野鴨(イプセン) (岩波文庫 赤 750-3)

  • 岩波書店
3.61
  • (7)
  • (7)
  • (16)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 130
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003275030

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アドルノの「道徳哲学講義」の終わりの方で紹介されていた作品。心情倫理と責任倫理が必ず矛盾するということの実例として扱われていた作品だったと思います。

    狂った生活をそうとは知らずに暮らす人達を、理想を掲げ理性的生活を標榜する人がその狂った部分を教え、一方では啓蒙することに成功するけれども、同時に「狂った」とされる生活の中で感じていた些細な幸福を完膚無きまでに破壊してしまうという悲劇。しかも最大の被害者はこの狂気の生活の内側にいながらも、その狂気の歴史とは無関係の人間なのだから。
    悲劇の後で、ただただ思うのは、全てがもう後戻りできないまま続いていくだろうということです。だからこそ、考えるべき素材がたくさんあるように思う。


    人物描写も巧みだからこそ、色々と考えさせられます。何が狂っていたのか、と。

    個人的に思う所が多すぎて、上手く表現できません。だけど、読む価値のある力作であることは間違いありません。

  • あたし、イプセン好きらしい。面白い。はっきり言って、「人形の家」よりずっと面白い。

H.イプセンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×