蘭学事始 (岩波文庫 青20-1)

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  • 岩波書店 (1982年3月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784003302019

みんなの感想まとめ

翻訳の苦労と情熱が描かれたこの作品は、江戸時代の医学書『ターヘル・アナトミア』の翻訳過程を通じて、洋学の普及に向けた挑戦と障害を浮き彫りにしています。著者は、杉田玄白が禁忌とされていた人体解剖に立ち会...

感想・レビュー・書評

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  • ターヘル・アナトミアを翻訳したときの苦労譚。
    その後「解体新書」へ繋がり、洋学が普及してするまでに様々な障害があったことは想像に難くない。

  • 久しぶりに古文の原文に触れたが、この読みにくさを一文字ずつ紐解く過程こそが、古典を読む醍醐味だと再確認させられた。
    辞書すらない中での解体新書翻訳作業は、想像を絶する。なかでも「フルヘッヘンド(盛り上がる)」という一語の意味を、庭の土の様子から見出す場面の熱量は圧倒的だ。未知の概念に、自分たちの日常から言葉を編み出し、橋を架けていく。前例のない課題に直面しがちな現代のビジネスパーソンにとっても、深い示唆に富んでいる。
    岩波文庫でわずか70ページほど。日本の医学を変えた熱量を感じた一冊。古典から学ぶことは多い。

  • 1959年刊行。江戸時代、オランダ医学書ターヘル・アナトミア(ただし、これは正しい名称ではないらしい)を翻訳した杉田玄白の自叙伝。上は、解体新書作成裏話、下は、杉田玄白から見た同時代の医師・蘭学者(前野良沢、大槻玄沢、桂川甫周、宇田川玄随ら)の足跡を素描したもの。個人的には「上」が面白いし、翻訳に情熱を傾ける関係者の息吹が感じられる。また、注釈を読むと色々な事情(解体新書よりも先に翻訳された解剖図がある。ただし、緻密なものではないため後学には適さなかった。外)が説明され、参考になる。

  • 新書文庫

  • 福沢諭吉が泣いたのも理解できる翻訳の難しさ。轡十文字を書き重ねた杉田らの上に現在の和訳がある。

  • 東大京大教授が薦めるリスト100選抜


    No.81

  • ブックオフ池袋、¥200.

  • 予想に反してすげー面白かったわっ。
    志あるものが出会い、一から蘭学書を訳すという大事業に没頭する様は、こないだ読んだ天地明察に似た興奮がありましたな。
    登場人物も前野良沢はじめ平賀源内など聞いたことある人も多くて親しみわきましたい。
    注釈もなかなか丁寧でありました。

  • 本書は上之巻、下之巻の2巻で構成されるが、面白いのは断然上之巻。下之巻は後日談及び、その後の蘭学者列伝といった趣き。明和8(1771)年3月4日に千住骨ヶ原で「腑分」(人体解剖)が行われ、玄白や良沢等がこれを見学。持参した『ターヘルアナトミア』の図と全く同じであることに驚嘆。翌日から翻訳にかかるが、「わずか一二寸ばかりの文章、一行も解し得ることならぬ」状態から、ついに3年半後『解体新書』を上梓するまでの苦難をその43年後に、に83歳の玄白が回想する。途中には平賀源内のエピソードなどもあり、大いに楽しめる。

  •  
    ── 杉田 玄白/緒方 富雄・訳《蘭学事始 198203‥ 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/400330201X
    …… 杉田 玄白《蘭学事始 1815 1869‥‥ 東京》大槻 玄沢・宛
     
    (20121208)(20231126)
     

  • 感動する。それは未知の世界を解き明かす執念があるから。

  • 杉田玄白らが「ターヘル アナトミア」を翻訳した顛末を玄白本人が記した日記というか記録というか読物です。

    この一事は小学生でも習うような有名な出来事ですが、歴史の単なる1コマとして簡単に流してしまうには勿体ない事がこの本を読めばよくわかります。

    この一事が如何に無謀なチャレンジだったのか!
    どれだけの絶望からチャレンジしなくてはいけなかったのか!
    福沢諭吉が読む度に何度も涙した、というエピソードからもよくわかります。
    こういった人たちが日本人にいたという事実は誇りですし、知っておくべきだと思います。

    そしてせっかく母国語でこんな素晴らしい足跡に触れる事ができるのですから、なるべく原文に近い形で読む事をお勧めします。
    そういった点でもこの岩波文庫版は良いのではないでしょうか。

  • 83歳の杉田玄白が日本の洋学受容の歴史を回顧した本.小泉信三「読書論」に引用されていたので読んでみた.この本のハイライトは,もちろん,小塚原で解剖をみて,解体新書の翻訳を決意し,艱難辛苦をへて訳業を完成させる部分である.翻訳の決意をしたとき,玄白はすでに39歳,前野良沢にいたっては49歳だった.江戸時代にはこれはもう晩年と言ってもいい年齢だろう.それから全く経験のない大事業をなそうというのだから,とてつもない.世の中に役立ちたいというひたすらな情熱が感動的.

    文章は読みやすい.本文はゆったりとした組み方で60ページしかない.詳しすぎるくらいの注と学術的な解説が130ページついている.

  • フルヘッヘンドの解釈については、記憶違いよりは、『風雲児たち』で提示されていた、敢えて創作を入れた説を推したい。

  • 370夜

  • この時代の古文は何とか読めた。表紙カバーに記された文章の感動がまさに迫る内容。

    本文は総ページの3分の1しかないという(あとは用語解説など)本だが、著者の学ぶことに対する謙虚さ・素直さと情熱が淡々とした記録の中から力強く伝わる。

  • ご存知、杉田玄白先生の回想録。医学の発展に掛ける思いや、オランダ語を勉強する苦労などが記されています。「初めて唱える時にあたっては、後の謗りを恐れるような平凡な考えでは企事(くわだてごと)は出来ないものだ」という言葉が好きです。

  • ¥105

  • 本物の名著。とりあえず本の構成がくらくらするぐらいに素晴らしい。蘭学に目覚め、本格的に勉強を始めた苦しい道のり、そして終局へ話が収束していく様はそこら辺のドラマよりもずっと感動的である。福沢諭吉が涙を流したというのも、納得できる話だ。
    これを読まないのはもったいない。

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