福沢諭吉教育論集 (岩波文庫 青 102-4)

著者 :
制作 : 山住 正己 
  • 岩波書店
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003310243

作品紹介・あらすじ

「一身独立して一国独立す」は、福沢の基本理念をあらわす有名な言葉である。その一身を独立させるための啓蒙と教育に彼の生涯は捧げられた。政治と教育の関係、道徳教育のあり方、学校経営の方針から教科書の検定等々にいたるまで、福沢の提起した諸問題とその主張は、今日なおわれわれに示唆を与えずにはおかない。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の稀代の思想家の教育理念が詰まった一冊。
    根底にあるのは、「一身独立して一国独立す。」という有名な文句。これを実現するための手段が多様な角度から描かれる。
    たとえば教科書の編纂に国が関わってしまうと、偏見に満ちたものになってしまう。学者等の自由にしたところで、世間の人は案外眼識乏しからず、適当に選定するだろう。
    とか、
    政治と教育は分離すべきだ、教育は政治と違って、10年20年で効果が出るものなんだから。
    とか、現在も変わらない、いやむしろ最近ホットな話題について、今でも全く色褪せない論調で書いている。


    現代的なトピックについて、100年以上前の先人の考え方を知ることができて、“本ってなんて素晴らしいんだろう”と、教育とは全く関係ないところで感動を覚えた本。

  •  かくの如きはすなわち、日耳曼の人民は隣人の貧困をみて愉快を覚ゆる者ならん。けだし今の世界各国の人民は、自から安楽を知りて他の不幸を知らざる者なり。一国内形体の安全を求めて、国外の安全に愉快を覚ゆるの精神に乏しき者なり。すなわち国の教育の未だ上達せざるものといいて可なり。

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著者プロフィール

1935~1901年。豊前中津藩(現・大分県中津市)下級藩士の次男として生れる。19歳の時、長崎に蘭学修行におもむく。その後、大阪で適塾(蘭方医、緒方洪庵の塾)に入塾。1858年、江戸で蘭学塾(のちの慶應義塾)を開く。その後、幕府の使節団の一員として、3度にわたって欧米を視察。維新後は、民間人の立場で、教育と民衆啓蒙の著述に従事し、人々に大きな影響を与えた。特に『学問のすすめ』は、17冊の小冊子で、各編約20万部、合計で340万部も売れた大ベストセラー。その他の著書に『西洋事情』『文明論之概略』『福翁自伝』など。

「2010年 『独立のすすめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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