- Amazon.co.jp ・本 (108ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003312544
感想・レビュー・書評
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中江兆民に私淑した幸徳秋水による、兆民の評伝。100ページくらいしかないが、長崎での坂本竜馬とのエピソードなど、色々な話題が出てくる。多くの人物が登場するので、それらについての脚注がないのは残念。
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秋水の師匠観察日記こと「兆民先生行状記」がめっちゃほっこりするし面白い
薄いからすぐ読めるよ! -
2冊目の幸徳秋水著作。
東洋のルソーこと、中江兆民についての回想録を収めた著作。
「兆民先生」は漢文体で書かれており、読解がかなり難解であったが、
その種子本である「兆民先生行状記」は、
「兆民先生」ほどの難解な漢文体では書かれていなかったので、
補足的に読み進めることができた。
あくまで私の読解からであるが、
幸徳秋水は、中江兆民を敬愛しつつも、
批判するところは真っ向から批判をしているところ、
それに対して中江兆民は、誠実に受け止め返答していること、
そういったところが、真に信頼し合っている師弟関係だなとしみじみ思いつつ・・・
幸徳秋水が中江兆民を歴史上の人物にたとえるくだりで、
司馬仲達に非ず諸葛孔明なり、本多佐渡に非ず真田幸村なり・・・
と語っているところが、なるほどと納得させられた。
自分にもっと漢文の知識があれば、★はまちがいなく5つだろうが、
全文を完璧に読み解くことができなかったので4つということで。 -
内田先生オススメの一冊。
漢文調で書かれてはいるが、ルビのおかげで辞書なしでも十分に読める。
中江兆民も、「早く来過ぎた人」の一人だった。自らの理想と現実の落差の間を何とか埋めようと、時の権力に歯向かって自らの生を燃焼し尽くす。
こういう人の生き方は、必ずや多くの人に何らかの思いを残す。幸徳秋水も、その「思い」を終生大切に持ち続けた一人だった。