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Amazon.co.jp ・本 (340ページ) / ISBN・EAN: 9784003279915
作品紹介・あらすじ
ラテンアメリカに広く分布し代表的なもの,日本の昔話に関係がありそうなものを中心に三七話を精選.それぞれの民話が世界の他地域でどのように変奏されているかなどについて,簡略適確な解説を付す.内容により,動物譚,本格民話,笑話,形式譚に分類.スペイン語文化圏であるアメリカ南西部旧メキシコ領で採話された民話も含めた.
みんなの感想まとめ
ラテンアメリカの民話を通じて、異文化間の共通性や親近感を感じられる一冊です。37話の物語は、動物譚や本格民話、笑話、形式譚に分類されており、微笑ましさと残酷さを併せ持つ奇妙なエピソードが展開します。特...
感想・レビュー・書評
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ラテンアメリカの民話のうち、
日本の昔話とも関係があると見なされるものをメインに
集められた37話。
残酷かつ笑いを誘う奇妙な小咄の数々。
Ⅰ 動物譚
どこかで見聞きしたことがあるような、
微笑ましくも残酷な動物たちのドラマ。
ギリシャやゲルマン文化圏から中世に南欧へ伝わり、
その後アジアやアメリカに伝播したとされる物語の類型、他。
Ⅱ 本格民話
ドミニカ共和国の「悪魔の三本の毛」で、
普通の頭髪の中から三本を抜き取る話だとわかってはいるのだが、
つい、オバQをイメージして笑ってしまった。
メキシコ「神父を殺した少年」の生首の件には
岡本綺堂「西瓜」を思い出さずにいられない。
Ⅲ笑話
素朴な笑い話の数々だが、狡猾な助言者が主人公に
(目的のためとはいえ)悪事を唆すパターンも多々。
Ⅳ形式譚
=内容よりも語りの形式の面白さを重視する民話。
*解説
メキシコの民話はスペインのものをそのまま受け継ぎ、
ネイティヴの影響をほとんど受けておらず、
この考え方はブラジル以外のラテンアメリカ全域に
敷衍され得ることが確認されている。
つまり、ネイティヴの民話は
スペイン民話の影響を受けているが、
白人の側の民話には少数民族の民話の要素が見出されない。
しかし、アルゼンチンにおいては、
すべての民話が欧州起源であるとの説には疑問が呈され、
少数ながら現地民発祥のものがあるという主張がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なかなか面白かった。
地球の反対側であまり接点もないラテンアメリカだけれど「民話」という点でみると内容が類似していたり考え方が似ていたりと繋がりを感じた。
ラテンアメリカはアート作品とかも素晴らしいイメージがあるからもっとリサーチしようと思った。
新たな視点って大事。 -
動物譚、本格民話、笑話、形式譚の4つのジャンルにざっくり分類されており、さらに1話ごとに詳細な類話やパターンの解説もあってとても親切。民話はとにかく頒布地域が広くさまざまな類似のバリエーションがあるので、今まで読んだスペイン民話、イタリア民話、さらにグリム童話などとの共通点がやはりとても多かった。もちろん日本の昔話とも。
個人的に楽しいのは本格民話に分類されている話で、こちらは王子様や王女様、魔法や悪魔などが登場する波乱万丈の冒険物語が多いので単純に楽しい。
「死体のはらわた」はスペイン民話にもあったけれどほんとただのホラーで怖すぎる。子供の頃読んでトラウマになった楳図かずお『恐怖』の中に心臓移植された女の子のところに元の持ち主(当然死んでる)が現れて「私の心臓返して~!」というやつを思い出す。民話のほうは心臓移植なんて医療技術の問題じゃなくシンプルに、飢えて死体のはらわたを食べてしまうという話なのでこっちのほうがおぞましさは本来上か。
「ヘビの恋人」はタイトル通り、一種の蛇婿入りの話だけれど、イケメンに見えてるのは被害者少女にだけで他の人間には蛇にしか見えていないので、結果魔法が解けたら王子様でしたとはならず蛇はあくまで邪悪な蛇として退治され、さらに妊娠していた少女は小蛇をうじゃうじゃ産むというあたりがなんともグロテスク・・・。
「ウイキョウの輪とシラミの皮」は王様が巨大に育てた虱の皮を見破ったものに王女を与えると約束する系で、ペンタメロンではノミだったかな。分岐点があり、ペンタメロンなどでは王女をものにするのが悪い鬼の類で王女が虐待されるも知恵ある若者たちに助けられ逃走するパターン、本書のほうでは王子がさまざまな異能の仲間をひきつれて知恵を使って真相を見破り王女を手に入れハッピーエンドのパターン。
「七色の鳥」「素晴らしい魔法の鳥」はどちらも三人兄弟の末っ子最強系でなおかつ、魔法の鳥、魔法の馬、美しい王女の3つがワンセットで、難関クリアした末っ子がすべてゲットするも兄二人に妬まれ一度は殺されるが蘇るパターン。
「魔法をかけられた三人の王女」は、ペンタメロンなどにもあるいわゆる「3つのオレンジ」に分類される話だけど、こちらは3つの林檎にそれぞれお姫様が入っていて、ちょっとおバカな救出者は、食べたらダメって言われたのに食べようとして二人まで死なせてしまうあたりが酷い。これに限らず親切な忠告者のアドバイスを聞かない登場人物が他の国の民話より多かったような気がする。
「あらずもがなのことば」は、まんま日本の「こぶとり爺さん」、「手なし娘」は細部に差異はあるけれどグリム童話のと大枠はほぼ同じストーリー、やっぱり民話って世界共通で、どこから発祥してどう広がったのかとても興味深い。
ラテンアメリカらしい特徴としては当たり前だけど登場人物の名前がだいたい「ホアン」なところ。ロシアならイワン、英米ならジョン、ドイツならヨハンってとこかな?あと最後の形式譚に「ゴキブリのマンディンガ」というのがあるんですが、なかなか日本の昔話には昆虫出てきてもせいぜいアリやハチあたりで、Gが主役のものはないと思うので、なんかちょっとびっくりします。
<動物譚>
ネコの夫婦/ウサギとトラ/子ヤギ/こがねの足をもったヒヨコ/シカと海ガメ
<本格民話>
愛の三角宮殿/歌う袋/ヘルンビー/死神の名付け親/死体のはらわた/魔法をかけられた三人の王女/ヘビの恋人/悪魔の三本の毛/あらずもがなのことば/忠義な家来/七色の鳥/素晴らしい魔法の鳥/魔法のテーブル掛け/ナンシと王女/ウイキョウの輪とシラミの皮/手なし娘/オリーブの花/神父を殺した少年
<笑話>
ゆで卵からヒヨコはかえらない/少女と王子/手まねで話す神父/たちの悪い王さま/知らない人に買ってもらいな/ホアンとチキチン/ホアン・ソンソとペドロ・アニマル/ペドロ・デ・ウルデマラス/さっかく/いちばん良い夢/ジョアン・グルメテ
<形式譚>
十二の数え歌/ゴキブリのマンディンガ/果てなし話 -
ラテンアメリカ(ただし、本書ではフランス語圏であるハイチで収集された民話を含んでおらず、イベロアメリカと呼ぶのが正しいようだ)の国々に伝わる民話の中から37話を収録したもの。多くが土着の民話ではなく西欧から伝えられた話とのことだが、同様の話型を用いた話がほかにどういった地域に分布しているか、ルーツとされている場所はどこかという解説があり、そこから見えてくるものがおもしろい。時には西欧のそれよりもむしろ日本の昔話に近い内容のものがあったりと、全体として親近感の湧く内容だった。動物譚や笑話が多く収録されているのも嬉しい。
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ラテン諸国の色合いが強い民話集。日本の民話集に近い話も多く、人間がどこに生活していても、共通の概念はあるのかもしれない。
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どの話も短く隙間時間にさくさく読めます。一話づつに丁寧な解説があり各国の昔話と対比させた解説も興味深かったです。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/738948 -
日本の民話と共通する描写があり、また海外独特の描写もあり面白い。
民話研究者の解説も興味深い。
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