孤猿随筆 (岩波文庫 青138-9)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 岩波書店 (2011年3月16日発売)
3.20
  • (0)
  • (1)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 48
感想 : 4
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784003313893

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 孤猿随筆

  • 犬、猫だけでなく、狐、狸、猿、狼など、比較的人間と深く関わりあっていたはずの生き物達と人間との関係の変化に関する考察。動物学的なことではなく、言い伝えや民話からそれを解き明かしていく過程が面白い。

  • 書名に「随筆」とあるとおり、やや軽い読み物といった趣だが、さすが柳田國男、いつものように博識ぶりを発揮し、民俗学的な思考にいざなってくれる。
    狐や犬のような動物を巡る民間伝承や文献をさぐり、彼らのイメージが人間にとってどのようにあらわれてきたかを記述しようとする。
    柳田國男の文章はいつも、どこか随筆のような飄々とした雰囲気があり、「民俗学」という学問上のいかめしい論文というより、きまぐれな道草や方向転換をもふくんだ、文体自体が味わい深い文学作品という印象がある。
    レヴィナスの哲学書が一種の文学として読めるように、柳田民俗学もすっぽりと柳田文学というパースペクティヴで捉え直すことができるだろう。
    この文章はじっくり読めば読むほど味が出てくる。それは既に失われた、昭和初期以前の民俗的風景の匂いに似ている。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1875年生。民俗学者。『遠野物語』『海上の道』などの著作により民俗学の確立に尽力した。1962年没。

「2022年 『沖縄文化論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柳田国男の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×