人形の家 (岩波文庫)

著者 : イプセン
制作 : 原 千代海 
  • 岩波書店 (1996年5月16日発売)
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  • 68レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003275016

人形の家 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ある夫婦のはなし。
    女の人ってすごくずる賢くて、実はとんでもないことをしでかしているんだから!
    と、わくわくしました。
    女の人の強みと弱みをうまく使い分けたノーラがすばらしい。
    たのしかった。

    別れると決めたら、一歩も譲らない決意もかっこいい。

  • 「あなた方は、あたしを愛していたんじゃないわ。ただかわいいとか何とか言って、面白がっていただけよ」という一文を読んで忌野清志郎が「キミかわいいね/でもそれだけだね」と歌っていたことをふと思い出す。19世紀に書かれた戯曲で描かれるのは、良い娘/妻としての役割から解き放され、実存として浮かび上がる自己に目覚めたひとりの女性の姿だ。罪の果実を食して始めて人間として目覚めるというのは正しく神話的と言える。最後20頁におけるノラの怒涛の台詞は強烈なカタルシスをもたらすと同時に、その叫びは現代もなお主題たり得ている。

  • 2014/1/29 青空文庫にて。

    自我の目覚め。自我が生まれ、肉体的に生まれたところに帰ってやり直す。

    話が進むにつれて悪役が変わるのが面白かった。
    陰湿なクログスタットは不遇だっただけに見えてくるし、ヘルマーは仕事では出世し、家庭を愛するよき夫から一変、世間体や自分の事ばかり考えているのが露呈してしまう。

    そして一度は捨てた男クログスタットに、支え合おうと提案するリンデンの強かさ、漢気にぐっときた。

  • 再読

    今となっては「ふーんこれが女性の自立の目覚め…?」
    という感もあるけれど
    普遍的なヘルメルの自己保身ぶり、自分が心地よい範囲内に収まっているならば愛して(それを愛と定義するなら)あげる、
    彼自身の正義を冒した事が許せないのではなく
    名誉を奪われる事への慄き…といった浅ましさに
    に己のエゴを見てしまって、はぁ、辛いw

    またリンデ夫人とクロクスタが互いの欠けを埋め合おうとするような再構築するからなー…

  •  この作品は読む人の立場によって評価が変わってしまうかもしれない。世評どおり婦人解放運動を意識して書かれた物として見るか、それとも家庭内悲劇として見るか。
     正直私はどの視線から読めばいいのか最後まで判らなかった。ストーリーは、ある幸せな家庭に対し悪どい法律家が醜聞を掴んだことで脅そうとする。その醜聞に夫人は緊密に絡んでいる。夫人は夫に打ち明けられない苦悩の中もがき続ける。ここだけ見ると普通の悲劇なのだろう。この後多くの人が夫人の苦悩を知り、力になろうと相談に乗る。しかし、夫人はそれらを全て拒絶してしまうのだ。彼らが自分を馬鹿にしているという理由で。夫人は一人で苦しみ続けることを選ぶのだ。だが、その後脅迫してきた法律家は改心し脅迫を取り下げる。後は過去の過ちを夫に話し夫婦円満に戻るだけだったのだが、夫の激怒によって今まで自分が勘違いしていたことを理解したり、最後まで望んでいた奇蹟が起こらなかったことなどを理由に家を出て離婚する道を選ぶというのが大筋。

     女性は解放されているかもしれないが夫人は最後まで『正しいこと』を何も出来ずに逃避を選ぶ。悲劇であるならば悪人が改心し、脅迫を取り下げる展開が腑に落ちない。理に適ったストーリー展開でないのはどこにでも存在するような家庭劇だからなのか。
     拘束的発言を繰り返していた夫に悪があるのか、それとも無学であった婦人だからこそ到達できた結果なのかは私には全く判らなかった。

     家庭内悲劇と表記したが、この問題には3人の子供は一切関わってこない。子供達がが預かり知らぬところで全ての問題は展開され終了する。全ては夫婦間の問題になっているから子供視点でこの物語を見た時、あまりの酷さに憤りさえ覚えてしまう。

  • 家庭板みたいな話でゲスく楽しめました。面白かったです。
    ヘルマーがモラ男なのはもちろんですが、ノラが大概甘ちゃんすぎます。
    「父や夫に心配をかけないために、勝手に父の名前を保証人欄に書いて、借金をした。思いやりゆえの行動であり、これが偽署の罪だというなら法律が間違っている!」というのが、序盤で出てきた上に最後にも出てくるノラの主張です。
    過ちを犯した人はみなそれぞれの事情があったということに思い至らないノラは世間知らずのままです。
    そして、自分を愛していると言いながらも犯罪はかばってくれなかった旦那に幻滅して家を出るわけです。
    よく考えもせずに、生家のなくなった地元へ戻る? あてもないうえに子どもを捨てて? なんて気まぐれな、というか、1週間で帰ってくるに100ペリカ。

  • 『人形の家』(にんぎょうのいえ、Et Dukkehjem)は、1879年にヘンリック・イプセンによって書かれた戯曲。同年、デンマーク王立劇場で上演された。弁護士ヘルメルの妻ノラ(ノーラ)を主人公とし、新たな時代の女性の姿を世に示した物語。全3幕。(Wikipediaより)

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    戯曲。
    私がこの作品を読む前に持っていたイメージと違い、
    躍動感にあふれていて、主人公の女性も思ったよりかわいい人で、
    ぜんぜん重たくなく読むことが出来ましたー。

    本当、ちゃんと読む前は、もっと啓蒙的な、重い暗い作品なんだと思っていたので><
    ←どうやらロシアあたりの作品と勘違いしていた模様

    歌ったり踊ったり、人生を楽しんでいる感じのノラ。
    そんな妻をかわいいと思い、まるでペットのように猫かわいがりする夫ヘルメル。(トルヴァル?)

    とても幸せそうに見える夫婦。

    実際、ヘルメルにかわいがられたり求められたりするシーンは、結婚後8年目、子供も3人と言うことを思うと羨ましい限り...
    きっとすごーくかわいい女性だったんだろうなぁ。
    そしてもしかしたらそのままでも幸せだったかも...

    でも。
    そんな幸せな生活はある出来事で一変します。

    このあたりの書き方、本当にさすがだな、と思った。
    ヘルメルの情けなさ、くだらなさの露呈ぶり、すごい。
    私から見てもなんて男だ!と一瞬思っちゃったり。

    でも、当時としては画期的で「フェミニズム運動の勃興とともに語られる作品(Wikipedia)」と言われているけれど、では果たして現代では通用しないか?と言うと、意外とそうでもないのでは、と思わされる。

    今の世でも、子供3人を残して一人で生きる決断が出来ずに苦しむ女性はたくさんいるし、逆に言うとノラは恵まれていたのではないかとも思う。

    そして、やっぱり、かわいがられて日々暮らした方が楽だって言う気持ちも、女性にはあるし...

    女は今でも、結婚すれば○○さんの奥さんになるし、
    子供を産めば○○ちゃんのママ、になる。
    (「名前をなくした天使」ってドラマもありましたね)

    だからこそ、お前は私の妻であり私の子供たちの母である、と言うヘルメルに反論して「あたしは,何よりもまず人間よ」と言う言葉が今見ても重く響くのでしょう。

    「愛されるために」的な自己啓発本が世に溢れているのを見ても、ノラの決断と生きざまが今の時代でも十分人の感動を呼ぶんだろうなぁ、と。

    その後のノラがとても気になります!
    どうか幸せになっていますように。

  • いつ彼女の金銭的秘密がばれてしまうのか、ハラハラしてとても面白かった。しかしばらされずに済んだ理由が少し物足りない。女は男に寄生して養ってもらえばよいという例だと考えると悪くないかも。驚きの展開だったがその対比のような主人公の選択は潔くてかっこよかった。夫には豹変のように見えるのだろうが、実際は彼女はずーっとお人形を演じていたのだ…わりとよくある家庭の光景なのかもしれないと思った。今もどこかに人形の家はきっとある。

  • たった二日間の間に起きた出来事により、
    夫婦の心のすれ違いに気付き離婚までに至るという
    スピーディな展開の物語。

    現代、この様な作品はたくさん出回っているが、
    140年以上前に描かれたというところに驚かされる。

    結婚している者、特に女性側がみると、本当にあるあるで、
    林真理子さんなどの現代小説を読んだかの様に最後は共感できる。
    つまり男女間の心の溝は今も昔も普遍的なものなのだろう。

  • 劇形式で、作り物のように簡略化されながら、近代という時代をひしひしと感じます。
    絶対に理解しあえぬ男女。

    ノラの言うことが分からず困惑している夫があわれで、悲しい。

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