ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1)

制作 : 小川 亮作 
  • 岩波書店 (1979年9月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003278314

ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1)の感想・レビュー・書評

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  • 死を匂わせながらも、生が輝く力強い詩が揃っています。
    ルバイヤートとはペルシア語で「4行詩」のこと。イランの詩人オマル・ハイヤームが中世ペルシア時代――約1000年も前に歌った詩はどれも刹那的な輝きを放ち、時を経て現代をも照らす力があります。

    いつか死ぬ。だからこの一杯を味わおう。
    今この瞬間、今ある命を、精一杯光らせるために。
    人生の儚さと生命の瞬きを愛でた、珠玉の詩。

  • 絶対に酒を片手に読むべき一冊。
    全体を通して、「人生はあっけないものだし、死後もどうなるかなんてわからない。だったら酒を飲んで今この瞬間を楽しもう!」と語りかける四行詩集。

    虚しくも享楽的で、真理をつく端的な言葉が凄くいいです。
    こんなに魅せられて一気読みするとわかってたら、この世界観にもっとどっぷり浸れるように、「紅の美酒(くれないのうまざけ)」買っておくべきでした。

    「いつまで一生をうぬぼれておれよう、
    有る無しの論議になどふけっておれよう?
    酒をのめ、
    こう悲しみの多い人生は眠るか酔うかしてすごしたがよかろう!」

  • 立ち読みで惚れ惚れとし、衝動買いして一気呵成に読んでしまった。
    神(アラー)に対する、被造物の文句と、酒を飲め飲めということ。
    イスラムを全く知らない日本人現代人の持つ無常観と、オマルの呻きは千年の時を超えて通じ合う。

  • 詩情というものをあまり解さない自分ではあるが、本篇は違った。
    刹那の美というか自暴自棄とさえ取れるような感情の発露に共感の思いを抱き、遠く中東の乾燥地帯の人間模様に憧憬の念を抱かずにはいられなかった。
    オマル・ハイヤームという人が過去に存在し、数百年を経てその情念が受け継がれていく、過去から変わらぬ人の営みがそこにある、そう感じた。

  • 以下引用。

    3
    魂よ、謎を解くことはお前には出来ない。
    さかしい知者の立場になることは出来ない。
    せめては酒と盃でこの世に楽土をひらこう。
    あの世でお前が楽土に行けるときまってはいない。(p.14)

    12
    苦心して学徳をつみかさねた人たちは
    「世の燈明」と仰がれて光りかがやきながら、
    闇の夜にぼそぼそお伽ばなしをしたばかりで、
    夜も明けやらぬに早や燃えつきてしまった。(p.18)

    (13)
    この道を歩んで行った人たちは、ねえ酒姫(サーキイ)、
    もうあの誇らしい地のふところに臥したよ。
    酒をのんで、おれの言うことをききたまえ――
     あの人たちの言ったことはただの風だよ。(p.19)

    (14)
    愚かしい者ども知恵の結晶をもとめては
    大空のめぐる中でくさぐさの論を立てた。
    だが、ついに宇宙の謎には達せず、
    しばしたわごとしてやがてねむりこけた!(p.19)

    (20)
    よい人と一生安らかにいたとて、
    一生この世の栄耀をつくしたとて、
    所詮は旅出する身の上だもの、
    すべて一場の夢さ、一生に何を見たとて。(p.25)

    41
    一滴の水だったものは海に注ぐ。
    一握の塵だったものは土にかえる。
    この世に来てまた立ち去るお前の姿は
    一匹の蠅――風とともに来て風とともに去る。(p.42)

    46
    この永遠の旅路を人はただ歩み去るばかり、
    帰ってきて謎を明かしてくれる人はない。
    気をつけてこのはたごやに忘れ物をするな、
    出て行ったが最後二度と再び帰っては来れない。(p.44)

    50
    われらは人形で人形使いは天さ。
    それは比喩ではなくて現実なんだ。
    この席で一くさり演技(わざ)をすませば、
    一つずつ無の手筥(てばこ)に入れられるのさ。(p.46)

  • 2012/6/25再読

  • お酒が好きな人の詩集。

    もう酒と美人があればいい!
    今を楽しもーぜ!!っていうのが70歳の悟りです。

    ルバイヤートって作品名じゃなくて、4行詩集っていう意味なんだって(ルバーイイの複数系)。

    解説まで読んでよかった!

    お酒好きっていうのも現世を一番大切にっていうのも、イスラム教の神様絶対主義への反感であり(お酒とか女とか、禁止だもんね)、自然科学を純粋に研究したい自分とそれを許さない宗教の強い力へ物申したものであった。

    でもさ、天文学が素晴らしいのはラマダン月なんかを正確に行うため、つまり宗教のおかげで発展してるらしい。うーむ宗教パワーも悪かないな。かの有名なジャラリー暦の誕生だよ。

    日本語訳じゃイマイチわからないけど、ペルシア語としてとっても美しい詩らしい。

    アラビア系イスラム文化の勢力に押されまくっていたペルシアが、政治的な作意の中からも自国文化にもう一度向き合ったのはすごく大きいことだったんだとわかった(イスラム勢力が気にいらない封建貴族がイスラム語がわからない地元農民を、我らがペルシア文化をー!って気持ちを共有することで仲間に取り込んで蜂起した)。

    昔からあった大きな国だもの!ペルシア、興味深いなぁ!

    最後まで読まなかったら、ただの飲んだくれの詩集で片付けてしまうところだった。危ない危ない。

    それにしても、イスラム圏の賢者は一人で化学や医学、物理などとあらゆる科学に精通していたのに加えて、綺麗な韻文を書いちゃう文才まであったんだから、本当に勉強家な民族だなぁと尊敬します!

    ちなみにハイヤームが見つけた数え方の方が、今の暦より太陽周りとの誤差が少ないらしい!すごいな!!
    (7回4年ごとの閏年をやって、8回目は5年目に閏年をやるんやって!数えんのめんどいから不採用って!!笑)

  • 飲酒の肯定がすばらしい

  • イスラームの詩というと、難しそうだったり考えもつかないことが書かれているイメージだったけど、これは違った。
    どの詩も身にしみるものばかりで、余計な感傷が一切ないのがかえって感情に訴えるのか、胸を打つものが多かった。その詩は無常観がありペシミスティックだけど、斜に構えたものではない。真理を追求し続けた学者が見るまぎれもない現実を写しており、酒、チューリップ、酒姫(少年)、歌が出てくるが享楽的な感じはしない。『明日なんてあると思うな、今このときを楽しもう、今日目を楽しませる若草が、明日きみの体から生えていないとは限るまい』明日も神も信じないからこその真実味、そこからくる美しさ、文化も年月も超えた良さがここにある。

  •  好きな詩やフレーズは数点ありましたが、全体的に読み流し。

     好きな詩。
    『わが宗旨はうんと酒のんでたのしむこと、
     わが信条は正信と邪教の争いをはなれること。
     久遠の花嫁に欲しい形見は何かときいたら、 
     答えて言ったよーーーーー君が心のよろこびをと。』
      ここの久遠の花嫁は、「自然、人生」の注釈有り。

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