完訳 千一夜物語〈10〉 (岩波文庫)

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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003278109

作品紹介・あらすじ

昼は夜はたらく泥棒を、夜は昼はたらくスリをと、いっぺんに2人の男を夫にした女の策略もついに露見。2人からなじられて、「では、見事な腕前をみせた方を夫に選びましょう」。そこで始まった腕くらべの軍配は?巷の民衆の姿が躍動する「羊の脚の物語」。

感想・レビュー・書評

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  • 10巻収録分はとくに目玉になる長編はなかった印象。「薔薇の微笑のファリザード」はヨーロッパ系にもありがちな古い伝承の面影があって好きでした。三人姉妹の一番美しい末の妹が、王様と結婚したので意地悪な姉二人が嫉妬、妹の出産に立ちあう際に赤ん坊を子犬とすり替え、本物は川に流してしまう。これを第二子(子猫とすり替え)、第三子(子ネズミとすり替え)と性懲りもなく繰り返し(誰か気づいて!)末妹はついに化け物しか生まないダメ嫁として王様に幽閉されてしまう。

    一方、川に流された三人の子供たち(長男、次男、末妹=ファリザード)は、実は親切な庭師夫婦に拾われて、すくすく幸せに成長、義両親亡き後も三人仲良く暮らしていたけれど、なんやかんやで冒険に出ることになり、長男、次男、順番に出発するも魔法で石にされて帰ってこず、ここでまさかの妹出動、三人きょうだい末っ子最強説を自ら実証、兄二人を救って帰ってきた上、王様の子供であることがわかりめでたしめでたし。末っ子が一番優秀なのはどの国の民話でもお約束だけど、兄より強い妹というのは珍しいかも。

    「ヌレンナハール姫と美しい魔女の物語」は、こちらも三人兄弟末っ子最強ものなのだけど、途中から違う話になってしまって、ちょっとした迷宮入り(笑)そもそもの発端は、美しい従妹のヌレンナハール姫と結婚するために、三人兄弟は父王の指令でそれぞれ世にも珍しいお宝を探す旅に出かけ、一番すごいものを持ち帰った者が姫と結婚させてもらえるという、かぐや姫系の求婚ルールだったのが、長男は空飛ぶ絨毯、次男は望みのものが見える望遠鏡、三男はどんな病気も治せる林檎をそれぞれゲット、偶然病気だった姫を三人の力を合わせて助けてしまったので当初のルールが無効に。

    そこで遠くまで矢を射た者が姫と結婚できるという新ルールになり、なぜか勝利したのは次男という民話では珍しいパターン。ショックのあまり長男は出家し、三男は見失った自分の矢を探す旅に出る。そして三男が出会ったのは美しい魔女で、結局兄弟三人で争ったヌレンナハール姫よりも、魔女のほうが美人で万能で三男は大金持ちになるも、それを怪しんだ父王の大臣たちの讒言が魔女を怒らせてしまい、結局魔女が手下を使って大臣たち惨殺、父王追放で三男が王位ゲット!という、お父さん可哀想すぎる問題・・・。ハッピーエンドだけどなぜかモヤモヤする。

    ※収録
    第774夜:人の世のまことの智慧のたとえ話
    第774-779夜:薔薇の微笑のファリザード
    第780-787夜:カマールと達者なハリマとの物語
    第787-788夜:羊の脚の物語
    第788-794夜:運命の鍵
    第794-806夜:巧みな諧謔と愉しい頓智の集い(減らない草履/アル・ラシードの道化役バハルル/世界平和への誘い/不能のお呪い(二人のハシーシュ食らいの物語(法官「屁の父」の物語/法官の驢馬/法官と仔驢馬/抜け目のない法官/女道楽の達人の教え)ハシーシュ食らいの判決))
    第807-814夜:ヌレンナハール姫と美しい魔女の物語
    第814-819夜:「真珠華」の物語
    第819-821夜:帝王マハムードの二つの世界
    第821-826夜:底なしの宝庫

  • "第774夜から826夜まで。
    バラの微笑のファリザードの話や、ひっぱりにひっぱったカマールと達者なハリマの物語、ハッシッシ親父の与太話(?)など小話多数。底なしの宝庫など、だんだん金銀財宝がインフレ気味になってくる。"

  • 真珠華みたいに綺麗にめでたしめでたしになるお話は大好物です。
    薔薇の微笑のファリザードと運命の鍵も味わい深く、印象に残りました。
    前者は御伽噺感満点。

  • 10 (774-826)
    人の世のまことの智慧のたとえ話
    薔薇の微笑のファリザード
    カマールと達者なハリマとの物語
    羊の脚の物語
    運命の鍵
    巧みな諧謔と愉しい頓知の集い
    減らない草履
    アル・ラシードの道化役バハルル
    世界平和への誘い
    不能のお呪い
    二人のハシーシュ食らいの物語
    法官「屁の父」の物語
    法官の驢馬
    法官と仔驢馬
    抜け目のない法官
    女道楽の達人の訓え
    ハシーシュ食らいの判決
    ヌレンナハール姫と美しい魔女の物語
    「真珠華」の物語
    帝王マハムードの二つの世界
    底なしの宝庫

  • かなり前に読み終わりましたが、、報告するのを放置してました
    千一夜物語は一つ一つは面白いのですが、似たような話ばかりなので思い出せる話が殆ど無いのがアレですね

  • 2008/02/01

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著者プロフィール

1890(明治23)年、福岡県朝倉郡福田村(現・朝倉市)に生まれる。1915年、東京帝国大学卒業後、明治大学、法政大学などで教授を務めた。また、1921年ごろから子供のための短編を書いて赤い鳥社などから出版社、100以上のおとぎ話を残した。有名な学者、フランス文学の翻訳者としても知られ、訳書に「レ・ミゼラブル」「ジャン・クリストフ」などがある。1955(昭和30)年、永眠。

「2018年 『豊島与志雄短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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