後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)

著者 : 内村鑑三
  • 岩波書店 (2011年9月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003311943

後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 内村さんもたいした人だ。でも、デンマーク空港のスパゲティが5千円というのを知らないだろうな・・

  • 内村鑑三の講演のログミー。
    代表的日本人を読んでいこう、内村鑑三ブームになってるわけだがこれもまたよい内容であった。人は何を後世にのこせるのか?この問いがもうじき50になる自分も考えることがおおいのだが、その指針になった。
    人が残せるものはまず「お金」。お金というのは空気中に分散してるようなもので、世の中のいたるところにはあるが一箇所にまとめるのは難しい。でも人のなかにはやすやすとそれをやれる人がいるのでそういう人は才能をいかしてお金をあつめて残せばいい。次に事業。お金がなくてもお金のある人からお金をかりて事業をのこすこともできる。これも才覚があればやれること。このあたりが宗教家であるにもかかわらず現世利益をしっかり追求する点で自分が内村鑑三のすきな点。
    そして最後に、金も事業も残すには才覚がいる。才覚のない人は何を残すのか?内村のこたえは「生き方である」と。こういう人がいてこういう生き方をした、ということは誰もが後世に残せる。それも最大の遺産であると。

    私に五十年の命をくれたこの美しい地球、この美しい国、この楽しい社会、このわれわれを育ててくれた山、河、これらに私が何も遺さずには死んでしまいたくない、との希望
    私は何かこの地球に Memento を置いて逝きたい、私がこの地球を愛した証拠を置いて逝きたい、私が同胞を愛した記念碑を置いて逝きたい。
    わが愛する友よ、われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより、世の中を少しなりともよくして往こうではないか」
    何を置いてわれわれがこの愛する地球を去ろうかというのです。そのことについて私も考えた、
    後世へわれわれの遺すもののなかにまず第一番に大切のものがある。何であるかというと金です。われわれが死ぬときに遺産金を社会に遺して逝く、己の子供に遺して逝くばかりでなく、社会に遺して逝くということです、
    富というものは、どこでも得られるように、空中にでも懸っているもののように思いますけれども、その富を一つに集めることのできるものは、これは非常に神の助けを受くる人でなければできないことであります。
    富というものを一つにまとめるということは一大事業です。
    妻はなし、子供はなし、私には何にも目的はない。けれども、どうか世界第一の孤児院を建ってやりたい」
    アメリカの有名なるフィラデルフィアのジラードというフランスの商人が、アメリカに移住しまして、建てた孤児院を、私は見ました。
    けれどもアメリカ人のなかに金持ちがありまして、彼らが清き目的をもって金を溜めそれを清きことのために用うる
    百万両溜めて百万両神のために使って見ようというような実業家になりたい。
    金を遺物としようと思う人には、金を溜める力とまたその金を使う力とがなくてはならぬ。
    金よりもよい遺物は何であるかと考えて見ますと、事業です。事業とは、すなわち金を使うことです。
    金のないものが人の金を使うて事業をするのであると申します。
    昨晩は後世へわれわれが遺して逝くべきものについて、まず第一に金のことの話をいたし、その次に事業のお話をいたしました。ところで金を溜める天才もなし、またそれを使う天才もなし、かつまた事業の天才もなし、また事業をなすための社会の位地もないときには、われわれがこの世において何をいたしたらよろしかろう
    私に金を溜めることができず、また社会は私の事業をすることを許さなければ、私はまだ一つ遺すものを持っています。何であるかというと、私の思想です。
    利益ばかりあって害のない遺物がある。それは何であるかならば勇ましい高尚なる生涯
    今時の弊害は何であるかといいますれば、なるほど金がない、われわれの国に事業が少い、良い本がない、それは確かです。しかしながら日本人お互いに今要するものは何であるか。本が足りないのでしょうか、金がないのでしょうか、あるいは事業が不足なのでありましょうか。それらのことの不足はもとよりないことはない。けれども、私が考えてみると、今日第一の欠乏は Life 生命の欠乏であります。
    他の人の行くことを嫌うところへ行け。    他の人の嫌がることをなせ
    種々の不都合、種々の反対に打ち勝つことが、われわれの大事業
    邪魔があればあるほどわれわれの事業ができる。勇ましい生涯と事業を後世に遺すことができる。とにかく反対があればあるほど面白い。
    それよりもいっそう良いのは後世のために私は弱いものを助けてやった、後世のために私はこれだけの艱難に打ち勝ってみた、後世のために私はこれだけの品性を修練してみた、後世のために私はこれだけの義俠心を実行してみた、後世のために私はこれだけの情実に勝ってみた、という話を持ってふたたびここに集まりたいと考えます。
    己の信ずることを実行するものが真面目なる信者です。ただただ壮言大語することは誰にもできます。

  • 「後世への最大遺物」
    人間は何の為に生きているのか、という普遍的なテーマに、何を残して死んでいくのかというところを切り口に語られたお話。
    自分は何を遺せるのか分かりませんが毎日を一生懸命に生きて、結果的に何かを遺せたらいいなと思いました。

    「デンマルク国の話」
    明治末期なのに既に環境問題を見据えて語られているお話。
    自然を壊すのは簡単だけど、もとに戻すのはすごく時間がかかり大変なこと。自国の復興が敵国に対しての一番の復讐になる。すごく建設的な復讐ですばらしいと思いました。

  • 一緒に旅行していた友だちに紹介された一冊。わずか300円、100ページほどの間に経験知が詰まっていて、でもそこに至る数々の失敗や思索のあとも十分にうかがえてこういう人と一緒に飲んで、ゆっくり話を聞いてみたかったな~と思いました。50年以上も前の本ですが、一読の価値ありでしたね。今でも十分に通用する考え方が多く、根本的に大切にすべきこと、外れてはいけないところはいつの時代もそう変わらないんだろうな、と思わされた一冊でした。

  • 後世への遺物として、
    ・ 金
    ・ 事業
    ・ 思想
    そして最大の遺物として、
    ・ 勇ましい高尚なる生涯
    がある。

  • 一応カトリックの大学を出ているので内村鑑三は時々読んだりする。本書は、日清戦争直後に諸外国へのアピールを意識して書かれた「代表的日本人」より、肩の力が抜けて本音が語られている気がして、より人となりが見える気がする。生きた証、社会への貢献として、「キリスト教の精神に基づいて」金を稼ぐ、事業(偉業?)を残すなど、思うところを語っている。もう一編のデンマルク国の話は、勤勉さ、努力など、こちらも二宮尊徳に通ずる逸話。

  • 困難を抱えて美しく生きること / 戦敗国にこそ国民の真の値打ちが試される(戦敗は悪いことではない)
    後世のため世の中に希望を持ち生きる

    キリスト教に基づいた思想におもわれる。しみじみと共感できた

    ある時代にあって信仰の大切さと力を説く本

  • 真に貴いものは艱難辛苦に耐え生きていく人である

  • 「あなたが働く理由はなんですか?」と問われたら、僕はこの本を差し出したいと思います。

  • 今後の人生をどう歩むかを考える上で、重要な指針を与える本と感じた。

    ちょうど近親者の死や人生の転機を迎えたタイミングで、偶然この本と出合った。自身の人生のゴールは何か、人生において何を達成するべきか、それは自身が死ぬ際に納得がいくものか、といったことを漠然と考えていた中でこの本を読み、大変感銘を受けた。
    「最大遺物とはなんであるか。私が考えてみますに人間が後世に遺すことのできる、ソウしてこれは誰にも遺すことのできるところの遺物で、利益ばかりあって害のない遺物がある。それは何であるかならば勇ましい高尚なる生涯であると思います。これが本当の遺物ではないかと思う。他の遺物は誰にも遺すことのできる遺物ではないと思います。」
    「われわれに後世に遺すものは何もなくとも、われわれに後世の人にこれぞというて覚えられるべきものはなにもなくとも、アノ人はこの世の中に活きているあいだは真面目なる生涯を送った人であるといわれるだけのことを後世の人に遺したいと思います。」
    金、事業、文学、教育といった形として残るものでなくとも、その人の生き様が自分の人生における最大遺物となる。
    金を遺すこと、一大事業を築き上げること、後世に影響が残る文学・教育を成すことを目指すのは当然重要ではあるが、そこに至るプロセスにおいて、人に感銘を与えられる生き様をしめすことこそ重要と思う。
    起業のハードルが下がり、ある程度の結果を残す確率は下がり、様々なベンチャーが乱立している今こそ、その事業によって何を成すべきかを再思考すべきではないか。

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