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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784003278024
みんなの感想まとめ
多様な物語が織りなすこの作品は、美男美女の恋愛模様から人間の複雑な感情まで、さまざまなテーマを描いています。特に、カリファ・ハルン・アッラシードの人間味あふれる描写や、平民に対する理解が印象的で、権力...
感想・レビュー・書評
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2巻でとても印象に残ったのは、両手両足の親指がない男の話。その男は「ロズバジャ」という料理(ニラ料理らしい)に恐怖を示し、どうしてもそれを食べる場合には食べる前に「灰汁で40回、ソーダ水で40回、石鹸で40回」手を洗わなくてはならないという。理由を聞くと、かつて新婚初夜にこのロズバジャという料理を食べたあと手を洗わずに花嫁に触れようとしたところ花嫁が突如激怒、逆上した花嫁とその侍女たちに彼は縛り上げられ両手両足の親指を切断されたという恐ろしいトラウマが。そんなことでここまでする花嫁も恐ろしいけれど、そういう理由なら手を洗うのは「食前」ではなく「食後」じゃない?というツッコミどころもあり(苦笑)1巻でも何らかの身体的欠損(片目など)になった原因の因縁譚はあったけれど、2巻はさらにそれが多かった気が(宦官がなぜ切り取られたかの話まで…)床屋のおしゃべりにはちょっと閉口。
「アニス・アル・ジャリス~」は、基本的にラブストーリーでありつつ、アリ・ヌールがそこそこのクズ男であまり心から応援できない残念さ。王様への献上品である美女奴隷アニスを、侍女たちがよってたかってお風呂に入れたりお化粧したりする描写は超高級エステみたいでうっとり。以下引用すると、
彼女の手足と髪をすっかり洗ってから(中略)飴のようにした砂糖を練り合わせたもので丹念に産毛を取り、髪の毛の中に麝香をつけたいい匂いの油を注ぎ、手指と足指の爪をヘンナで染め、瞼墨をひいて睫毛と眉毛を長く見せ、足もとで乳香と竜涎香を入れた香炉を燻らし、こうして膚全体にほのかな香りをつけました。オレンジの花と薔薇の匂いのする大きなタオルを身体に掛け、熱くした幅広の布でその髪を結え・・・
千一夜は物語によって成立時期がバラバラらしいので年代はよくわからないけれど、当時から脱毛、香水、ネイル、アイライン等があったことに驚き。とくに脱毛について描写があるのって古今東西あまり読んだことがない気がする。
※収録
第24-32夜 せむしの男および仕立屋とキリスト教徒の仲買人と御用係とユダヤ人の医者との物語―つづいて起こったことども―ならびに彼らがおのおの順番に話した出来事(キリスト教徒の仲買人の話/シナ王の御用係の話/ユダヤ人の医者の話/仕立屋の話(足の悪い若者とバグダードの床屋の物語/バグダードの床屋とその六人の兄の物語(床屋の物語/床屋の第一の兄バクブークの物語/床屋の第二の兄エル・ハダールの物語/床屋の第三の兄バクバクの物語/床屋の第四の兄エル・クーズの物語/床屋の第五の兄エル・アスシャールの物語/床屋の第六の兄シャカーリクの物語)))
第32-36夜 アニス・アル・ジャリスとアリ・ヌールの物語
第36-44夜 ガネム・ベン・アイユーブとその妹フェトナーの物語(スーダンの第一の黒人、宦官サワーブの物語/スーダンの第二の黒人、宦官カーフルの物語/スーダンの第三の黒人、宦官バキータの物語)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やはりネギ料理のロズバジャは気になる。
そして、たしかに初夜にネギの匂いのする手でこられたら嫌だわな。
つまるところ美男美女で成立する物語が多い。
アリヌールの話しかり、ガネム・ベン・アイユーブの話しかり。
どちらも主人公とヒロインが美形でなければ、絶対に最後の大団円にならない。
カリファのハルン・アッラシードが、覗きをしたり、貧民に変装したりと人間的に描かれているのが興味深い。
ガネムの話では、自分の非を認めて、平民であるガネムに許しを乞うていた。
千一夜物語の成立はアッバース朝・アッラシードの治世とも言われているが(話自体はもっと古いものが多いが)、こんな描写が許されるとは、なんとも大らかな王である。
女性の方から営みに誘ったりと、想像以上に自由な風潮も感じられる。
その一方で、女性が意向に関係なくカリファの奴隷として贈られるなど、「人権」の概念が生まれる前の物語であることは痛感する。 -
課題だったので頑張って読んだが興味持てず
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2008/02/04
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読むのに時間がかかってしまいますが、読み進めるのが結構楽しいです。似たような話が多い気がしますが、それなのに飽きないです。
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特にこだわりはないが、マルドリュス版。最初に手にとったのがこれだった、とか、アラビア人には、どうしても見えない、ぺん画の挿絵、表紙、岩波文庫が好き、という理由。 グリム童話も同じくなのだが、筑摩のほうは、紙質とか文字組みとか、厚さとか、物語に没頭するにはあまり向いていないような気がするのだ。個人的な好みとして。
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