ロボット (岩波文庫)

制作 : Karel Capek  千野 栄一 
  • 岩波書店 (2003年3月14日発売)
3.84
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003277423

ロボット (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 1920年に「ロボット」という語を生んだ有名な戯曲。チェコ語の"robota"(労働)から取られているというのも有名なエピソード。
    これだけ幅広く世の中に浸透した語なのですんなりと入ってくるが、作中に「ロボット」という語が出てくるたびに「よく考えたらこの本が初出なんだなぁ・・・」と、しみじみとさせられる。プロットも「感情を持ったロボットの人間に対する反乱」という現代から見たら非常にベタなものだが、これももちろんこの作品がオリジナル。
    最後の一幕は「新約聖書2ラウンド目」という感じでとても良い。
    AIが世間の耳目を集めている今だからこそ改めて読みたい一冊。

  • カレル・チャペックの名前を知ったのは小学生の時。
    「長い長いお医者さんの話」は、最初いぬいとみこの「ながいながいペンギンのおはなし」と題名が似てるなぁ、なんて思った。
    カレルの兄ヨゼフの絵も、小学生の時から好きだった…。
    ロボットという言葉がカレルによって作られた(正確に言うとヨゼフなのか?)言葉だと知ったのは、確か中学生の時…。
    以来、「ロボット」という話に興味は持ちつつも、全然本を手に取れていなかった…そして、ようやく読んだ。

    労働、勤労、人間であること
    …普段SFって殆ど読まないジャンルなのだが、考えることは多かった。
    少し前に出会った農家のおじさんが「働いて、一年間の内に幸せや楽しさを感じることなんてほんのちょっと。殆どはきつくて辛い」と言いながら、一生懸命仕事に精を出していた…ことを、なんとなく思い出したりもしました。

  • 面白かった! この作品から「ロボット」という言葉が生まれたとは知りませんでした。もしかしたらあのロボットたちの末裔が私たちかも、と思ったらちょっとどきっとしましたね。いや、それは飛躍ですけども。

  • 「ロボット」という言葉を生み出した作品とのことだが、出て来るのはアンドロイドというのか有機的?な生命ではない機械。
    文明の発展が人類を幸せに云々というより、人類と機械を分けるもの、魂のきっかけ、ロボットへの民族導入に込められる悪意を興味深く読む。

  • ロボットの語源を知ったとき、手塚治虫のマンガに登場するロビタを思い出した。
    目的のためにただひたすら労働する存在…なんだか切ない。

    現代の感覚からいうと、ロボットというよりはアンドロイドに近いものが登場するが、主題にはなんら影響を与えていない。
    科学技術の進歩にある落とし穴が描かれているが、星新一のブラックユーモアとは違い、余韻が強く残る。また、全てを描ききっていないため、多様な解釈を生むことができる。

    学校図書館で借りたが、中学生はあまり魅力を感じてくれないかもしれない。

  • 「ロボット」の語源となった人造人間と人間の
    対立の物語。人間は永遠に愚かで弱くて情けない。

  • 私が所有しているのは、十月社から出てるカレル・チャペック戯曲集?「ロボット R.U.R.」です。
    検索できないので絶版になったのかもしれません。
    訳者も違うし、内容が異なるかもしれません。

  • 人間や幸せの定義について考えさせられる作品。心があるから生きがいもあるし、絶望もする。いいとこ取りはできないよねってことなのかな。進歩が必ずしも良いこととは思わないから、便利さを追求し時間に支配されている現代の文明の行く末には不安を覚える。劇中でもハレマイエルが時刻表を礼賛するセリフが出てきて、ゾッとした。現代日本を見てもワーカホリックだったり、恋愛や結婚をしない傾向だったり、人間はロボットに近づきつつあるんじゃないか、と感じる。私は便利さよりも人間の非効率さこそ愛すべきだと思うのだが。そうは言っても現代社会に生きている以上自分も便利さの恩恵に浴しているわけで、複雑な気持ち。縄文時代や江戸時代にタイムスリップしてみたい。

  • この作品の本質は、シンギュラリティとか、人間とロボットの違いとか、そういう類のことではないように思いました。欲と物質と生産、愛と信仰と非生産、といったキーワードを中心に、人間とロボットが、どちらも生きとし生けるものとして、アダムとイヴの時代から近代までの観念をショートトラックでたどり直している、とでもいうのでしょうか…。
    生産のベクトルの究極に、子どもを産めないという非生産の人間世界がおかれているのは少しショッキングでした。
    登場人物の設定も興味深いです。特に紅一点のヘレナ。ギリシャ神話のヘレネーに由来していそうな気がしますが、そのヘレナが、ロボットの暴動においても破滅においても、鍵を握っているということ。一読しただけでは読み取りきれない深さがあると思いました。

  • 日経新聞(2018.1.4)の春秋で引用されていた戯曲で、
    興味をもったので、読むことに。

    ロボットがチェコ語のrobota(賦役)が語源であるということも初めて知りました。

    春秋でも紹介されてましたが
    この中の登場人物、建築士のアルクビストの言葉が
    やはり印象的に残りました。

    「君が言ってることはあまりにも楽園みたいに聞こえる。かつては奉仕することの中に何か良いものがあったし、恭順さの中に偉大なものがあった。よく分からないが労働や疲労の中に徳のようなものがあった」

    何もかもがロボットで代行される世界。
    何もしなくてよくなったニンゲンは
    何を幸せとして生きるのだろう…。

    そんな極端な世界にならないことを 祈るばかりです。

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