後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003311943

感想・レビュー・書評

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  • 内村さんもたいした人だ。でも、デンマーク空港のスパゲティが5千円というのを知らないだろうな・・

  • 後世への遺物として、
    ・ 金
    ・ 事業
    ・ 思想
    そして最大の遺物として、
    ・ 勇ましい高尚なる生涯
    がある。

  • 内村鑑三の講演のログミー。
    代表的日本人を読んでいこう、内村鑑三ブームになってるわけだがこれもまたよい内容であった。人は何を後世にのこせるのか?この問いがもうじき50になる自分も考えることがおおいのだが、その指針になった。
    人が残せるものはまず「お金」。お金というのは空気中に分散してるようなもので、世の中のいたるところにはあるが一箇所にまとめるのは難しい。でも人のなかにはやすやすとそれをやれる人がいるのでそういう人は才能をいかしてお金をあつめて残せばいい。次に事業。お金がなくてもお金のある人からお金をかりて事業をのこすこともできる。これも才覚があればやれること。このあたりが宗教家であるにもかかわらず現世利益をしっかり追求する点で自分が内村鑑三のすきな点。
    そして最後に、金も事業も残すには才覚がいる。才覚のない人は何を残すのか?内村のこたえは「生き方である」と。こういう人がいてこういう生き方をした、ということは誰もが後世に残せる。それも最大の遺産であると。

    私に五十年の命をくれたこの美しい地球、この美しい国、この楽しい社会、このわれわれを育ててくれた山、河、これらに私が何も遺さずには死んでしまいたくない、との希望
    私は何かこの地球に Memento を置いて逝きたい、私がこの地球を愛した証拠を置いて逝きたい、私が同胞を愛した記念碑を置いて逝きたい。
    わが愛する友よ、われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより、世の中を少しなりともよくして往こうではないか」
    何を置いてわれわれがこの愛する地球を去ろうかというのです。そのことについて私も考えた、
    後世へわれわれの遺すもののなかにまず第一番に大切のものがある。何であるかというと金です。われわれが死ぬときに遺産金を社会に遺して逝く、己の子供に遺して逝くばかりでなく、社会に遺して逝くということです、
    富というものは、どこでも得られるように、空中にでも懸っているもののように思いますけれども、その富を一つに集めることのできるものは、これは非常に神の助けを受くる人でなければできないことであります。
    富というものを一つにまとめるということは一大事業です。
    妻はなし、子供はなし、私には何にも目的はない。けれども、どうか世界第一の孤児院を建ってやりたい」
    アメリカの有名なるフィラデルフィアのジラードというフランスの商人が、アメリカに移住しまして、建てた孤児院を、私は見ました。
    けれどもアメリカ人のなかに金持ちがありまして、彼らが清き目的をもって金を溜めそれを清きことのために用うる
    百万両溜めて百万両神のために使って見ようというような実業家になりたい。
    金を遺物としようと思う人には、金を溜める力とまたその金を使う力とがなくてはならぬ。
    金よりもよい遺物は何であるかと考えて見ますと、事業です。事業とは、すなわち金を使うことです。
    金のないものが人の金を使うて事業をするのであると申します。
    昨晩は後世へわれわれが遺して逝くべきものについて、まず第一に金のことの話をいたし、その次に事業のお話をいたしました。ところで金を溜める天才もなし、またそれを使う天才もなし、かつまた事業の天才もなし、また事業をなすための社会の位地もないときには、われわれがこの世において何をいたしたらよろしかろう
    私に金を溜めることができず、また社会は私の事業をすることを許さなければ、私はまだ一つ遺すものを持っています。何であるかというと、私の思想です。
    利益ばかりあって害のない遺物がある。それは何であるかならば勇ましい高尚なる生涯
    今時の弊害は何であるかといいますれば、なるほど金がない、われわれの国に事業が少い、良い本がない、それは確かです。しかしながら日本人お互いに今要するものは何であるか。本が足りないのでしょうか、金がないのでしょうか、あるいは事業が不足なのでありましょうか。それらのことの不足はもとよりないことはない。けれども、私が考えてみると、今日第一の欠乏は Life 生命の欠乏であります。
    他の人の行くことを嫌うところへ行け。    他の人の嫌がることをなせ
    種々の不都合、種々の反対に打ち勝つことが、われわれの大事業
    邪魔があればあるほどわれわれの事業ができる。勇ましい生涯と事業を後世に遺すことができる。とにかく反対があればあるほど面白い。
    それよりもいっそう良いのは後世のために私は弱いものを助けてやった、後世のために私はこれだけの艱難に打ち勝ってみた、後世のために私はこれだけの品性を修練してみた、後世のために私はこれだけの義俠心を実行してみた、後世のために私はこれだけの情実に勝ってみた、という話を持ってふたたびここに集まりたいと考えます。
    己の信ずることを実行するものが真面目なる信者です。ただただ壮言大語することは誰にもできます。

  • 「後世への最大遺物」
    人間は何の為に生きているのか、という普遍的なテーマに、何を残して死んでいくのかというところを切り口に語られたお話。
    自分は何を遺せるのか分かりませんが毎日を一生懸命に生きて、結果的に何かを遺せたらいいなと思いました。

    「デンマルク国の話」
    明治末期なのに既に環境問題を見据えて語られているお話。
    自然を壊すのは簡単だけど、もとに戻すのはすごく時間がかかり大変なこと。自国の復興が敵国に対しての一番の復讐になる。すごく建設的な復讐ですばらしいと思いました。

  • 2018年7月②

  • 2018/7/14読了

  • 志が高い、というのは、こういうこと。
    二宮尊徳が、完全にスピリチュアルであることに驚き。江戸時代の人なのに。

  • 18/06/02 10年ぶりに再読

  • NHK「100分de名著」で内村鑑三の「代表的日本人」を紹介した際に、番組中で、当作品(後世への最大遺物)の内容を紹介していたのを拝聴し興味を持ちました。

    さらに、日経ビジネスオンラインのインタビュー記事で
    漫画 君たちはどう生きるか
    の著者が、執筆にあたり編集者から当作品(後世への最大遺物)を紹介され読んだことが助けになった、という内容の(僕の理解です)コメントをしていたので「僕も是非読まねば」と思いました。

    どうせ、この世に生まれてきたのならば、何かをのこして死んでいきたいじゃないですか。
    では、何を遺そうか。
    と言う問いに答えている本です。

    形式は、講演の記録です。
    キリスト教信者の若者へのサマースクールでの講義です。
    キリスト教信者への講義なのですが、冒頭のはしがきで著者が述べているとおり
    「一般の人生問題を論究」しています。
    キリスト教への勧誘ではありません。

    本書後半の「デンマルク国の話」で、代表的デンマーク人として紹介されているキェルケゴール。
    代表作
    「死に至る病」
    は一貫して「良きキリスト教信者とはどのような人なのか」と言う論法で哲学を論じています。
    キリスト教信者ではない僕には、とても読みづらかったです。
    ですので、本書も警戒して読み始めましたが「序」で述べられているとおり、
    キリスト教信者で無くても、気安く読み進めることができるざっくばらん感で親しみが持て、
    楽しく読むことができました。

    おそらく、他の講演者は内村鑑三とは違い、拳を握り、汗を散らしながら、「いかに戦うか。」「いかに神に捧げるか」などと熱弁を振るったのでしょう。
    冒頭で「キリスト教の演説会で演者が腰を掛けて話をするのは、たぶんこの講師が嚆矢であるかも知れない」と(だじゃれを言って)笑いをとっているように、気軽な感じで受講できるように配慮しているようです。

    僕自身を振り返ると、若い頃は「何か大きなことを成し遂げて、世界に名を残して死にたい。」と思っていました。
    これができないとわかると「享楽的に楽しい人生を送りたい。」と、馬鹿なことを考えるようになりました。
    さらに年をとると「金を積めば楽しめるような娯楽に興じる人生は、じつは自分は求めていない。」と気がつきました。
    趣味で生物学(特に進化論)の本を沢山読んだ僕は「結婚して、子供をわんさかこさえて、子育てに追われる人生」ならば、それは(苦労が多いかも知れないが)幸せな人生だ。と思いましたが、ついに子供も作らず。
    何のために生きているんだか解らず、時々「なんだか無駄に生きてるな。」とむなしくなっていました。

    そんなときにタイミング良く、この本の内容をに触れたテレビ番組や雑誌記事で知ったわけです。

    「金があれば」
    「事業が興せるなら」
    「作家になれるのであれば」
    と後世への最大遺物の遺し方を考察した後
    「それらよりも優れた後世への最大遺物とは何か」
    と考えを述べる段になると、
    膝を打つことしきりでした。

    本書は古い本ですが、気楽な話し言葉で読みやすく、具体的な例を上げたり、たとえ話として良い例、悪い例を沢山あげてます。
    本も薄く(後世への最大遺物は11ページから75ページまでしかありません)気軽に読めます。(僕は時間を掛けて読みましたが)

    デンマルク国の話も面白いです。
    戦争に負けて、領土を削られ、荒野しか残っていなかったデンマークがいかに繁栄を勝ち取ったかを語っています。
    今ならば経済学の大きな成果である「比較優位の概念」で説明するところだと思うのですが、
    本書収録の講演では内村鑑三は難しい理論は用いずに、
    「外に失いしところを内において取り返すことができるだろう」
    と言ったデンマーク人の有言実行の様子を紹介しています。

    末尾に、親切で丁寧、優しく詳しく書かれた解説もあり、理解の大いなる助けになります。
    (特に、内村鑑三が、後世への最大遺物の講演をした背景や、デンマーク復興物語の元ネタを得た経緯などが面白かったです。)

  • 後世への最大遺物

    ・後世へ遺すものには「金」「事業」「思想」がある。

    ・我々の今日の実際問題は、煎じ詰めてみれば、やはり金銭問題。

    ・事業とは、すなわち金を使うこと。
     金のないものが、人の金を使うて事業をする。

    ・青年を薫陶して、私の思想を若い人に注ぐ。すなわち著述と教育。

    ・思想のこの世の中に実行されたものが、事業。

    ・文学とは、我々の心のありのまま。

    ・先生になる人は学問ができるよりも、学問を青年に伝えることができる人。

    ・最大遺物(誰にも残すことができ、利益ばかりあって害がない)は、
     「勇ましい高尚なる生涯」である。

    ・失望の世の中にあらずして、希望の世の中であると信ずること。

    ・反対があればあるほど、面白い。


    デンマルク国の話

    ・簡単ではあるが、容易ではない。 (複雑→単純 ≠ 簡単→困難 挑戦・継続)

    ・外に拡がらんとするよりは、内を開発すべき。

    ・国を興さんと欲せば樹を植えよ、植林これ建国である。

    ・「植林は、王者の業なり」

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