騎士に仕えた最も忠実で善良な従士という名誉ですよ。そりゃーご褒美で島の領主にしてくださるってんならありがたく頂戴します。でもいただけなかったからって、おいらも人間として生まれてきたからには、神様がおいらをお見捨てになることはありますまい。人間は神様以外の物を当てにして生きちゃいけないんだから。島の領主になってもならなくっても、毎日食うパンは同じ味がするだろうしね。もし島の領主になったら、悪魔の奴がおいらに罠をかけるかもしんねえ。おいらはサンチョとして生まれたからには、サンチョとして死ぬつもりです。…でも何かをくださるってんならありがたくいただきますけどね。」P83より抜粋
    サンチョ・パンサが急に賢い物言いをしだしたことに対しては、他の人物も「まるで大学教授のような弁舌」「ドン・キホーテ殿に着いてから回りくどくなって何言ってるかわからない」とか、挙げ句には作者自身が第四章で「この章はサンチョ・パンサの言い回しが賢すぎるので贋作ではないか?」と、贋作騒動を逆手に取る書き方までしている 笑 

    後編の新登場人物として学士のサンソン・カラスコがいる。良く言えば弁の立つ、悪く言えば愚弁家の小賢しい人物。
    序盤では、出版されている『ドン・キホーテ』の内容をドン・キホーテとサンチョ・パンサ本人に知らせる役割、ドン・キホーテ主従が旅に出てからは家に連れ戻そうとする役割になるみたい。

    ❐ドン・キホーテが作り上げた想い姫、ドゥルシネーア・エル・トボソへの失意
    前編でのドン・キホーテは、自身で作り上げた妄想と「現実」とを都合良く解釈して周りの「正気」な人々の目線など気にもしなかった。
    しかし後編の冒頭、サンチョ・パンサが下品な百姓女を「ほら、あちらに高貴なるドゥルシネーア姫がいらっしゃいますよ」と作り上げた嘘に全く乗れずに下卑たる百姓女だとしか見えずに混乱してしまう。ドン・キホーテの妄想の力が薄まったのか、読者としてはちょっと寂しくもあるんだ。
    この後もドン・キホーテは「悪魔の魔法使いがドゥルシネーア姫を醜い姿に変えてしまった/いや、サンチョ・パンサには高貴な姫に見えていたのだから(サンチョの嘘です)魔法使いは自分の目に魔法をかけたのだろうか」と混乱する。

    ❐分別を持ったドン・キホーテ
    前編では「ドン・キホーテがなりきりコスプレで無茶をして、周りからボコボコにされたり、『こいつ頭おかしいから話を合わせよう』と相手にしてくれたため、痛い目にあったけどなりきりコスプレは成功」というお約束が繰り返されていたんだが、後編では大騒動はドン・キホーテに都合の良い方向に事が運んでいる。
    何と言ってもドン・キホーテは相変わらず「狂人」扱いなんだが随分と分別が付いていると感じられる。

    ●国王に献上されるライオンを見て勝負を挑むドン・キホーテ。前編だったら大騒動!!を起こすがドン・キホーテとサンチョ・パンサはトンズラというお約束なんだが、今回はライオンとの対決に成功する。そこでドン・キホーテは自分の通り名を「愁い顔の騎士」から「ライオンの騎士」へと改名する。
    ●ドン・キホーテとサンチョ・パンサは、荷馬車に乗った悪魔や死仮面やら王侯貴族やらに出くわす。前編だったらドン・キホーテの妄想炸裂で、有無を言わさず襲いかかるだろうに…、彼らに「自分たちは旅の演劇一座ですよ」と言われたらそれを受け入れる。その上、道化の一人に無礼を働かれもサンチョ・パンサに「役者っていうのは世間を愉快にするんだから、人々からも大切にされてるし、国王陛下のお墨付きだってもらってるんですよ」と説得されて立会いを辞める。
    ●ドン・キホーテは緑色の外套の男と行き会う。この「緑色外套の騎士」はドン・キホーテと会話して、狂人としか思えないがその奥底にある教養と教育の高さに驚く。
    ドン・キホーテは彼の家に招待され、妻と息子から歓待されてご機嫌なのでした★
    ●バレエ作品で『ドン・キホーテ』がある。私は見たことはなくて曲は知っている程度。そのバレエで使われている物語が後編19章から21章のものだった。
    ドン・キホーテは、若いカップルの結婚を後押しして大いに感謝される。

    ❐地下洞窟でみた幻想??
    しかし相変わらず珍妙な思い込みを持つ部分もある。
    伝説の地下洞窟に冒険に出たら、伝説の騎士やら隠者に出会ったり、その地下洞窟は伝説の王宮に繋がっていたんだとか…。
    ただの夢なのかもしれないが、この夢(?)をドン・キホーテはその後の冒険のもとにしていく。

    ❐「鏡の騎士」との対決?
    なんとドン・キホーテと同じような想い姫のために冒険に出る遍歴の騎士とその従卒が出てくる。鎧に鏡をつけているので「鏡の騎士」と名乗り、ドン・キホーテを「有名な騎士殿」といい、二人で騎士談に花を咲かせて、想い姫のために決闘することに。

    ※※※以下ちょっとネタバレ※※※




    …まあこの「鏡の騎士」の正体は「カラスコ学士」であり、ドン・キホーテを家に連れ戻すための大芝居だったんだけど、口先ばっかりで弱っちかったために作戦大失敗。
    物語としてドン・キホーテが決闘で勝つって珍しいな。

  • 後篇に入ると、ドン・キホーテの目に映る旅籠はただの旅籠、田舎娘はただの田舎娘。でもやはり、どこかずれています。また、後篇の設定は、「ドン・キホーテ・前篇」が出版されて人気をはくし、滑稽な主従は、どこへ行っても有名人になっています。

    また、後篇を出版した当時、「ドン・キホーテ後篇」の偽作が世に出回っていたようで、セルバンテスはその許し難い剽窃を、後篇のドン・キホーテの口を借りて鮮やかに批判するのですが、それだけでは飽き足らず、物語の中に巧みに取り込んで、もてあそんでいます。読んでいるうちに、何が現実で、どこが虚構なのかわからなくなってきて痛快! セルバンテスの遊びと創造はますますヒートアップします。

    もう1つの楽しみは、当時の人々の日常が生き生きと描かれていることです。スペインの田舎の風景、庶民の暮らしぶり、食べもの、ワイン、人々の身なり(どうやらセルバンテスは人々の装いにとりわけ興味あるご様子)、生活習慣、格言やことわざ、貨幣の価値、宗教、そしてセルバンテスの人となり。波乱に満ちた彼の人生経験が、その素朴で豊かな観察眼を通して見事に結実したのでしょう。

    翻訳も訳注もわかりやすくて滑らかですし、ギュスターヴ・ドレの躍動感あふれる挿画も、一見の価値ありです♪

    読み始めると、電車の中でもどこでも笑いをこらえるのは大変で、気づけば寝食も忘れているという、おそるべき作品です。ということで、くれぐれも寝不足にはご注意ください(^^♪

  • 故郷に帰り静養しているドン・キホーテ、どうやら随分まともに戻ったと家政婦と姪は思う。しかし床屋と司祭が様子を見に来て会話してみると、やはり騎士の話になると正気とは思えない。そこにサンチョ・パンサがやってきて、ドン・キホーテの伝記が既に本になり売られていると報告。地元の学士サンソン・カラスコという男もやってきてその本(つまり前篇の内容)について語る。これがおそらくセルバンテス自身に寄せられた称賛や批判と思われ(笑)間接的にセルバンテス自身が自己弁護。もともと本書、作中ではモーロ人のシデ・ハメーテ・ベネンへーリが書いたドン・キホーテの伝記をセルバンテスは翻訳しただけというテイを取っており、全体的になんというか、いわゆるメタ(笑)この後篇では著者や翻訳者がコメントを挟んでくることが多々あり。

    結局なんやかんやでドン・キホーテとサンチョ・パンサは三度目の遍歴の旅に出る。今回はまずドン・キホーテの思い姫ドゥルシネーアを訪問することに。しかしそんな姫はドン・キホーテの妄想の中にしか存在せず、サンチョは以前手紙を届けるよう頼まれたときに嘘をでっちあげた前科もあるので四苦八苦したあげく、ドン・キホーテの狂気を利用して嘘をつくことを思いつく。水車を巨人に、羊の群れを軍隊に、聖母マリア像を誘拐された貴婦人に見間違える(思い込む)ドン・キホーテのこと、その暗示力でそこいらへんの百姓娘でもドゥルシネーア姫だと思い込んでくれるはず…とサンチョは踏むが、なんと、この作戦、まさかの失敗(笑)ドン・キホーテ、自主的に妄想はするけれど、サンチョに「あれが姫です」と言われても「百姓娘にしか見えないが」と現実をつきつけます。しかしサンチョが諦めずに姫の美しさを描写し続けると、ドン・キホーテは「自分には姫が百姓娘にしか見えない=悪い魔法使いの仕業だ!」と解釈、サンチョはなんとかピンチを乗り切る。

    魔法使いのせいで姫の美しさを堪能できず失意のドン・キホーテ、主従が道を進んでいると、むこうから悪魔や皇帝その他が乗った荷車がやってくる。彼らは実は旅の芝居一座で、舞台の扮装のまま移動中だったのだけれど、もちろんドン・キホーテはそんな話は信じない。悪魔を倒すべく戦いを挑むが、敵のほうは人数も多く、石つぶてを手に反撃する気まんまん。勝ち目がないとみたドン・キホーテは、痛い目を見る前にサンチョのこじつけ助言を聞き入れ、戦わずそのまま逃げる。これもちょっと意外だったな、今までのドン・キホーテなら、どんなに痛い目をみようが自分の妄想を信じて突撃したろうに。姫の件といい、自己暗示力が少々落ちてきたのだろうか。心配。

    次にドン・キホーテ主従の前に現れたのは謎の「森の騎士(のちに鏡の騎士と呼び名が変わる)」彼はドン・キホーテと同じく遍歴の騎士であると名乗り、自分の思い姫のためにさまざまな武勲を立て、最強の騎士ドン・キホーテすら倒したと話す。ほかならぬ自分の話題、しかも偽りなのでドン・キホーテはおこ、夜明けとともにこの騎士と闘い、負けたほうは勝ったほうの命令になんでも従うという約束をする。朝が来て二人は闘うが、ちょっとした幸運からまさかのドン・キホーテの勝利。落馬した鏡の騎士の兜を外すと、なんとそれは学士サンソン・カラスコで、従者はサンチョ・パンサの隣人だった。

    読者はそもそも、ドン・キホーテ以外に遍歴の騎士がいるのがおかしいと思っているし、これはドン・キホーテを連れ戻すために学士が一芝居うったのだなと理解するけれど(事実その通りで、司祭と床屋とも相談の上、サンソンは自分がドン・キホーテに負けるとは思いもせず、勝ったら郷里で蟄居しろと命令するつもりでいた)、ドン・キホーテはそんなことは思いもせず、またしても悪い魔法使いが、相手の騎士と従者の顔を変えてしまったと思い込む。落馬で怪我をしたサンソンは、ショックのあまりドン・キホーテの妄想に反論せず、ほうほうのていで彼らの前から去る。

    次に登場するのは緑色の外套の紳士。彼は地元の郷士でドン・ディエゴ。ドン・キホーテの言動を狂人かと怪しみつつも、失礼な態度はとらない立派な紳士。彼がドン・キホーテと談笑していると、そこへ王様への献上物のライオン2頭の檻をかついだ一行がやってくる。ドン・キホーテはこのライオンを自分に差し向けられたものとして戦うことを要求。いくら紳士やサンチョが説得しても聞かず。ついに他のみんなが離れたところで檻を開けさせるが、肝心のライオンのほうがドン・キホーテに興味を示さず檻から出てこようともしなかったので、ドン・キホーテの不戦勝となる。ホッとする一同。

    そこでドン・ディエゴはドン・キホーテを自宅に招待。彼の邸では、奥さんも息子もドン・キホーテをうさんくさいと思いつつも親切にしてくれるので何事も起こらず主従は良い気分で出立する。

    次いで現れたのは学士たち、彼らにくっついて、主従はある結婚式の会場へやってくる。花嫁は美人のキテリア、花婿はお金持ちのカマーチョで、豪勢な料理が用意されているが、実はキテリアには幼馴染で相思相愛のバシリオという男がおり、このキテリアが結婚式に殴り込みをかけるのではないかとみんなワクワクしている。案の定、彼は会場に現れて、キテリアと結婚できないなら自殺すると騒いで自害、しかし実はこれは狂言自殺。死ぬ間際にせめて愛を誓ってほしいとキテリアに誓わせたあとで「嘘だぴょーん」と蘇る。すわ全面戦争となるかと思いきや、カマーチョが大変寛大で理性的な男だったため、他の男を好きな花嫁と無理やり結婚しても良いことないしーと簡単に諦めてくれて、円満解決。個人的にはバシリオの狂言自殺はさすがに卑怯に思えて、カマーチョの株が上がった。

    さてお次は、モンテシーノスの洞穴に冒険に行きたいドン・キホーテ、学士に従兄を紹介してもらい、彼の案内でサンチョを連れて洞穴へ赴く。綱をくくりつけて洞穴に下ろしてもらったドン・キホーテだが、しかし気絶した状態でサンチョと従兄に引き上げられるはめに。しかし目覚めた彼は、洞穴での素晴らしい冒険を二人に語る。ぶっちゃけ、気絶して途中から夢みてただけちゃうん?と読者は思い、サンチョも思う(笑)

    しかしその夢としか思えない洞穴の冒険は幻想的でわりと好き。昔むかし、騎士モンテシーノスは、死に瀕した従弟ドゥランダルテの今わの際の頼みで、彼の心臓を切り取りその妻のベレルマに届けたという伝説がある。モンテシーノスの洞穴には、なぜかそのモンテシーノスやベレルマが魔法にかけられて閉じ込められており、ドン・キホーテは彼らと会話する。ドン・キホーテは三日間洞穴にいたというが、実際には1時間くらい。でもまあそういうこともあるかもね、と無理やり一同納得。一度は衰えたかと心配したドン・キホーテの妄想力は、どうやら回復したようです(笑)

  • 前編までの本がすでに出版されて、評判になっているという設定で後編の物語は始まる。物語の中に現実が混入する、込み入った入れ子構造になっている。

  • 後編に入っても安定した面白さです。ドン・キホーテの理路整然とした語り口から、騎士道物語に話が進むといっきに狂気に陥る様に、読者の自分も登場人物たちも、驚く同時に興味を引かれます。

    前編の内容が作中で本として出版されているという設定にも驚きました。メタ視点の見事さもここまできたかと。それと今回からサンチョの知能指数が急上昇しているのがまたおかしいですね。

  • 関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB00113492

  • 遍歴の騎士を「演じている」ドン・キホーテがこのセリフを言うところに面白みがある、気がする。
    あと2冊か。

    191
    舞台の上と同じことが、この世の実生活においても起こっているのじゃ。現実の世界でも、ある者は皇帝を演じ、またある者は教皇になっている。要するに、舞台に登場させることのできるあらゆる役柄、あらゆる人物が、この世で演じられているのよ。

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18412

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA5005294X

  • 2021/4/12

  • 「無鉄砲な男が真の勇者になるのは、臆病者が真の勇気にたどりつくよりはるかに容易ですからの......少なすぎるカードで負けるよりは多すぎるカードで負けるべきじゃと申しあげたい。」(第十七章より)
    ここにきて本当にカッコいいドン・キホーテ。

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