王書: 古代ペルシャの神話・伝説 (岩波文庫 赤 786-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003278611

感想・レビュー・書評

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  • 再読。イランの古事記(もしくは平家物語?)とでもいうべき「ペルシャ王列伝」なのだけど、ヒロイック・ファンタジー的な物語自体の面白さがあり、難しく考えずに英雄や女戦士の活躍っぷりを普通にワクワクドキドキしながら読んだ。

    この手の古い物語はなぜかどこの国の神話や民話にも共通のモチーフが多いようで、兄弟はだいたい末っ子が一番優秀で兄は嫉妬から弟を虐げるし、継母(父王の後妻)が継子の王子を恋慕して、言い寄って拒否られたら途端に自分の服を引き裂き「乱暴されました!」っていうエピソードとか既視感満載。日本なら説教節の『しんとく丸』ですね。

    神鳥に育てられた白髪のザールとか、蛇王ザッハークとか、現代の異世界ファンタジーにもいかにも登場しそう(と思ったらアルスラーン戦記に蛇王ザッハークいた)

  • イランの『古事記』的な作品の日本語訳。
    この国は昔から、色々な人の集団が覇権を握るために戦いを繰り返していたことがよくわかる。
    読みやすさを優先し、訳注が最小限だったのが、今回は良い方向にはたらいていたと思う。

  • かなりの部分訳なので、ざっくりと把握したい人向き。

  • インドのバラモンの神話と系統を同じくするイラン(ペルシア)の神話も徐々にその姿を変え、ゾロアスター教の時代には、アスラ族のヴァルナを主神として、光の神アフラ・マズダーと呼び、さらに後の11世紀には、よりロマンチックに変化した伝説として、王書(シャーナーメ)が書かれた。
    そこでは閻魔(ヤマ)はジャムシードと呼ばれ、伝説の王となる。
    邪悪な蛇王ザッハークの支配や、白髪の英雄ザール、霊鳥スィーモルグ、ザールの息子ロスタムと、ロスタムの息子ソフラーブとの、互いに父子と知らぬ決闘の行方。

  • 善アフラマズダ、悪アーリマン。▼人間の王イマ(ジャムシード)。ヘビの怪物アジ・ダハーカ(ザッハーク)。『アヴェスター』6世紀成立
    ✳︎古代イラン語
    ✳︎ホスロー1。
    *マニ教。清らかな魂を作ったのがアフラマズダ。糞尿を出す醜い肉体を作ったのがアーリマン。Manichean(マニキーアン):なんでも二元論「白か黒か」で判断する人。

    ジャムシード。偉大な王。栄光、尊厳。しかしある日、王曰く。すべては私の恩恵。お前たちは私のうちに創造主を認めよ。すると、神の恵みは王を離れた。争いが世に広がり、人心が離れる。神にはたとえ王でも謙虚につかえよ。創造主(アフラマズダ)をあがめない者はこの世に恐怖と騒乱をもたらす。▼ザッハーク。悪魔にそそのかされる。父である王を殺せばあなたが王に今すぐなれますよ。悪魔は落とし穴を掘ってザッハークの父を殺す。悪魔がザッハークにお願いごと。あなたの肩に口づけしてもいいですか。口づけゆるす。すると両肩から黒いヘビがはえてきた。切り落としてもまたはえてくる。『王書』1010

    ✳︎建国神話。イランの神話。シャーの書。シャー・ナーメ。イスラム教国イランには、ムハンマド以前の歴史がある。
    ✳︎フィルドゥシー。ガズナ朝マフムードにつかえる。

  • ペルシア文学史を読んでいて気になっていた王の書。楽しく読んだ。ぜひペルシャ語で韻を踏んで聞いてみたい(聞いても分からないのだが)。

  • 原書名:Le livre des Rois(Firdawsi)
    著者:フィルドウスィー
    訳:岡田恵美子

  • 出口さん

  • 出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介
    神話・伝説・歴史時代の3部構成からなるペルシャ建国の物語。

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