続審問 (岩波文庫)

著者 :
制作 : Jorge Luis Borges  中村 健二 
  • 岩波書店
4.00
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本棚登録 : 138
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003279236

作品紹介・あらすじ

ボルヘスのエッセイの極北。古今東西の作家や文学作品を思いも及ばぬ驚異的な連想力で結びつけ、作家をつうじて現れた文学表現の総体性もしくは伝統を論じる文学論の奇観。短篇小説と同じよろこびを感じながら読むことができる。底知れぬ奥行きをもつ評論集。

感想・レビュー・書評

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  • ボルヘスが30代後半から50代前半にかけて執筆されたエッセイ集。ここでは小説や詩作で用いられる意匠=衣装は剥ぎ取られ、工匠者としてのルーツを考証可能とする裸の知性そのものに触れることが出来る。言及し研究された書物は西洋史を縦断しつつもスペイン語圏の作家まで無数に上り、そのテーマも文学論から神学論、哲学的命題と横断的である。バベルの図書館の元ネタとなる作品が存在していたのは驚きであった。しかしボルヘス的なものは言及すればするほど遠ざかる、まるで彼の作品の主題となる無限後退性そのものの様な気がしてしまうのだ。

  • エッセイというよりは論文に近い印象を受けるし、小説かもと思う瞬間もある。特に、一番最初の『城壁と書物』は読み進めてしばらくは「エッセイなんだよなぁ?」と疑ってしまった。

    まぁ、それは『伝奇集』読了後すぐに読んだせいかもしれないけれど。

    中身は世界中(と言っても差し支えないと思う)の文学、思想がぎっしり。南米や作家に関するものならある程度の知識があれば理解できる。しかしその他になると全くのお手上げ。分析言語だとか、新時間否認論だとか、「なにこれ……?」と思う単語を挙げていくときりがない。

    それにしてもヨーロッパ・アジアの文学や思想まで網羅しているとは思っていなかった。「図書館か!」とTwitterで呟く位、ボルヘスの知識の広さに驚いた。

    とにかく馴染みの無い言葉ばかりで、正直全てを読み込むまでには至らなかった。そういう意味での評価なので、あまり正当とは言えない……。

    あー、本当難しかった。どのくらいの本を読めば理解し尽くせるだろうか……笑

  • ボルヘスの頭の中のごく一部をほんの少し覗けたような気がする。
    作家、作品、思想、哲学、次々とキーワードが並び、膨大な知識と理解があってこその説得力。耳慣れない言葉が分解されて頭にするすると入ってくる不思議。そして名前の上がる本はことごとく読みたくなる、さすが人間図書館。

  • 5/4 読了。

  • “私(ボルヘス)はこれまで生活をするというよりは本を読んできた”というボルヘス自身の言葉(うろ覚え)が、本書のどこかにあったと思う。どこだったか? 本書は一冊まるごと全てが迷宮なので、いま一度初めから読まないと、ふたたび出会うことはないかもしれない。
    もしかしたら私の思い込みで、違う著書だったかもしれない。
    まぁいい。“生活をするというよりは本を読んできた”人の著書をすべて“理解”するには、“生活をしながら本を読んでいる”自分では到底無理なのだ。諦めよう、ウン(笑)

    さておき、良いエッセイというのは読者を動かすものだと思っている。食べ物に関するエッセイなら食べてみたいと思わせる、実際にお店へ向かわせるといったような。
    本書はその意味で間違いなく良エッセイ。『城壁と書物』から『初期のウェルズ』あたりまではムチャクチャ楽しく、少なくとも私は“動かされた”。

    いくつかの項は上述した通り「解んねぇよ」で終了してしまうが(笑)、その解らなさを楽しみつつ、部分的に非常に面白いと感じるくだりを拾い上げたりできるのが素晴らしい。
    (神=球体ってことは、TVドラマ『プリズナーNo.6』に登場する球体は神ですかとか、J.W.ダンの駄目出しされた時間概念を、某アニメ劇場版にあてはめて考えると大変興味深いのですがとか、時代を超えて他メディア・他ジャンルに照らし合わせが可能という汎用性の高さ)

  • 2012/4/23購入

  • 予表という単語の話。

  • レトリックに満ちたボルヘスのエッセイは、止められない魅力がある。

  • この本に出てくる文学者を半数も知らない体たらくだが、それでも面白かった。
    …ボルヘスびいきだからか…?

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