自叙伝・日本脱出記 (岩波文庫 青 134-1)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003313411

感想・レビュー・書評

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  • この本は期待以上に面白かったです。まずは、かなり昔に書かれた本なのに、飾らない文体のおかげで読みやすい。(ただ、伏せ字が多いのはとても残念)大杉栄という人は非常にユニークで魅力的な人物です。たとえどんな目にあっても、決して自分の信念を曲げるようなことはしないし、権力や管理に対してはとことん反抗的、何よりも自由を愛する人ですね。

  • 自叙伝・日本脱出記
    (和書)2011年03月13日 22:26
    2002 岩波書店 大杉 栄, 飛鳥井 雅道


    レベッカ ソルニットさんの『災害ユートピア -なぜそのとき特別な共同体が立ち上るのか』と大杉栄さん、そして地震というものがその関係をみると非常に興味深い。

    大杉栄さんは関東大震災のどさくさの中で虐殺されたが、地震などの災害によって起こる特別な共同体というものは大杉栄さんというものと非常に密接な関係性があるように感じる。

    彼への反動としてあるもの、彼と共鳴する部分のあるもの、それを関係性として明確に直観できたらこれほど魅力的な救済はない。

  • 高橋源一郎のラジオで紹介されていて、すごく興味をそそられたので、読んでみることに

    行動が大胆だったり破天荒だったりするので、その点は面白かった。「嫌になっちゃった」とかの言葉づかいがチャーミングだったり。

    しかし読み終えてみても、なぜ当時の政府や周囲の人たちは、彼をそんなにも恐れたのだろうか、、、

    そこがイマイチわからない

    日本に、こういった革命家がいたことを知らず、当時の日本政府や日本を牽引しているような人々にとって、どれほどの脅威だったのかは気になるところだ。

    眠くなることが多く、読み終えるのにだいぶ月日を要してしまった。

  • 興味深く読めた。軍人の子に生まれ育った大杉が、様々な教育経験をへたのちに社会主義を選びとっていくこと、激しい気質が女性関係でも苦労し、社会主義者たちの間でも特異の存在になっていったことなどわかった。右翼の人に金策にいったり、後藤新平に無心にあったりなど勉強になった。
    日本脱出記は当時のパリの風俗など知れて興味深く読めた。小説のように読むことができる。さすがに文才がある。

  • 少年漫画の主人公のように「男の真ん中」を貫く生き方は、とにかく痛快。あこがれずにはいられない。大正時代に書かれたとは思えないような、現代的でテンポのよい文章も魅力的だ。
    「自叙伝」ではクライマックス、愛人関係のもつれから刃傷沙汰にいたる経緯を赤裸々に描いた部分がまさに迫真、圧巻である。自分が殺されかかる様を、これだけ克明に記述した文章自体、余り例を見ないのではないだろうか。
    「日本脱出記」も当時のフランスのいろいろな意味でのおおらかさが、憧れ半分、侮蔑半分の調子で小気味良く描写されており楽しめる。
    本書にはなぜか幽霊やオカルト体験の描写が頻出する。アナーキスト大杉の意外な一面も垣間見えて興味深い。

  • 激しく、生々しく、おもしろい

  • 日本の代表的アナキスト大杉栄の自叙伝。

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