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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784003278314
感想・レビュー・書評
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死を匂わせながらも、生が輝く力強い詩が揃っています。
ルバイヤートとはペルシア語で「4行詩」のこと。イランの詩人オマル・ハイヤームが中世ペルシア時代――約1000年も前に歌った詩はどれも刹那的な輝きを放ち、時を経て現代をも照らす力があります。
いつか死ぬ。だからこの一杯を味わおう。
今この瞬間、今ある命を、精一杯光らせるために。
人生の儚さと生命の瞬きを愛でた、珠玉の詩。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
絶対に酒を片手に読むべき一冊。
全体を通して、「人生はあっけないものだし、死後もどうなるかなんてわからない。だったら酒を飲んで今この瞬間を楽しもう!」と語りかける四行詩集。
虚しくも享楽的で、真理をつく端的な言葉が凄くいいです。
こんなに魅せられて一気読みするとわかってたら、この世界観にもっとどっぷり浸れるように、「紅の美酒(くれないのうまざけ)」買っておくべきでした。
「いつまで一生をうぬぼれておれよう、
有る無しの論議になどふけっておれよう?
酒をのめ、
こう悲しみの多い人生は眠るか酔うかしてすごしたがよかろう!」-
2016/06/26
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2017/02/18
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この詩の厭世感は今の私にとても響いて心地よい。翻訳ですら心を打つのだから原文はさぞ素晴らしいのだろう。運よくこの本に巡り会えてよかった。
もともと無理やりつれだされた世界なんだ、
生きて悩みのほか得るところ何があったか?
今は何のために来り住みそして去るのやら
わかりもしないでしぶしふ世を去るのだ!
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味わい深い一冊でした。
はじめに四行詩を読み、お酒がいっぱい出てくるので不思議に思いましたが、解説によってその背景がわかり、思わずため息がこぼれました。
社会状況からくるやるせなさ、限界。
それでもなお、今にとどまり、真理の探求への道を歩み続けること。
1000年以上前のことなのに、響き合うところもあり、言葉の持つ力を感じました。
平易な言葉で書かれているので、それぞれの想像で読む自由さもあり、それもいいな、と。
元々の言葉がわかるともっと味わい深いのだろうなと思いました。 -
図書館で借りた。
11世紀にペルシア(現イラン)で描かれた四行詩の傑作選だ。200頁弱の薄い文庫本だが、岩波文庫はさらにその内50頁近くを解説に費やしているのが特徴。
日本語でも詞/詩を「うた」「うたう」と表現するが、この四行詩もリズムや音が大事な要素のようだ。元はアラビア語。流石にアラビア語・アラビア音は掲載されていないので想像するしかないが、19世紀に英訳されてそれが評価され広まったという歴史から、翻訳しても価値が残る詩なのだろう。
私はこれを読んだだけで理解・感動できる感性を持ち合わせていないが…ひとまず、「こういう内容」という知ったことに価値を感じることにする。 -
「あることはみんな天の書に記されて、
人の所業を書き入れる筆もくたびれて、
さだめは太初からすっかりさだまっているのに、
何になるかよ、悲しんだとてつとめたとて!」
ハイヤームの詩の面白さは、この1篇に最も露骨にあらわれているように思う。
無神論者の学者としての叡智と、それ故に知る悟性の限界。
あとはイラン人としての民族的な想いと、酒への愛を交えれば、
このルバイヤートという詩集は完成する。
11世紀の詩集であるにも関わらず、理知的で簡潔であるが故に、
新鮮さをまったく失っていない。
ちなみにこの詩集には、訳者による62ページに渡る詳細な解説がついている。
ハイヤームの生涯、ペルシアの歴史、四行詩の音韻について、
またこれまで試みられてきた和訳についての評価など多岐に渡っている。
詩集はすっきりしているが、解説はおそろしく濃厚だ。 -
立ち読みで惚れ惚れとし、衝動買いして一気呵成に読んでしまった。
神(アラー)に対する、被造物の文句と、酒を飲め飲めということ。
イスラムを全く知らない日本人現代人の持つ無常観と、オマルの呻きは千年の時を超えて通じ合う。 -
世界史で出て来たなと名前だけは知っていたこの詩集を読んだのは、勘違いが原因だった。
手に取ってぱらっとめくったところ、前書きに「フィッツジェラルドの英訳によって"再発見"された」というような文があり、えっギャッツビーの?!と驚いて読んでみたのだったが、終わりまで読んでからよくよく読み返したら全く別のフィッツジェラルドさんだった。
人違い甚だしい。
しかし読んでみるもので、イメージと全く違う内容に驚いた。
さぞかし高尚な内容だろうと思い込んでいたのだけれど、
「人間どうせ死ぬし酒飲もう」
「英雄も偉人も死ねば灰だし酒飲もう」
「酒飲もう酒飲もう酒飲もう」
という詩ばかりで、いやもちろん上のは激しい意訳だが大体まあこんな感じで、非常に親近感を覚えた。
や、親近感は酒にじゃなくて、全編に溢れる無常観に。
酒も好きだけど。好きだけど!
祇園精舎の鐘がBGMでもいいんじゃないかと思うような空気で、でもそこには消し切れない人情もある。
面白かった。
ただ、翻訳が文語調でなくあえて口語調にしたとのことなのだけど、趣きがなくなり過ぎていて残念。
原文も口語調なのかも知れないが、もう少し形式美も欲しかった。 -
詩情というものをあまり解さない自分ではあるが、本篇は違った。
刹那の美というか自暴自棄とさえ取れるような感情の発露に共感の思いを抱き、遠く中東の乾燥地帯の人間模様に憧憬の念を抱かずにはいられなかった。
オマル・ハイヤームという人が過去に存在し、数百年を経てその情念が受け継がれていく、過去から変わらぬ人の営みがそこにある、そう感じた。 -
以下引用。
3
魂よ、謎を解くことはお前には出来ない。
さかしい知者の立場になることは出来ない。
せめては酒と盃でこの世に楽土をひらこう。
あの世でお前が楽土に行けるときまってはいない。(p.14)
12
苦心して学徳をつみかさねた人たちは
「世の燈明」と仰がれて光りかがやきながら、
闇の夜にぼそぼそお伽ばなしをしたばかりで、
夜も明けやらぬに早や燃えつきてしまった。(p.18)
(13)
この道を歩んで行った人たちは、ねえ酒姫(サーキイ)、
もうあの誇らしい地のふところに臥したよ。
酒をのんで、おれの言うことをききたまえ――
あの人たちの言ったことはただの風だよ。(p.19)
(14)
愚かしい者ども知恵の結晶をもとめては
大空のめぐる中でくさぐさの論を立てた。
だが、ついに宇宙の謎には達せず、
しばしたわごとしてやがてねむりこけた!(p.19)
(20)
よい人と一生安らかにいたとて、
一生この世の栄耀をつくしたとて、
所詮は旅出する身の上だもの、
すべて一場の夢さ、一生に何を見たとて。(p.25)
41
一滴の水だったものは海に注ぐ。
一握の塵だったものは土にかえる。
この世に来てまた立ち去るお前の姿は
一匹の蠅――風とともに来て風とともに去る。(p.42)
46
この永遠の旅路を人はただ歩み去るばかり、
帰ってきて謎を明かしてくれる人はない。
気をつけてこのはたごやに忘れ物をするな、
出て行ったが最後二度と再び帰っては来れない。(p.44)
50
われらは人形で人形使いは天さ。
それは比喩ではなくて現実なんだ。
この席で一くさり演技(わざ)をすませば、
一つずつ無の手筥(てばこ)に入れられるのさ。(p.46) -
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2012/6/25再読
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お酒が好きな人の詩集。
もう酒と美人があればいい!
今を楽しもーぜ!!っていうのが70歳の悟りです。
ルバイヤートって作品名じゃなくて、4行詩集っていう意味なんだって(ルバーイイの複数系)。
解説まで読んでよかった!
お酒好きっていうのも現世を一番大切にっていうのも、イスラム教の神様絶対主義への反感であり(お酒とか女とか、禁止だもんね)、自然科学を純粋に研究したい自分とそれを許さない宗教の強い力へ物申したものであった。
でもさ、天文学が素晴らしいのはラマダン月なんかを正確に行うため、つまり宗教のおかげで発展してるらしい。うーむ宗教パワーも悪かないな。かの有名なジャラリー暦の誕生だよ。
日本語訳じゃイマイチわからないけど、ペルシア語としてとっても美しい詩らしい。
アラビア系イスラム文化の勢力に押されまくっていたペルシアが、政治的な作意の中からも自国文化にもう一度向き合ったのはすごく大きいことだったんだとわかった(イスラム勢力が気にいらない封建貴族がイスラム語がわからない地元農民を、我らがペルシア文化をー!って気持ちを共有することで仲間に取り込んで蜂起した)。
昔からあった大きな国だもの!ペルシア、興味深いなぁ!
最後まで読まなかったら、ただの飲んだくれの詩集で片付けてしまうところだった。危ない危ない。
それにしても、イスラム圏の賢者は一人で化学や医学、物理などとあらゆる科学に精通していたのに加えて、綺麗な韻文を書いちゃう文才まであったんだから、本当に勉強家な民族だなぁと尊敬します!
ちなみにハイヤームが見つけた数え方の方が、今の暦より太陽周りとの誤差が少ないらしい!すごいな!!
(7回4年ごとの閏年をやって、8回目は5年目に閏年をやるんやって!数えんのめんどいから不採用って!!笑)-
「もう酒と美人があればいい!」
私はお酒に滅法弱いので、皆美人に見えちゃう。ちょーシアワセ者です、、、
じゃなくて「ルバイヤート」を読まれた...「もう酒と美人があればいい!」
私はお酒に滅法弱いので、皆美人に見えちゃう。ちょーシアワセ者です、、、
じゃなくて「ルバイヤート」を読まれたら「アラブ飲酒詩選」もどーぞ!2012/05/15
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飲酒の肯定がすばらしい
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ペルシア詩に初めて触れた。解説の濃さにも驚いた。遥か彼方の異国の風と土とが香るような一冊だった。人生観というか、全体に漂うテーマも好き。
いくつか好きな詩があった。一番好きなものはこちら。
あすの日が誰にいったい保証出来よう?
哀れな胸を今この時こそたのしくしよう。
月の君よ、さあ、月の下で酒をのもう、
われらは行くし、月はかぎりなくめぐって来よう!
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酒!飲まずにはいられないッ!
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ノリよく力強く、でも哲学的な詩
ざっくばらんに言ってしまうと「後先のことなんてクヨクヨしてでもしょうがないし酒飲もうぜ!」というところか。
サクッとストレスなく読めるのでオススメ
↓一番好きな詩
宇宙の真理は不可知なのに、なあ、
そんなに心を労してなんの甲斐があるか?
身を天命にまかして心の悩みはすてよ、
ふりかかった筆のはこび*はどうせ避けられないや。 -
善アフラマズダ、悪アーリマン▼人間の王イマ(ジャムシード)。ヘビの怪物アジ・ダハーカ(ザッハーク)。『アヴェスター』6世紀成立
※古代イラン語。
ホスロー1による編纂。ササン朝ペルシア。
※マニ教。清らかな魂を作ったのがアフラマズダ。糞尿を出す醜い肉体を作ったのがアーリマン。Manichean(マニキーアン):なんでも二元論「白か黒か」で判断する人。
ジャムシード。偉大な王。栄光、尊厳。しかしある日、王曰く。すべては私の恩恵。お前たちは私のうちに創造主を認めよ。すると、神の恵みは王を離れた。争いが世に広がり、人心が離れる。神にはたとえ王でも謙虚につかえよ。創造主(アフラマズダ)をあがめない者はこの世に恐怖と騒乱をもたらす▼ザッハーク。悪魔にそそのかされる。父である王を殺せばあなたが王に今すぐなれますよ。悪魔は落とし穴を掘ってザッハークの父を殺す。悪魔がザッハークにお願いごと。あなたの肩に口づけしてもいいですか。口づけゆるす。すると両肩から黒いヘビがはえてきた。切り落としてもまたはえてくる。『シャー・ナーメ(王書)』1010
※建国神話。イランの神話。シャーの書。シャー・ナーメ。神代からササン朝まで。イスラム教国イランには、ムハンマド以前の歴史がある。
※フィルドゥシー。ガズナ朝マフムードに仕える。
辛抱強さはよいものだ。順風満帆のときであればなおよい。ニザーム=アルムルク『統治の書』11世紀
※セルジューク朝マリク=シャーに仕える宰相。
楽しく過ごせ、ただひとときの命を。一片の土の塊もケイコバードやジャム(イランの王たち)。世の現象も人の命も、つかの間の夢、錯覚、幻(109)▼酒を飲め、それこそ永遠のいのち。青春の唯一のしるし。花と酒、君も浮かれる春の季節。楽しめ一瞬を、それこそ真の人生(133)▼さぁ、ハイヤームよ、酒に酔って。チューリップのような美女に喜べ。世の終局は虚無に帰する。喜べ、無いはずのものが有ると思って(140)。オマル・ハイヤームKhayyam『ルバイヤート(Rubaiyat)』11世紀
※ペルシアの数学者・天文学者。ジャラーリー暦(現イラン暦)を生み出す。
※セルジューク朝(11c)マリク=シャー時代。宰相ニザーム=アルムルクに仕える。
※英の詩人エドワード・フィッツジェラルド(1809-1883)による英訳。 -
世界史で昔習った記憶がちょっとあるだけのこの本を読もうと思ったのは、有栖川有栖さんの「孤島パズル」がきっかけでした。11世紀といえば、我が国は平安時代後期、無常観がひたひたと心に忍び寄る時代でしたよね。
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短かいからいい。嫌なことはお酒飲んで忘れちゃおう♪みたいな感じが好き
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ほろ酔いの時に読みたい本。
古代ペルシャの詩だけど、現代の人にも通じる。厭世的な詩が多いけれど。
オマル・ハイヤームの作品
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