清沢満之集 (岩波文庫 青127-2)

  • 岩波書店 (2012年4月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784003312728

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  •  著者の清沢満之は明治期の真宗大谷派僧侶(1863-1903).大学での専攻は哲学.

     徳川政権が終り,明治維新をむかえて,いろんな面で激動期が始まる.徳川政権によって保護されてきた仏教諸派は,神仏判然令(神仏分離令.1868年4月5日(慶応4年3月13日)から1868年12月1日(明治元年10月18日)までに出された太政官布告など一連の通達の総称)により存続の危機に陥る.また,官立の高等教育機関には科学(理系という意味ではなく,百科全書に代表されるような「科」に分けた学問,学問を体系化し個人はその一部分を担うとされる学問)が導入された.そのような時代背景において,仏教者は哲学と理系の諸科学を研究せねばならない.という問題意識を追及することで,仏教の近代化,個人化に大きな影響をあたえた学僧の著作から厳選収録したものが本書である.

     清沢の日記である『臘扇記』より,「四月五日記」部分(62頁)を引用する.


     独立自由の障碍を為す所の大害物は,物質的関係,特に身体の維持,是なりとす.如何せば可なるか.曰く,凡て物質的事物は我已外のものなり.所謂外物なり.何時にても之を放棄すべし.身体と雖ども,亦何ぞ異ならん.独立者は常に生死巌頭に立在すべきなり.殺戮餓死,固より覚悟の事たるべきなり.
     既に殺戮餓死を覚悟す.若し衣食あらば之を受用すべし.尽れば従容就死すべきなり.
     而して,若し妻子眷属あるものは,先ず彼等の衣食を先とすべし.即ち我有る所のものは,我を措て先ず彼等に給与すべし.其残る所を以て我を被養すべきなり.只,我死せば彼等如何にして被養を得んと苦慮すること勿れ.此には天道の大命を確信せば足れり.天道は決して彼等を捨てざるべし.彼等は如何にかして被養の道を得るに至るべし.若し彼等,到底之を得ざらんか,是れ天道,彼等に死を命ずるなり.彼等,之を甘受すべきなり.


     上にあげた清沢の文章の要旨を知ってはいた.ようやく,ずっと気になっていた原文を発見することができた.


    2019.02

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著者プロフィール

1944年、新潟県村上市に生まれる。1967年、早稲田大学第一文学部英文学専修卒業。1973年、大谷大学大学院博士課程真宗学専攻単位取得退学。1980年、大谷大学真宗学科専任講師。その後、助教授、教授、特別任用教授、名誉教授を歴任。1985年、ウィスコンシン州立大学(マジソン校)仏教学客員研究員。2006年、東方仏教徒協会(EBS)事務局長。2010年、真宗大谷派光濟寺住職。2012年、真宗大谷派講師。2013年、真宗大谷派教学研究所所長。2017年3月31日、73歳逝去。

「2019年 『現代思想としての清沢満之』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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