海上の道 (岩波文庫 青 138-6)

著者 :
  • 岩波書店
3.47
  • (9)
  • (12)
  • (38)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 300
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003313862

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 遠野物語が面白かったのでその海版だろうくらいに思って読んでいるが思いの外苦しい。主に薩摩以南の島嶼に話で言葉が分からん上に完全に島嶼文化でなじみなく頭に入ってこない。

  • 柳田晩年の著作。日本人という稲を携えた民俗はどこから来たのか、稲積やネズミの名称、帆船の発達などから沢山の問いを投げかけた一冊。

    繰り返される一国民俗学の語が気になる一冊でもあった。また、戦争が沖縄に及ぼした影響をくりかえし残念だと語っている点が印象に残る。

  • 沖縄、先島あたりの言語に精通していないと難解な内容もおおかった。
    ただ、文化が北から伝播したのではないという説や根の国の話など興味深い内容も多かった。

  • これも途中です><

    柳田先生の読みたいのに時間が無い。
    あと『山の人生』と『遠野物語』欲しい。

  • 遠い昔、日本民族の祖先たちはいかなる経路をたどってこの列島に移り住んだか。彼らは稲作技術を携えて遥か南方から「海上の道」を北上し、沖縄の島づたいに渡来したのだ……。ヤシの実の漂着・宝貝の分布・ネズミの移住など一見小さな事実を手掛りに、最晩年の柳田が生涯の蓄積を傾けて構想した雄大な仮説。

  • ちょっと難しい…
    1978.10.16発行

  • 日本人がどこから日本列島に渡ってきたのか、文字を使って残っているものでなく、主に沖縄での言葉や習慣と他との対比から新しい海上の道があったのでは、という仮説に基づく試論、だと思う。
    民俗学というのか、初めて足を踏み入れてみた。咀嚼するのにかなり時間がかかり、内容の何を理解したかというと何も理解出来ていない気すらするけれど、柳田國男の思索の中を漂えた。ただ漂うだけでも楽しい経験だったけれど、もっと意味するところを理解したいという気になる。
    170801

  • 1978年(底本1968年。初出1950~55年)刊。

     海洋民、海浜や海岸近辺で生活していた民、あるいは広い意味での海の民を定点にした、昔話、伝承・伝説や慣習・伝統行事などを、広範な記録その他を基に描き出すエッセイ集。描くという言葉が相応しく、詩的な表現で縦横無尽に彩っていく。
     が、まさにそれが弱点とも言える。著者の余りの博識に支えられた多種多様な文献解説(それこそ聞いたことのないような文献がわんさと出て来る。)を例にとると、記述の元となった文献・記録が、果たしていつ、どういう経緯で作成されたのか。
     また、伝承や昔話の入手経緯が全く書かれないため、その時代相を捕まえるのが難しい。加えて、明らかにしようとするテーマと時期も書内ではさほど意識されない。
     つまり、例えば、中世後期や近世の文献で、縄文期の状況を解明する作業には、注意を要するはずだが、こういう点への配慮がないのだ。

     一方、昔話の多様さとその数に幻惑されがちだが、本書はそれら誕生の場所と時代とを有機的・網の目状に関連付けつつ、一つの事実を明らかにしていくという書き方ではない。
     故に数多説明される昔話の適示によって何を明らかにしたいのか。これがイマイチ判然とせず、これはマイナス要素と言わざるを得ない。

     とはいえ、ここまで多様に昔話・伝承・伝説を集積して書き切った書は多くはなく、貴重な書であることは明らかだ。
     誰か本書に即した形で注釈付きの解説書を書いたら、それは先人の偉業のバトンを後代に繋ぐという点で、価値ある知的営為と考えるのだが…。

  • 文章が少し解りづらいのと、日本の旧国名が解らないので地図帳をひきながら読んでいるためなかなか進まないのがもどかしい。早く内容を理解できるようになりたい

  • 再読。沖縄方面のものが多かった。日本人はどこからきたのか、稲作はどこから伝わったのか。沖縄でいうニライカナイは、概念として指輪物語のエルフたちがむかう西方が一番近いような気がした。「鼠の浄土」が好きです。鼠そのものは苦手だけど。アニメの日本むかしばなし「おむすびころりん」はこの系列だったんだなあ。

    海上の道/海神宮考/みろくの船/根の国の話/鼠の浄土/宝貝のこと/人とズズダマ/稲の産屋/知りたいと思う事二三
    解説:大江健三郎

全22件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

民俗学者・官僚。明治憲法下で農務官僚、貴族院書記官長、終戦後から廃止になるまで最後の枢密顧問官などを務めた。1949年日本学士院会員、1951年文化勲章受章。1962年勲一等旭日大綬章。

「2021年 『新嘗研究 第七輯―三笠宮崇仁親王殿下に捧ぐ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柳田國男の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
安部公房
ミシェル・フーコ...
G. ガルシア=...
サン=テグジュペ...
三島由紀夫
三島由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×