グアテマラ伝説集 (岩波文庫)

制作 : 牛島 信明 
  • 岩波書店
3.70
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本棚登録 : 94
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003279519

作品紹介・あらすじ

マヤの神話、インディオ世界への深い共感と愛惜をこめて書きあげられた、グアテマラのノーベル賞作家アストゥリアス(1899‐1974)による"魔術的リアリズム"の傑作。「「大帽子の男」の伝説」「「花咲く地」の財宝の伝説」「春嵐の妖術師たち」など、古代マヤ、植民地時代の信仰と伝説が力強く痙攣する蠱惑的な夢の精髄。

感想・レビュー・書評

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  •  イメージの衝突が異様な文体は、さらっと読み流しては何を書いているかさっぱりわからないし、かといってじっくり読んでもはっきりとした像を結んでくれることはほとんどないのだけれど、それでいて流れの起伏に巻き込まれてしまうような、有無を言わさない迫力が感じられて、得体の知れない興奮が湧き上がってくるような、そんな作品が多かった、ように思う。
     最後の戯曲はテンポが悪くて読んでいて退屈してしまったのだけれど、類推できるさらに先のスケール感をぶつけてくるような雰囲気には、呑まれる。動かされるイメージが、まるで常識外れであって、やっぱり意味はわからないのだけれど、それでいいのだと思います。映像美に酔うように、読ませていただきました。

  • 短編集というより散文詩集。全体像はなかなか飲み込みづらいけれど、一文一文の喚起する原色の生命力がすばらしい。「根」や「川」が擬人化される点など、まったく知らない文化を背景にしたものを読む感覚が新鮮だった。何度も読んでうっとりしたいし、できれば布張りのハードカバーで持っていたい。

  • 読みにくいと言うよりも文章が硬質で、読む側のイメージが膨らまないのかな?
    すり減った石鹸が泡立ちにくいようなさ。

    しかし日本人には馴染みがある、抵抗ない内容でないか?

    前半は短い伝承民話が連なる。イラストは雰囲気ある。
    あまり馴染みのないアステカ文明の神様、川、道路などが、あたかも人と同じようにナチュラルに登場してくる。呪術師=巫女、動物の神様=お稲荷さん。

    後半は彼らの最高神ククルカンの劇仕立ての物語。

    まあでももうちょっとエンタメ要素があった方が読む側のテンションはあがる。

  • 真剣に読んだけれど、なかなか繋がらない。前半のいくつかの物語はともかく、『春嵐の妖術師たち』なんて一体どう読めと。ラストの『ククルカン』まで読んでようやくほんの少しイメージが形に…とはいえ、まだまだ全然理解できていない。ただ、おそらく今後も何度か読むだろうとは思う。

  • わけわからんがなんか凄いな

  • ラテンアメリカ文学において、魔術的レアリスムの祖といえば、キューバのアレッホ・カルペンティエールとこの人なのだそう。
    全体的にとても寓話的な内容で、魔術的レアリスムはいかにして文学の一ジャンルと成ったか、知るきっかけを提供してくれた。
    というのもこのレビューを書くために、著者についてちょろり調べ始めたら最後、そこから芋づる式にあっちこっちへ飛ばされ、そのこと自体がもう魔術的レアリスム状態(笑)

    本書はタイトル通り、グアテマラに古くから伝わる神話や伝説——古代マヤ文明にまつわる民間伝承をベースにしているらしい。
    読んでいて面白かったのは、私だけかもしれないが、古代アフリカ文明を想起させる雰囲気が文章から感じられること。といっても、古代アフリカに精通しているわけではなく、何というか、脳みそが陽気に明滅する感じ……あ、まさに魔術的レアリスムじゃん。
    いや、ただ単に挿絵のせい(笑)

    魔術的レアリスムが中南米文学にぴたりハマった背景には、古代文明の発祥→ヨーロッパ諸国による植民地支配→独立後も独裁政治やクーデーター等で政情が不安定といった、自然文化的に豊穣でありながら幾度となく踏みにじられてきた国状の、負の連鎖みたいなものが少なからず関係しているのかな、などと思ったり。
    多くの中南米作家がフランスに留学経験があって、元新聞記者なのも共通項として興味深い。

    戯曲形式の『ククルカン—羽毛に覆われた蛇』が内容の微妙さも含めて印象深い。ククルカン(ケツァール)は神の鳥と謂われていて、石ノ森章太郎が『火の鳥』でモデルにしたんだそう。
    なるほど美しすぎる鳥だけど、金剛鸚哥を悪者にし過ぎじゃね? インコかわいいぞぉ。金剛鸚哥は飼ってないけどw

  • 集英社の『ラテンアメリカ五人集』というオムニバスで、部分的に読んだことはあったんですが、面白かったのでちゃんと読むことにしました。「~伝説」シリーズもどれも面白かったですが、圧巻はやはり前述オムニバスにも収録されていた「春嵐の妖術師たち」。極彩色の壮大な天地創造神話は圧巻です。とにかく文章が詩的で美しく、あまりに詩的すぎて意味がわからなくなることもしばしば(笑)。なんていうか、神話というより預言書的な、独特の支離滅裂さ(?)があって、とっつきにくいといえばとっつきにくい。ひとつひとつの言葉の意味を具体的にイメージしようとすると頭がパンクしてしまうので、個人的には言葉のリズムやイメージだけを楽しむようにして読みました。古代マヤやインディオの伝説がシュールレアリズムと融合してマジックリアリズムを生み出しちゃったんですねえ。面白いなあ。

  • グアテマラ共和国は中央アメリカ北部の国。マヤ文明が栄えたところ。マヤ文明って南アメリカだと思ってたよ。
    マヤ文明の影響を受けている話しとかあるのかな?

  • 岩波文庫(赤) 080/I
    資料ID 20102004734

  • 読みたい本。

    新聞広告によると「魔術的リアリズムの傑作」とのこと。

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