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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784003313428
みんなの感想まとめ
アナーキズムや社会批判についての深い洞察が詰まったこの評論集は、読者に新たな視点を提供します。著者の大杉栄の考え方に触れることで、当初は理解しがたいと思われたアナーキストの思想が明確に理解でき、共感を...
感想・レビュー・書評
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1923年9月16日、関東大震災の混乱が色濃く残っているとき、大杉栄(38歳)、伊藤野枝夫妻と甥・橘宗一少年は、憲兵隊に虐殺された。今日はそれから101年になる。この時、朝鮮人のみならず、多くの社会主義者も殺されたと聞いているが、この時彼らの「社会主義思想」は、どのような水準にあったのだろうか。それが本書を紐解いた理由である。
柳広司「パンとペンの事件簿」の大杉栄は、堺利彦社長の売文社で働きながらも、そして荒畑寒村と共に「近代思想」という雑誌を作っていようとも、独自路線を貫き、政府にはもとより、仲間たちにも遠慮呵責なく迫るタイプの人間であった。頭は良い。獄舎に入る毎にいち外国語を習得してゆき、その数7ヶ国語に達したという。
編・解説は飛鳥井雅道だった。おそらく氏の最晩年の著作(1996年)だろう。日本近代思想史研究者の大家である。その氏をして、「「社会主義」思想家の評論集を編んだのではない」「アナーキズムを提出しているのでもない」と言わしめているのは重要だろう。一般に言われている「無政府主義者大杉栄」は、一般の社会主義者とは少し違うという事が、本書を読むと実感できる。
一つ気がつくのは、堺利彦以上の散文である。まるで演説するように文章を書いている。次から次へと、頭の中の知識が湧き出るかの如くだ。
ここには、1911年から1923年までの評論が順番に収められているが、実質彼の思想家としての活動は10年から23年までの13年間しかなかったという。最晩年、自ら創刊した「労働運動」には、1917年に成立したソビエト連邦への政策批判に終始している。レーニンが成したのはボルシェヴィキ革命だったわけだから、トロツキーに心酔している栄がソ連政策に満足できるはずもない。栄の主張は、例えば労働者や農業者の自主性を保障せよ、という当然のものではあった。それは、大杉栄の個人主義思想を貫徹する為には、当然の主張でもあった。しかし、彼の主張は当時のソ連への経済事情を分析できていない、形而上の物だったから、一部学生以外の多くの研究者からは評価されてはいない。
思えば、彼は「化ける」可能性があった。真の共産主義者として、アジテーターとして。時の政府が彼を恐れたのも宜なるかなと思う。大杉栄殺害は、思うに絶妙なタイミングだった。
それから日本の社会主義思想は、真の冬の時代に入ってゆく。冬籠りの中で、日本に真の社会主義思想がはいってゆくには、30年代の野呂栄太郎、古在由重などの若き英才を待たねばならなかった。
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大杉栄評論集
(和書)2011年03月07日 19:32
1996 岩波書店 大杉 栄, 飛鳥井 雅道
大杉栄さんのことはよく知らず、アナーキストということもどういうものか理解しがたいものがあったが、この本を読んでかなりスッキリした。
とても面白い。共感する部分が多いので他の著書の読んでみたい。
かなりの面白さだった。
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